金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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12:富田常雄 『武蔵坊弁慶①~⑩』

2005-05-17 14:06:43 | 05 本の感想
富田常雄『武蔵坊弁慶①~⑩』(講談社)

それまでの自分の世界が揺らぐほどの衝撃を受けた本、
というのが三冊あります。
そのうちのひとつがこれ。
よくよく考えると、わたしが今やっている三つの仕事は、
まったく関係ないように見えても、すべてこの本に端を発しているのです。
受けた影響の大きさにびっくりします。

最初に読んだのは、たしか小学校5年生のとき。
図書館で手に取りました。
漢字がいっぱいだったし、意味のわからない言葉ばかり。
「給え」「御許」等々、読み方さえわかりません。
それでも、十巻読みきるあいだに、何度も何度も泣きました。
絶版になっていて図書館で借りることしかできず、
高校を卒業するまでに何度も繰り返し読みました。
年を重ねるごとに知識が追いついてくるので、
読むたびに新鮮。
最近になって古本屋で文庫版を発見し、即購入。
最終巻だけがまだ見つかりません。

個々の登場人物の書き込みが丁寧で、魅力的。
妻子思いで主君思いの主人公弁慶も男前!なのですが、
当時のわたしは子どもながらに男性の好みがはっきりしていて、
主人公そっちのけで佐藤忠信に胸をときめかせていました。
彼が死ぬところなんて、何回読んだかわかりません。
菩提寺と居城跡にも行きました。
オタクっぷりに自信あり!
大河ドラマ「義経」で人気が出て、うれしいようなさびしいような、
複雑な気分なのです。

同じ作者で、義経を主人公にした子供向けの伝記もありました。
こちらもいい話だったのだけれど、出版社もわからないので
いまだに見つけられずにいます。

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11:島本理生 『生まれる森』

2005-05-17 13:56:54 | 05 本の感想
島本理生『生まれる森』(講談社)
★★★★☆

初めて読む作家さん。
『ナラタージュ』が絶賛されているようなので、
読んでみたいと思ったのだけど、図書館にも予約が殺到中。
代わりにこの本を予約して借りました。
高校生のときにつきあっていた塾講師のことが忘れられず、
心に痛みを抱える主人公。
この本は恋愛というよりは、痛みと、
そこからゆるやかに立ち上がっていくまでの物語。
静かで、繊細な心の揺らぎが綴られています。
友だちのキクちゃんがいいな。

コメント (2)
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