危惧はしていたし、すでに先日も、もっか開催中の「ピョンチャン 2018冬季五輪」の観客数の少なさ、収支間違いなく赤字決算という、報じられない「厳実」の記事のなかでも触れた。
そんなさなか、本日、2月24日。日本での「2018 スーパーラグビー」開幕戦、「サンウルブズ 対 ブランビーズ」が、東京の「秩父宮ラグビー場」で行われた。
晴天の下、気温14度。冬と言うのに、風も無し。雨も雪も、降らず。
この会場。言わずと知れた、ラグビーの聖地。メッカ。
絶好の、ラグビー観戦びより・・・・のはず、だった。
日本代表チームと並列した存在の「サンウルブズ」。
今日の開幕戦でも、日本人の若手を大胆起用し、且つ、来年は日本にいない確率が大きい外国人選手を多数抜擢という、苦肉の策の末の混合ごった煮日本風味付けチーム。
とはいうものの、スーパーラグビー参入、3シーズン目に入ったこの「サンウルブズ」。
長らく、日本ラグビーフットボール協会の幹部たちは気にも掛けていないが、戦う日本人選手たちは、大学、企業に社員として属し、チームの他に、日本代表にも呼ばれれば参加。
フル活動の、フル稼働。
が、人間、カラダは、ひとつしか無い。
結果、確実に客を呼べる日本人ベテラン選手たちが、重傷のケガを抱え、欠場せざるを得ない上に、出場給・手当ては、とても書けないほど安いし、低い。
日本人選手の殆んどは、固定給の正社員と、シフトで自由に時間を動かし、練習と海外遠征や、合宿に参加出来る工場作業員。
学生は、学生。
それら、アルバイトにも似た、時間給で、サンウルブズの出場給と、時間外手当が考慮されている。
社員の場合、出場給の交渉は、選手個人とではなく、会社・企業とするという。
なもんで、時間給の感覚。
といって、プロ契約で雇い入れる選手は、極めて少ない。
しても、単年契約。
ケガをして、プロ選手契約が不可能になったら、さようなら・・・・・。
カンペキに、ケガと弁当は自分持ちになる現実。
社員でも、学生でも、ケガと弁当は、なかば自分持ち。
ちなみに、取材したさなかで聞き込んだ出場給は、各人、違う。
助っ人プロ外人には手厚く、社員や学生には、もらった時、思わず、めげてしまうほどの薄給。
まだ、かすかに知名度がある五郎丸歩には、マネージメントを担っているプロダクションを通じて、出場を依頼しているのだが、良い返事はもらえないまま。
なにより、彼自身がベストの状態に程遠いままだし。
結局、出たがっていて、安く起用出来る、且つ、選ばれて喜ぶ、まだイキの良い若手に、実力を試させようとするあまり、入れ替わりが激しくなり、固定化、到底あり得ない。
枠は45人もいるので、厳しく言えば、選手の使い捨て、使い回しが、依然として横行したまま。長期起用計画は、無いに等しい。
今さえよければ、あとは知~らない、実態方針。
その結果、2016年の初参入で、全18チーム中、1勝だけ出来て、最下位。
昨年の2017年は、2勝して、17位。
数字だけ見れば、たったの1勝や2勝。
しかし、惜しい試合が目立った。ぐんぐん、選手は傷付き、カラダがたがた状態になりながらも、世界を転戦して、奮闘していた。
出れば、自分の力量も試そうと、本能が、自然にそうさせる。
この記事では、その論評を書くものではない。
指摘するのは、観客の少なさだ。
画像は、ナマ中継した「BS日テレ」の、試合開始前。なぜか、ラグビーには、縁もゆかりも無いはずの歌手・郷ひろみが、国歌「君が代」を斉唱。
見て欲しいのは、郷の相変わらずの削げ落ちた頬や顔ではない。
彼の背後に見える、空席だ。
郷ひろみのファンと、ラグビーファンは、まったく重ならないため、いくら彼が「試合会場の、秩父宮ラグビー場へ、郷、GO!」と、呼びかけたとしても、来ることは無い。
ナニを、またも、協会は勘違いしているのであろうか・・・・・・。
バックスタンド席のグラウンド前の席でも、こんなに空席が目立つ。ブルーのイスの色が、あざやかに冬の陽に、照り映えている。
サンウルブズの、ファンクラブがあるのだが、公称で、わずか5000人しか加入していない。
メインスタンド席こそ、スポンサー各社に配った招待席も含め、ほぼ埋まっていたものの、この会場。
かつては1万5000弱しか席が無かったのを、2019年の「ワールドカップ日本大会開催」をめざし、大改造。
現在、車いす用の席も入れて、2万4871席がある。
