【 2018・9・19 掲載記事 】
番組表では、「らじるらじる」で、見かけた。
9月16日の午後から、NHKラジオで、安室奈美恵の、この特番をやることは、当日の朝、知った、
リクエスト曲を、全国から募りまくり、はなむけの、送別メッセージも募集。
もっとも、すでに1か月前から告知していた・・・らしい。
そりゃあ、0から声掛けたら、番組構成、てんやわんやだもんなあ。
さらに、これまで、表舞台にあまり出ることが無かった、安室付きの、さまざまな男女スタッフに音声コメントを取り、ソレをはさんで、曲と、彼女の人柄を誉め倒し、流しまくる。
例えば、スタイリスト、ヘアメイク、ダンサー、プロデューサー、などなど、カタカナ稼業の方々。
んでもって、盛って、見事なまでに、「輝かしい軌跡をつづった末の、涙の引退に華を添えて、どころか、花飾り付けまくる、ヨイショヨイショの、太鼓持ち番組」になるであろうことは、数行の番組案内を読んだだけで、想像がついた。
スタジオにいて、しゃべるのは、島崎奈津美と、早川加奈子なる、女性名、2人。
んでも・・・知らねえ・・・・・・。
安室には、さほど興味がないので、在宅していても、全篇、ちゃんと聴く気はなかった。
しかし、「引退」を発表してから、本日までの、巧妙な作戦と策略には関心をもち、早々に1本、記事化した。
おそらく、荒稼ぎした巨額で、死ぬまで、桁外れなぜいたくさえしなければ、充分過ぎるほどに、喰っていけるはずだ。
3年前にはすでに、引退までの契約をしていたエイベックス・レコードのなかにあったマネージメント事務所とは、まったく別に、「個人事務所」も設立。
第2の人生も、明日9月20日で40歳になるのを皮切りに、やがて、落ち着いたら、やりたいことを、やっていくのであろう。
なにしろ、一連のビッグ・コンサートの収入の一定収益を得ることも、ツアー開催前に契約締結。
また、続々と発売された、そして、今後も発売される、ライブDⅤD&ブルーレイ・ディスクの売り上げの一定割合の確定収益も、契約を交わし、手にした。
さらに、今後も得られるであろう、自分の曲の歌唱印税分を、死去するまで、すべて手に出来るという、一介の歌手に過ぎないにもかかわらず、「破格」といって良い「特約事項」を結んだ。
「引退」ということを、クチにして、この1年、莫大な稼ぎ高を手にしていった彼女。
消える、無くなる、去る・・・・・となると、急に騒ぎ出し、それに、ひょいと我も我もと、流れに乗りたがる、愚かな日本人気質。
ソコをみてとった、したたかで、巧妙な、メディアを通じての戦略だった。、
最低、見積もっても、総額200億円は堅い、とみられる。
25年。紆余曲折あれど、曲がりなりにも芸能界に浸かり切った、40歳間近の女独りで考えた策略ではない。
金銭がからむ、契約事項に強い、優秀なスタッフが付き、すでに、エイベックス・レコードから完全独立後の個人事務所では、新たな、スターの育成などを軸とした、事業展開を、視野に入れている、
それでいて、私、もう、公人じゃないの。わたしさあ、一介の私人。詩人では、ないけどさあ。
ンだもんで、取材、止めてチョ~ダイな。自粛してくださるかしら・・・・。
マスコミからみると、ちょいと、身勝手過ぎやしないかい?
あまりにも、自己都合良すぎる「怪釈」の「私人」に・・・・
で、だ。
で、なにげなく、放送されてた時間帯に、スイッチ、を入れた。
2人が、何者であるかが、分かった。
島崎奈津美なる女は、フリー・アナウンサー。
顔出し、もちろんオッケーのようで、午後7時からの、NHK定時テレビニュースのなかでも、撮られて、嬉しそうな放送中のスタジオでの満面笑顔が流れた。
この時点で、特番終えて、すでに3時間以上経過。
「リクエストと、寄せられたメッセージは、総数8000通を超えたそうです」と、男性アナが、番組大成功宣伝お手盛り内輪ニュースを、嬉しそうに読み上げた。
ところが、ぎっちょん!
先程、特番ページを改めて見たら、9592通に、急増。ちょいと盛り過ぎ、あざとく盛っていたのには、あきれ果てた。
この島崎奈津美。NHKの21時台のニュース番組に、自ら、安室の引退企画を持ち込んだ女だという。
彼女の特番における自己宣伝によれば、元々、安室奈美恵のファンであったそうな。
ところが、もう一人の「早川加奈子」なる名前を名乗る女は、撮影NG.
声はすれども、姿現さず。ラジオなら、正体、ばれない。
このラジオ特番の宣伝ページを検索してみると、
この有り様。ブスなのか、美人なのか、ど~かすらも、分からない。太目、細身?
