DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(117) 百田氏の誤り:①「べ平連」結成の原因に関し「思いつき」的な「陰謀論」を語る!②成田空港建設反対闘争!③反戦一株株主運動!

2021-11-14 18:53:47 | 日記
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(117)百田氏の誤り①:「べ平連」結成の原因に関し、史料に基づく説明がなく、「思いつき」的な「陰謀論」を語るにすぎない!(443-445頁)
P  百田尚樹『日本国紀』は「ベ平連」(正式名称:ベトナムに平和を!市民連合)について次のように述べる。ベトナム戦争について「[ソ連は]西側諸国内で巧みなプロパガンダ(政治宣伝)を展開したため、各国のリベラル層がアメリカを一方的に非難し、その空気は日本にも及んだ。そして作られたのが『べ平連』という市民団体である。彼らは『ベトナム戦争反対』のデモや運動だけでなく、平和運動と称して、企業を攻撃したり、成田空港建設反対などの闘争を繰り広げたりもした。」(百田443頁)
P-2  百田氏の誤り①:百田氏は「各国のリベラル層がアメリカを一方的に非難」し、日本では「べ平連」が結成された原因は「ソ連のプロパガンダ」だと述べる。だが彼はこの原因・結果の関係を史料によって説明していない。「思いつき」にもとづく「陰謀論」にすぎない。(443頁、448頁)
P-2-2 そもそも百田氏自身がすでに「世界の多くの人々が、アメリカの介入をベトナムの民族自決権を奪う行動だと見做していた」(百田477-478頁)と述べている。これこそが「べ平連」結成の最大の原因だ。(441頁)

P-2-3 百田氏の誤り②:百田氏は「彼ら[べ平連]は・・・・平和運動と称して・・・・成田空港建設反対などの闘争を繰り広げたりもした」(百田443頁)と述べるが、「成田空港建設反対などの闘争」(成田闘争)は「べ平連」が主体となって展開したのではない。(百田氏は意図的にそのような「誤解」を与えようとしている。)「成田闘争」は「新左翼」のメンバーが主体だ。(443頁)

P-2-4 百田氏の誤り③:百田氏は「べ平連」は「平和運動と称して、企業を攻撃」したと述べ、《暴力的》だとイメージさせようとするが、これは誤りだ。「べ平連」が行ったのは「戦争反対」の立場から、軍需企業の代表格と考えられていた三菱重工に対する「反戦一株株主運動」だった。三菱重工側は、株主総会で「総会屋」を動員し対抗した。(443-444頁)
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アイリアノス『ギリシア奇談... | TOP | アイリアノス『ギリシア奇談... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 日記