金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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58・59:田辺聖子『花衣ぬぐやまつわる…―わが愛の杉田久女<上>・<下>』

2009-11-19 21:41:09 | 09 本の感想
田辺聖子『花衣ぬぐやまつわる…―わが愛の杉田久女〈上〉・〈下〉』(集英社文庫)
★★★☆☆

天才的と評されながら、敬愛する師・高浜虚子から破門され
失意のうちに精神病院で死を迎えた俳人・杉田久女。
松本清張の『菊枕』、
吉屋信子の『私の見なかった人〈杉田久女〉』によって
定着してしまった、嫉妬深く虚栄心の強い女性としての
彼女のイメージをくつがえすべく、
資料と彼女を知る人々の証言をもとに
新たな久女像を描き出す評論。

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うう、長かった……。
3日かかってようやく読了。
これまでのイメージどころか、杉田久女のことなんて
まったく知らなかった(句はいくつか知ってたが)ので、
イメージを覆される衝撃というのはなかったのだけど、
生真面目すぎて人との距離の取り方・付き合い方がわからず
夫や友人、そして師から疎まれていく久女が、
なんだかもう、痛々しすぎて気が滅入った!
小細工が本当だとしたら、虚子嫌いになってしまいそうである。

コメント
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