むかし、男、五条辺りに住む女を「得ることが出来なくなってしまったことよ」と悲しんで、(その男が)ある人への返事に詠んだ歌。
「思ほえず袖にみなとのさわぐかなもろこし船のよりしばかりに」
It happened that I was forced to leave my sweetheart. I severly shed tears. The extent of shedding tears was similar to the violence of waves caused by a gigantic Chinese ship entering a harber.
思いがけずあの愛しい人との縁が切れ、私の袖は、大きな唐船(モロコシブネ)がいきなり港に入ってきて、港の水が荒れて波立つように、あふれた涙でひどく濡れている。
《感想1》男(業平)の悲恋の歌だ。ただし表現が、スケールが大きい。《港に、大きな唐船が入ってきてざぶんざぶんと波が押し寄せる。そんなふうに私の涙が激しく溢れ、私の袖はひどく濡れる。》
《感想2》「第5段 関守」に「二条の后(キサキ)」すなわち藤原高子(コウシ)の話がある。藤原高子(藤原良房が後見)は、当時、将来の后妃候補であり清和天皇に入内するとされていた。彼女はそれを知っていて、にもかかわらず男(業平)を受け入れた。彼女は奔放な女性だ。
《感想2-2》だが「二条の后」に男が忍んで通ってくると世評がたったので、女の兄たち(藤原基経)が毎夜、番人を置いて守り固めた。男(業平)は女に会えなくなった。
「思ほえず袖にみなとのさわぐかなもろこし船のよりしばかりに」
It happened that I was forced to leave my sweetheart. I severly shed tears. The extent of shedding tears was similar to the violence of waves caused by a gigantic Chinese ship entering a harber.
思いがけずあの愛しい人との縁が切れ、私の袖は、大きな唐船(モロコシブネ)がいきなり港に入ってきて、港の水が荒れて波立つように、あふれた涙でひどく濡れている。
《感想1》男(業平)の悲恋の歌だ。ただし表現が、スケールが大きい。《港に、大きな唐船が入ってきてざぶんざぶんと波が押し寄せる。そんなふうに私の涙が激しく溢れ、私の袖はひどく濡れる。》
《感想2》「第5段 関守」に「二条の后(キサキ)」すなわち藤原高子(コウシ)の話がある。藤原高子(藤原良房が後見)は、当時、将来の后妃候補であり清和天皇に入内するとされていた。彼女はそれを知っていて、にもかかわらず男(業平)を受け入れた。彼女は奔放な女性だ。
《感想2-2》だが「二条の后」に男が忍んで通ってくると世評がたったので、女の兄たち(藤原基経)が毎夜、番人を置いて守り固めた。男(業平)は女に会えなくなった。