金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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56:コラム・マッキャン 『ゾリ』

2009-11-14 12:26:11 | 09 本の感想
コラム・マッキャン『ゾリ』(みすず書房)
★★★☆☆

1930年代、ファシズムに支配されたスロヴァキアで
フリンカ親衛隊によって両親と兄弟を惨殺され、
唯一の家族となる祖父とともに生き延びたジプシーの少女ゾリ。
ジプシーの仲間たちとの旅暮らしのなかで、
ゾリは祖父からジプシーの掟で禁じられた読み書きを教えられ、
学校へ通わされる。
戦後、社会主義政権下のブラチスラヴァで、
ゾリは詩の才能を革命詩人ストラーンスキーに見出され
文壇の寵児となった。
しかし、政治の変化がストラーンスキーを窮地に追い詰め、
ジプシーの生活をも変えていく。
そしてその発端をつくったとされたゾリは、
ジプシーからの終生追放を言い渡されるのだった。

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ある女性の一代記ってところでしょうか。
実在のジプシー出身の女性詩人をモデルにしているそう。

時代背景がよくわかっていなかったせいか、
前半はなんだかよくわからないままに社会とゾリの状況が、
ぱたぱたっと変わっていってしまう印象なのだけど、
ファンキーなじいちゃんとともに、ジプシーの仲間たちと
すごしていた少女時代がいちばんおもしろかったかも。
ジプシー詩人として注目を浴び、華やかな世界に取り巻かれて
恋をしていたものの、いつの間にか人生は暗転。
ラストの章があれだったってことは、
ゾリの人生にとって、その時期のその恋が
重要な意味を持ってたってことなのかなあ。
男のキャラクターが全然好みじゃないので、
そこに関しては感情移入できなかった

コメント
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