人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2019年 ホセ・クーラ、アテネとモスクワでコンサート

2020-01-23 | コンサート ②

 

 

今回は、昨年2019年末のホセ・クーラのコンサートについて紹介したいと思います。

11月のアテネでのオペラ・アリアコンサートと、12月31日大晦日に開かれたモスクワのコンサートです。会場の規模や内容も違っていますが、それぞれクーラのユニークな個性と魅力が発揮された公演だったようです。SNS上で、感動や感嘆のコメントもたくさんアップされていました。

今年2020年11月に、びわ湖ホールでアイーダに出演することが劇場によって告知(紹介した記事のまとめはこちら)されていますが、もし本当に来日が実現するのであれば、ぜひ、クーラの現在の多面的な魅力が味わえるコンサートも企画していただきたいと願っています。

  

  


 

  

≪11/22 ギリシャ・アテネーークリスマスシアターでオペラアリア・コンサート≫

 

 

 

JOSE CURA in Concert

Tchaikovsky Symphony Orchestra
Directed by Davide Dellisanti (David Delisadi)
mezzo-soprano Eleni Voudourakis
soprano Eleni Koutsoubi

FRIDAY 22 NOVEMBER 2019
CHRISTMAS THEATER
CLOSED OLYMPIC GALATSIA STAGE (VEIKOS)


ホセ・クーラ コンサート クリスマスシアター

2019年11月22日

 

2019年11月22日、ギリシャの首都アテネで、アテネ・オリンピックの競技会場だった巨大アリーナを改装したホールでのコンサートです。客席数も大規模ですが、完売したとのことです。

オペラ・アリアコンサートで、クーラは歌と指揮。レオンカヴァッロの道化師のアリア、プッチーニのトスカ「星は光りぬ」をはじめ、今回はメゾとソプラノの2人の女性歌手がゲストということもあり、カヴァレリア・ルスティカーナ、蝶々夫人、カルメン、サムソンからのデュエットが歌われました。巨大な会場のため、マイクを使用していましたが、ネットにアップされた録音、録画では、クーラはとても好調で、高音も軽々と歌っていました。観客も大喝采、熱狂的だったようです。

コンサートの正規の録画・録音はありませんが、関係者がSNSにアップしてくれた画像を中心に、コンサートの様子を紹介します。 

 

 

 

ーー指揮者デリサンティさんのFBより


●クーラの歌声 トスカのアリア「星は光りぬ」(部分)

まずは、ひとつだけですが、クーラの歌声を。コンサートの定番、プッチーニのトスカからアリア「星は光りぬ」を。指揮者のデリサンティさんがFBにアップしてくれたものです。(アリアの後半のみ)

 

 

●カーテンコール?

こちらは全員で喝采を受けている様子でしょうか。

 

 

●コンサートの前に

リラックスしているので終演後かと思いましたが、コンサート前と書いてありました。

 

●デリサンティさんのインタビューより 

コンサートの少し前、現地でオケとリハーサル中に受けたインタビューで、クーラについて語った部分を紹介します。

 

「ホセ・クーラはいつも私のアイドルの1人であり、一緒に音楽を作ることができるのは待ち遠しい。」

「有名なヴィットリオ・テッラノーヴァ国際大会(クーラのイタリアでの声楽の先生の名を冠した大会、東京で本選)の予選で、ミラノでホセ・クーラと出会った。そしてそこから、この偉大なアーティストとの美しい友情が生まれた。今、私たちはついに、信じられないような場所で、そして世界で最高のオーケストラの1つと一緒に音楽を作る機会を持つことになる。」

(「youreporter.it」)

 
 

ーー共演のメゾソプラノ、エレニさんのFBより


●エリニさんとクーラとの舞台写真

”私のホセ・クーラ! 魔法の夜!この素晴らしい、そしてカリスマ的な人と一緒に歌うのは、名誉であり、真の喜びだった。彼はポジティブで創造的なエネルギーの源であり、黄金の心、輝く魂、驚異的な声、真の芸術家。” (写真はサムソン&ダリラのデュエットから)

 

 

●ポスター ちょっとレトロな感じがまたよい雰囲気



ーーカメラマンのマノス・マニオスさんのFBより


●素敵な舞台写真がたくさん

右上のFBをクリックしてご覧ください。

”素晴らしくて非常にヒューマンなホセ・クーラと!!”

 

●「誰も寝てはならぬ」

こちらはアンコールの「誰も寝てはならぬ」をクーラが歌っているところのようです。歌詞がつけてあります。

 

 

ーークーラのFBより 


●コンサートでのちょっとした楽しいエピソード 

”このかわいい女の子は、金曜日のアテネの夜、劇場の最初の列に母親と一緒に座っていた。 ステージの上で私についてくるように招いたとき、彼女は一瞬もためらわなかった。 私は彼女のために道化師のプロローグを歌った。この写真で、私は彼女に道化師の涙を見せていた。”

 

とても子ども好きなクーラ。コンサートで小さな子の姿を見かけると、舞台にあげることもよくあります。クーラと”共演”したことがよほど楽しかったらしく、彼女は終演後、再びクーラに会って、抱っこしてもらったようです。また彼女の家族はクーラのFBに、「彼女はあの夜以来、あなたを探し続けていました!素晴らしい夜、素晴らしいエネルギー、あなたがくれた人生のインスピレーションをありがとう!私たちにとってこれまでの人生で最高の出来事でした!!!!」とコメントをしていました。

 

 

●コンサートの翌朝? ホテルの部屋から

丘の上に見えるのはパルテノン神殿でしょうか。

 

 

