※ 映画『真実』La verite(2019年、仏・日合作)是枝裕和監督
フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本『真実』を出版。それを祝うため、アメリカに暮らす娘で脚本家のリュミールが、夫でテレビ俳優のハンクと娘シャルロットを連れ、フランスの母のもとを訪れる。母の自伝を読んだリュミールは、そこに、事実でないエピソードが書かれ、重要な人物が全く書かれていないことに憤慨する。リュミールは母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。やがて母と娘の間の隠されていた愛憎が明らかになっていく。女優であることを何よりも優先する母ファビエンヌをカトリーヌ・ドヌーブが演じる。
《感想1》自伝本『真実』で家族の歴史を母ファビエンヌは自分の観点から書く。不要な人物・出来事は書かない。娘リュミールは、母の観点は誤りだと、母を批判・非難する。
《感想2》自伝本『真実』が、映画化される。母ファビエンヌは映画に出演し、自分自身を、娘リュミール役の俳優を相手にして演じる。
《感想3》この映画ではファビエンヌの5層の像(①②③④⑤)が錯綜する。①自伝本『真実』に描かれたファビエンヌ像、②現実のファビエンヌが覚えている過去の自分(本『真実』に描かれない事実が過去にある)、③娘リュミールが覚えている過去のファビエンヌ像、④自伝本『真実』の「映画」の登場人物として、俳優ファビエンヌが演じるファビエンヌ像(娘リュミール役の俳優を相手にする)、⑤現実のファビエンヌと現実の娘リュミールとの対話の内で新たに形成され母娘に共有されるに至る母ファビエンヌ像。(これを娘の脚本家リュミールが新たな別の脚本にする。)
《感想4》母娘に共有されるに至る母ファビエンヌ像(⑤)が、心温まるもので、映画はハッピーエンドだ。
《感想5》:女優ファビエンヌの5層の像とは、つまり5層の現実があることだ。この映画は5層の現実からなる。そして現実のカトリーヌ・ドヌーブがいる。この現実を含めれば6層の現実を観客は見る。
フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本『真実』を出版。それを祝うため、アメリカに暮らす娘で脚本家のリュミールが、夫でテレビ俳優のハンクと娘シャルロットを連れ、フランスの母のもとを訪れる。母の自伝を読んだリュミールは、そこに、事実でないエピソードが書かれ、重要な人物が全く書かれていないことに憤慨する。リュミールは母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。やがて母と娘の間の隠されていた愛憎が明らかになっていく。女優であることを何よりも優先する母ファビエンヌをカトリーヌ・ドヌーブが演じる。
《感想1》自伝本『真実』で家族の歴史を母ファビエンヌは自分の観点から書く。不要な人物・出来事は書かない。娘リュミールは、母の観点は誤りだと、母を批判・非難する。
《感想2》自伝本『真実』が、映画化される。母ファビエンヌは映画に出演し、自分自身を、娘リュミール役の俳優を相手にして演じる。
《感想3》この映画ではファビエンヌの5層の像(①②③④⑤)が錯綜する。①自伝本『真実』に描かれたファビエンヌ像、②現実のファビエンヌが覚えている過去の自分(本『真実』に描かれない事実が過去にある)、③娘リュミールが覚えている過去のファビエンヌ像、④自伝本『真実』の「映画」の登場人物として、俳優ファビエンヌが演じるファビエンヌ像(娘リュミール役の俳優を相手にする)、⑤現実のファビエンヌと現実の娘リュミールとの対話の内で新たに形成され母娘に共有されるに至る母ファビエンヌ像。(これを娘の脚本家リュミールが新たな別の脚本にする。)
《感想4》母娘に共有されるに至る母ファビエンヌ像(⑤)が、心温まるもので、映画はハッピーエンドだ。
《感想5》:女優ファビエンヌの5層の像とは、つまり5層の現実があることだ。この映画は5層の現実からなる。そして現実のカトリーヌ・ドヌーブがいる。この現実を含めれば6層の現実を観客は見る。