年齢すらも、不明。
この、早川加奈子が、安室奈美恵の、「オフィシャル・ライター」だった女。
オフィシャル?
一般の読者には、聞き慣れない職名。
ライターは、ライター、記者だ。
ははあ・・・・そ~ゆ~コトか。そ~ゆ~女か。
この、類いにぶつかったのは、実は、9年ほど前。
安室ではないが、当時、人気があった歌手に、インタビューを申し込んだ。
そうしたら、レコード会社の宣伝&広報担当者が、今まで聞いたことも無い、おかしなことを言い出した。
≪ そちらだけでなく、他の雑誌や新聞などにも、直接のインタビュー取材は、一切、させておりません。撮影だけも、同様に、させてません。
しかし、わが社のシステムとして、お望みのインタビュー記事になるか、どうか?は、別として、こちらから、ご提供は可能です ≫
はあ? ど~ゆ~ことなんですか?
≪ こちらで、ご用意した、当人を良く知る、いわば専属のライターが書いた、インタビュー記事であれば、発注をこちらから致しまして、そちら様向きに書いてもらって、ご提供可能ということで、ございます ≫
んんん?
細目を聞くと、支払う原稿料と、掲載写真料。決して安くはないが、とりたてて高くも無い。まあ、妥当な金額提示だった。
写真、1点で済ませれば、良いかあ・・・・。
とはいえ、問題は、原稿の中身だ。
データ原稿じゃないので、赤入れて、直しは不可能。 ライターの名前を聞いたが、聞いたことも無い名前。
では、と。そのライターなる者が、その歌手についてインタビューなり、評論めいた記事を読みたいので、今、書店に置いてある雑誌を聞いた。
さっそく、メモし、最寄りの大型書店に急いだ。
手にして、目当てのページを開いて読んだ。
ええっ!・・・・・・・・・・・
つたない文章力。作文に近い。
まあ、それは良いとして、全篇、創られたイメージ戦略に乗っかったとしか思えない、プロモーション文、ヨイショ文、美辞麗句あふれる、神輿担ぎ文。
読んでて、吐きそうになった。
これ~? これかよ・・・・・。
そこに、素顔、ホンネ、苦悩、苦闘、反発、性格、あらゆる事実の一片も、まったく見えてこない。
こちらが、質問したいことと、まったく重なっていない。
こちとら、事実と素顔を調べて、聞いて、精神的に、身ぐるみはがして、つたない文章ながら、相手をまな板に載せて、切り刻み、料理してゆくタイプ。
むろん、それなりに、読ませるために、味付けはするけれど、基本は、ソレ。
んなもんで、こんなシロモノが、世に大手振って、横行しているのに、腰抜かした。
素顔の「素」無し。素っ気無い。
CDの売れ行き表示にしても、書かれているいる数字は、発売棚卸し枚数、 間違っても、実売数では、無い。
コンサート観客動員数も、「実券」と言う業界用語の、実際に入場券を購入して、会場に入った観客数と大差あるし。
誌面に載せはしたいが、なにも、おカネ払ってまで、宣伝に協力するこたあねえや、と。
しかし・・・・・
気になって、音楽業界の人間やライターらに、こんなハナシがあったんだけどさあ・・・・と、振って、聞いてみた。
なんと、ソレ、フツ~の手法になってきているんだ、と言う。
もちろん、売れている歌手、シンガー&ソングライター、バンド、に限っての戦略とのこと。
売れている間は、通用させざるを得ないよなあ。おかしなハナシだけどさあと、仕事仲間。、
座頭市の、名文句じゃあねえけれど、「嫌な渡世だなあ・・・」。
なお且つ、その条件呑んで、申し込んだところで、それで、即、載るわけでは、ない。
向こうも、コチラ以上に、選ぶ権利がある。
載せてもらって、というより、載せてやって、メリットがあるのか?
創り上げたイメージに、ほんの少しでも、傷は付かないか?
出して、損は、しないか?
CDの発売時期や、コンサート・ツアー時期の宣伝に、合うかどうか? 沿えるか、どうか?
