金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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117:堀辰雄 『菜穂子・楡の家』

2007-10-17 21:51:08 | 07 本の感想
堀辰雄『菜穂子・楡の家』(新潮文庫)
★★★☆☆

「菜穂子」
母と交流のあった作家・森於菟彦をめぐって
少女時代に母と確執を生じていた菜穂子。
自分に関心のない夫と結婚し、
息子を愛する義母ともしっくりいかない日々を過ごしていたが、
病気のために家族と離れ、療養所に入ることになる。
夫や義母との関係、幼なじみの明との再会、
母にまつわる記憶に菜穂子の心は揺れ動き、
ある日突然療養所を抜け出して東京へ向かう。

「楡の家」
成長した菜穂子にあてて、母が自らの心情をしたためた日記と、
それを読んだ菜穂子による追記。

「ふるさとびと」
「菜穂子」に脇役として登場していたおようの物語。

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やっぱりわたしは堀辰雄の文学を理解できないようです。

ほかごとを考えて仕事中も上の空、
こんな仕事はだれでもできる、
おれにはおれにしかできないことがあるはずだ、
と思っているだめんずの香りぷんぷんの都築明に失笑。
仕事中ぼんやりしている明に社長が、
「一月でも二月でも、休暇を上げるから
 田舎へ行って来てはどうだ?」
などと言い出すくだりには吹き出してしまいました。
堀辰雄は会社勤めをしたことがないのかしら??
村娘とのやりとりでも、「なんだこの男!」と
つっこみどころ満載でありました。
明のダメ男ぶりに心奪われ、主役のはずの菜穂子の印象は
あまりありません

長編の物語となるはずだった話が、この3編になったとのことで、
どうも説明不足のような感じがして、
いまいち釈然とせず、もやもやが残ります。


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