金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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29:濱野京子 『その角を曲がれば』

2010-02-22 21:04:20 | 10 本の感想
濱野京子『その角を曲がれば』(講談社)
★★★☆☆

本が好きで周囲に壁を作っているようなところのある杏、
甘えっ子キャラでかわいらしい見た目の美香、
バドミントン部のエースの樹里。
クラスの中でいつもいっしょにいる三人組だけれど、
樹里は美香が大切で杏のことはちょっと煙たい。
美香は杏を「いちばんの親友」だと言い、
杏は同じ高校に行こうと熱心に誘ってくる美香には
それほど執着がない。
そんな中学生活の中、杏は風変わりなクラスメイト・
真由子と接点を持つようになる。

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友だちが別の子と仲良くなったことに嫉妬したり、
同じグループでいっしょに過ごしている子のことが
実は好きじゃなくて苛立ったり、
ああ、中学時代の女の子グループってこうだったよねー!と
懐かしく思い出しました。
大人になった今では、
興味のない人・好きじゃない人とは付き合わないし、
仲の良かった友だちとも合わなくなったら徐々に離れていくし、
友だちの人間関係に嫉妬するほど、
人生における友だちのウエイトは重くなくなってる。
だから自分の中で、こういう人間関係や感情があったという事実が
どんどん風化していって、
まるで最初からなかったかのようになっているのだなあ……と
ハッといたしました。

しかし、うーん、物足りない。
もっと掘り下げて描いてくれたらもっとおもしろかった!
ということで★3つ。

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