この手合い。演歌&艶歌歌手と違い、忘れ去られないように、日々、テレビに出まくる慣習は、ハナっから無い。
むしろ、逆。
飽きられないように、出ないで、出さないで、貴重さを漂わせて、たまに冠番組に出て、ファンの待ち焦がれた飢餓感をぬぐい、したたかに計算をはたらかせる。
アイドル的であって、決して、アイドルでは無い。
安室。19歳で、母になったヤンママ、中年女であるはずなのに・・・・・。
狙いを絞り、主に選んだ軸は、若い女性向けのファッション雑誌。
少しの「 」を入れての、美しい、創られた美辞麗句インタビューを挿入して、先のヘアメイク、スタイリスト達に駆使してもらったファツションを、これまた、周知のカメラマンに撮影してもらい、記事と写真、口座振り込み金銭と引き換えに、ご提供。
週刊誌にも、総合月刊誌にも、なかなか応じず、スキャンダルや私生活を、絶対に報じない、ファッション誌を中心に、狙いを定めた。
見事に、正解。見事に、当たった。
「アムラー」なる新造語まで編み出し、生き残り、好イメージ戦略。
さらに、コンサートのステージでは、自分を一切語らず。いわゆる、MC無し。
「大音響のスピーカーを通した、音声」を流して、1ステージ、有無を言わさず、突っ走ってきた。
先の、早川加奈子なる、ライターが、本格的に「専属」ライターになったのは、2008年から。
それから 一昨年まで、丸8年弱。
インタビューは、掲載のたびではないにしろ、少なくとも、してはいたと推測される。
だが、あくまで、早川の指先を通した、安室奈美恵の「 」という、しゃべり言葉が、問いに答えてくれた、言葉として、「 」のなかに封じ込められ、
大手を振って、安室の話したままの言葉として、流布され、引用されてもきた。
ソレ、以外の肉声は・・・・・無い。引退間際まで、殆んど、皆無。
早川加奈子のインタビュー活字以外は、安室の御言葉に関しては、この世に無いのだから。
この「オフィシャルライター」という、「専属ライター」システムの、怖さに、書き手の1人として、身震いする。
その戦略、策略イメージが、安室のファンを引きつけ、机の上で編み出された「言葉」が、1人歩きし、事実、ないし、真実として、ごく自然に受け取られていく・・・・・
顔を出さない、出したくない、撮られたくない、「早川加奈子」。
いまさらと想い、調べてはいないが、元々は、エイベックスのスタッフの1員か、小説家志望のアンカーマンや、ゴーストライターあたりか。
むろん、実名では無く、完全なるペンネーム。
一番可能性があるのが、出版社の、社員編集者兼記者。
ひそかにこなしていた「副業」がばれて、クビ寸前になり、一昨年ケジメをつけたか。
ともかく、正体が明かされたら、まずい身。知られたくない身。
引退発表前に降ろされたのは、文章表現にあきられたか、ワンパターンが鼻についてきたか、女王様の気に入らない言動があったのか、逆鱗に触れたのか。さまざまな要因が考察出来る。
かつて、エイベックスの戦略について、関心があり、電話ではラチがあかないので、何度も通い、聞きまくり、使える曲の集め方、歌手候補の集め方など、そのしたたかな戦略が、調査取材の結果、様々、分かった。
そんななか、安室が、エイベックスのビルを出てきた時には、お付きの者ども、なんと20人近く引き連れての、北青山の舗道を大名行列。
カメラを向けたとたん、「やめてください」と制止され、数歩、歩み寄っただけで、これまた制止された。
テレビ局の歌番組にも、その大量人数が、ゾロゾロ、ゾロゾロ、砂糖に群がるアリの群れのように付いてきて、周囲を、毎回驚かせ、あきれられたのは、有名なオハナシ。
なもんで、良くも悪くも、女王様化。
最近の記事キャツチフレーズも、美辞麗句が、最後まで、目に付いた。
素顔、実像と、専属ライターが増幅させたギャップは、さらにさらに、開くばかりだ。
昨夜の9月18日、日本テレビ系での、地方にまでネット放送に及んだ特番、「これで見納め! 安室奈美恵 引退スペシャル」。
視聴率、13~15パーセントを獲った。
まあ、ほどほどながら、良い数字であろう。
過去に撮りだめていた映像に加え、レコーディング光景や、プロモーションビデオ撮影現場光景。
5大ドームツアーに、ラストコンサートの模様。イモトアヤコとの、おちゃらけ撮影を盛り込んだもの。
かなり、撮影制限、取材制限が有ったと聞いている。
それもまた、安室奈美恵プロジェクト戦略の一端。
んんんん・・・・・
背筋が凍る。
長い物には、巻かれろ。
嫌なら、依頼しなければ良い。
確かに、それはそうなのだが・・・・。
最期のコンサートにおいても、撮影は禁止。
その代わり、「ご提供写真」と銘打って、この2枚が選別され、公表させてくださった。
最期の最後まで、戦略は成功した。
オフィシャルライター、専属ライターによる、「インタビュー」記事作成。
それ以外、目に出来ないシステム。
目に付くソレを「事実」と信じて、疑わないファン。
あのシンガーも、あの有名バンドも・・・・・
たかが、一歌手。されど、いつのまにか・・・・「一大歌手」
たかが、芸能マスコミ。されど・・・・・あるべき芸能報道。
正しさ、事実とは、かけ離れてゆく・・・・・・・
ひそかに、静かに、秋風が、この世に、びゅーびゅー吹きまくっている