ーーリハーサルの様子


●アテネでのリハーサル風景 オーケストラ関係者のFBより

右上のFBをクリックして元のページから、リハーサルの動画を見ることができます。

 

 

ーーレビューより 

 

「クーラは解釈的なアプローチで聴衆を感動させた。彼はオペラアリアを現代的なアプローチで再定義し、それを人々にもたらした。」

「自分の目と耳で、彼がプロフィールに書いていることが真実であることを見つけた。クーラは、彼がオペラ・スター以上であることをステージで証明する。彼は作曲家および指揮者、オペラ演出家、ステージデザイナーであり、素晴らしいパフォーマー、自然なショーマンだ。彼は最高の音楽を選択し、楽しみ、訓練をすることを決意した。」

 

 

ーー告知記事より

 

 

 

 


 

 

 

 ≪ロシア・モスクワーーモスクワ音楽院で指揮とアリア、アルゼンチン音楽≫



 

 

 

Jose Cura
31 December 2019

Orchestra of the Moscow Academic Musical Theater. K. S. Stanislavsky and Vl. I. Nemirovich-Danchenko
Conductor — Felix Korobov
Polina Shamaeva (soprano)

≪Program≫
H. Herrera "Desde el fondo de ti"
C. Guastavino ”Sonnet 4” ”Anhelo” "Las ninas" "El albeador" "Campanilla" ”Cuando acaba de llover”
C. Saint-Saens ”Bacchanalia (from the opera Samson and Delilah)” Aria “Mon Coeur” (from the opera “Samson and Delilah”)
A. Hinaster "Los trabajadores agricolas" ("Peasants"), dancing from the ballet   "Estancia"
N. Rimsky - Korsakov "Flight of the Bumblebee"
A. Manzanero ”Somos Novios” "Esta Tarde Vi Llover"
A. Piazzolla "Tangazo" "Chiquilin De Bachin"
I. Strauss Polka "Thunder and Lightning"
F. Lehar “Lippen Schweigen” from the operetta “The Merry Widow”

Puccini "Nessun dorma"

 

2019年12月31日 モスクワ音楽院大ホール 

ホセ・クーラ

フェリックス・コロボフ=指揮

ポリナ・シャマエバ=ソプラノ

 

12月31日、2019年の大晦日。伝統あるモスクワ音楽音大ホールのコンサートは、アテネのコンサートとはまた趣向を変えて、アルゼンチンの曲、南米の作曲家の曲がメインだったようです。プログラムにあるように、 グアスタビーノ、マンサネーロ、ピアソラなどの歌や曲を歌ったり、指揮したりしました。ロシアの観客になじみのない曲であるため、クーラが英語で説明しながら進行したようです。

またオペラアリアを期待してくる観客にこたえるためか、サムソンとデリラからのデュエット、レハールの「唇は語らずとも」、そしてアンコールには定番中の定番「誰も寝てはならぬ」を歌いました。またプログラムにはありませんが、カルメンからのデュエットも歌ったようです。

 

 

ーークーラの指揮と歌声


●サムソンとデリラ「「あなたの声に私の心は開く」

共演のポリナさんがアップしてくれたもので、クーラは指揮をしながらの二重唱です。

Polina Shamaeva and Jose Cura. "Mon coeur s'ouvre a ta voix" from "Samson et Dalila" C. Saint-Saëns

 

 

ーーソプラノのポリーナさんのFBより

 

●サムソンとデリラの二重唱の写真

 

●終演後、笑顔で

”2019年、音楽院の大ホールでホセ・クーラと共演した。ここでは言葉は不必要だーーあらゆる幸福が彼らの顔にある!このようなパートナーと一緒にステージをつくることは、まさに夢だ!みなさん明けましておめでとう!!!”

 

 

ーーFBの投稿より


●舞台の様子をいくつかの写真から

ギターを手にしているのは、イエスタディの弾き語りをしたからです。また左下の少年は、やはり客席最前列に座っていたところをクーラに招かれて壇上にあがり、リムスキー=コルサコフの「くまんばちの飛行」を見事に指揮したのでした。もちろんクーラがリハーサルしているとはいえ、少年はあらかじめ準備されていたのか?それとも全くの当日のハプニングなのか?いずれにせよ観客とともにクーラも楽しんだようでした。

 

 

ーー リハーサル風景

 

●ポリナさんがアップしたリハーサル風景

 

●リハーサルでダンスを踊る2人

「唇は語らずとも」の伴奏中にダンスを踊ったようです。チェロは指揮者のコロボフさん。日頃ダンスは苦手と言っていたクーラ、本番はうまくいったのでしょうか。

 

●指揮者のインスタより

 

 

 

 

 

 

 

 


 

  

この秋から年末にかけて、クーラは、ハンガリーでのヴェルディのレクイエムの指揮や、自作のオラトリオの録音、そして今年2020年1月29日に初演を迎えるクーラ脚本・作曲の新作オペラの準備やリハーサルなどで、きわめて多忙だったと思います。 その合間をぬってのコンサート、それぞれ趣向を変えながら、魅力的な内容のコンサートだったようです。

作曲・指揮の活動紹介が続きましたが、まだまだ現役の歌手として、素晴らしい声とカリスマ的パフォーマーであるクーラ。なかなか現地にいくことができないのが残念ですが、コンサートの録音や録画の断片をネットで見聞きでき、クーラの今の声を味わえるのも、現代ならではのことです。

 いよいよクーラの新作オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」初演も近づいてきました。準備も大詰めになっていることと思います。クーラやハンガリー放送協会の解説記事も楽しみです。無事に成功することを心から願っています。

 

 

*画像は、出演者、関係者のFBなどよりお借りしました。


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