だが、ざっと見ただけでも、1万5000人がせいぜい。メインスタンドへの招待客の券を除けば、実質1万3000人というところか。
珍しく、普段はパラパラとしか客がいない、左右のゴールポストの裏側には、客が8割り方、埋まっている。
珍しいこともあるもんだと想い、調べてみると、この「スーパーラグビー」のチケット代。
日本企業がチームを持って、日本一を争うリーグ戦「トップリーグ」より、設定料金が、はるかに割高。
ワールドカップともなると、さらにとんでもなく高い。
ゴールポスト裏のチケット料金が、普段のトップリーグ並みの、当日、2000円から2500円で収まっているからだった。
ラグビーは、天候次第で、客の増減が激しく変動する。
で、バックスタンドの左右の両脇、無人の席は「ファミリーゾーン」と呼ばせた席。
親子で入ると、割安になる設定、
だが、この「厳状」。ラグビーは、例え、晴天の休日でも、家族では、まったく来ない、行かない!ということが、実証された。
郷ひろみ、見たさに、家族は、来ない。絶対に、来ない。
急きょ、見直しをしなければいけないであろう。
このサンウルブズも参入している、その名も、「スーパーラグビー」。
確かに、決して大げさではなく、実力も、スーパー。世界の、トップクラブチームが集結し、世界各地へと転戦し、試合をこなしている。
だが、その観客動員数は、年々目減りし、空席がどんどん目立つようになってきた。
実際、中継は全試合、録画して観ているのだが、さんたんたる有り様だ。
だからか、従来使用したビッグ・スタジアムでは無く、目先をガラリと変えて、来年の「2019年 ワールドカップ 日本大会」を見込み、試金石のつもりで、この後、来週、3月3日の「レベルズ」戦も含め、5試合がこの日本各地でおこなわれる。
さらに、「日本代表 対 イタリア代表」戦なども、6月に実施される。
選手は、ガタガタ。会場は、ガラガラ・・・・が、今から透けて見える。
というのも、あと1年7か月後に開幕される、来年のワールドカップの、主な試合開催会場の、収容人数を列記してみよう。
「札幌ドーム」、4万1400人。
増席改造した「熊谷ラグビー場」、2万4000人。
「味の素スタジアム」、4万9970人。
「日産スタジアム」、7万2327人。
「豊田スタジアム」、4万5000人。
「大分銀行ドーム」、4万2000人。
どうするんだろう?
ワールドカップ開催に手を上げた時、赤字になったら、どこがケツ持つのか?という話題になった。
当時の協会会長の森喜朗は、「政府補償の見込み」と答えたが、ドンが政界を離れた今、その手形は、空手形になりはしないか?
痛い、正拳突きの、空手、がたがたに・・・・・・。
新たに、懇願されて、サンウルブズを動かす団体のトップにされてしまった、ビジネスマンは、吐露していた。
協会の人達と会議を重ねても、ビジネスとしての試合運営興業のことは、まったく考えていないことに、あきれ果てた、と。
日本開催の試合は、毎試合、2万人は呼び込みたいとの希望をクチにした。
サッカーのJリーグのチームのように、地域密着型でなければ、大量観客動員は見込めない。なのに、いまだに企業チームの域を脱していない。
もう、あきれ果てることばかりであろう。
時に「府中ダービー」なんて、勝手に盛り上げて、東芝とサントリーが、選手が働く工場と、隣接された練習グラウンドが府中市内にあるため、そう言うのだが、来る客は、社員証を呈示すれば、1000円で2人観られる企業社員と、昔からのラグビーファンだけ。
その域から、半歩も出ていないまま、時が過ぎている。
今日。
Jリーグが、開幕した。
NHKーBSでは、午後2時からの「浦和 対 FC東京」の試合を、ナマ中継していた。
会場は、「ラグビー ワールドカップ 2019 日本大会」でも使用される、「味の素スタジアム」。
浦和などは、地域密着の成功代表格であろう。
勝っても、負けても、会場に来て、応援し続ける。
この試合の、観客、3万9951人。
秩父宮ラグビー場の、約2・7倍だ。
ちなみに、本日行われた他のJリーグの試合。
広島 対 札幌で、1万7026人。
G大阪 対 名古屋。2万8681人。
この、いやおうも無い「厳実」。
少しは、関係者。考え・・・・・ないんだろうなあ・・・・。
当事者のはずなのに、他人事なんだろうなあ・・・・・・・・・。