DIARY yuutu

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『伊勢物語』(Cf. 在原業平825-880)「第25段 逢はで寝る夜」:「色男」業平と「色好みなる女」小町との洒落た恋の駆け引きの歌だ!楽しそうな「贈答」だ!

2021-08-15 17:34:14 | 日記
昔男がいた。《「逢わない」とは言わず、気があるように見せる女》(「あはじともいはざりける女」)がいた。だが女はいざとなるとやはり「逢わない」。男(在原業平)はそんな女のもとに歌を詠んで贈った。

「秋の野にささ[笹]わけし朝の袖よりもあ[逢]はで寝(ヌ)る夜(ヨ)ぞひちまさりける」
※『古今集』恋三・業平では第4句は「あはでこし夜ぞ」(逢わないで過ごす夜)。 ※ひち:濡れる(漬つ)。
I hope I meet you at night and get back in the morning having my sleeves wet by dunes of bamboo leaves in a field in autumn. However, I can’t meet you. Lying in my bed at night, I shed lots of tears havng my sleeves wet heavier.
秋の野、あなたに会って露いっぱいの笹を分け歩いて帰る朝の袖よりも、あなたに逢えないでひとり寝る夜の方が悲しみの涙で袖がより多く濡れましたよ。 

《感想1》男は残念なことに、ついに女に逢えない。だが実は男にとっては、実際に女に「逢う」ことが目的ではない。「色男」(在原業平)は「気を持たせる女」(小野小町)のもとに歌を贈る。恋の「言葉のかけひき」(歌の贈答)を男は楽しむ。女も楽しんでいる。

「色好みなる女」(小野小町)が歌を返す。
《感想2》「色好み」とは恋の情趣を楽しむの意だ。そして彼女(小野小町)はしばしば男を惹きつけるような態度をとる。男は、深草少将(小町のもとへ九十九夜かよいつめるが思いかなわず雪の中で死ぬ)のように真面目に小町に対してはいけない。

「みるめなきわが身をうらとしらねばや離(カ)れなで海人(アマ)の足たゆく来る」(『古今集』恋三・小野小町)
I don’t meet you. Don’t you know that I am indifferent to you? However, you try to meet me. You send me letters many times exhaustedly like a fisherman catching no seaweeds..
あなたに逢うこともしない(「見る目なき」;「海松布」と懸詞)私の身について、あなたは私がそのように不人情(「うら」、憂ら;「浦」と懸詞)と知らないからかしら、見切りをつけ離れることなく(「離れ」;「刈れ」と懸詞)、《海松布(ミルメ)が獲れないので得ようと何度も出向く海人》のように、足をだるそうにして(「足たゆく」)あなたは私にの所に来るのですね。(「来る」とはここでは男が歌を詠んで女に贈る意だ。)
(※「海松布」「浦」「刈れ」「海人」は縁語だ。)

《感想3》さすがに「色男」業平と「色好みなる女」小町との洒落た恋の駆け引きの歌だ。楽しそうな「贈答」だ。
《感想3-2》『古今集』にこの二つの歌は並んで載せられている。本来、無関係な業平の歌と小町の歌から、両者の歌の「贈答」の物語が作られたのだ。
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浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(89)-2 百田氏の誤り②:「WGIP」として「ネット上にある英文」には「日本人の精神を粉々にする」ようなものは何も書かれていない!

2021-08-15 11:57:24 | 日記
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「敗戦と戦争」の章(315-384頁)  

(89)-2 百田氏の誤り②:「WGIP:War Guilt Information Program」として「ネット上にあげられている英文」には「日本人の精神を粉々にする」ようなものは何も書かれていない! (347-350頁)
H-3  浮世氏は言う。「WGIP:War Guilt Information Program」として「ネット上にあげられている英文を読んでも、どんな洗脳計画や手順が記されているのかと思ったら、メディアへの対策が記されていて、新聞・ラジオの他、映画について、戦争に対する世論形成をどう進めて行くかを考えよう、と書いてあるだけだ。」(347頁)
H-3-2 百田氏の誤り②: 百田氏は「これは日本人の精神を粉々にし、二度とアメリカに戦いを挑んでこないようにするためのものであった」(百田421頁)と述べるが、「WGIP」として「ネット上にあげられている英文」には「日本人の精神を粉々にする」ようなものは何も書かれていない。百田氏は誤りだ。(348頁)

《感想2》百田氏は「陰謀論」の立場だ。百田氏は「日本の戦争を否定的に捉える歴史観」(373頁)が多数派であるような戦後の「状況」は、「GHQのWGIPという陰謀」が唯一の原因だ、つまりそのような「歴史観」は「アメリカによって占領期間中に押し付けられたものだ」(373-374頁)と主張する。
《感想2-2》すでに指摘したように、「陰謀論」は、一定の「状況」(結果)が生じた原因は唯一、ある者(たち)の悪意ある「陰謀」に基づくとする。(百田氏は唯一の「原因」は「WGI」だとする「陰謀論」の立場に立つ!)だが実際には、「状況」(結果)が生じた原因は唯一でなく、多数ある。
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メンタリストDaiGo氏は「年収」が多くて《いい思いをしている》かもしれないが、だからといってそれは《他者を見下す権利》を保証するものでない!

2021-08-15 08:05:07 | 日記
《参考》水野詩子「“金がすべての尺度”…DaiGoホームレス差別発言での炎上は当然の帰結」2021/8/14配信(『日刊ゲンダイDIGITAL』)

(1)メンタリストDaiGo氏は「年収」が多くて《いい思いをしている》かもしれないが、だからといってそれは《他者を見下す権利》を保証するものでない!
水野詩子氏は言う。「筆者はかねてより、DaiGo氏のユーチューブを視聴していたのだが、その時から彼の"人を下に見る発言"には違和感を抱いていた。」DaiGo氏は、アンチに対しては「私はあなたの年収の数倍を一月で稼いでいる」という収入でマウントを取る発言をしており、今年6月に彼が母校と揉めた際には学校の実名を出し、「社会人としても教師としても失格」「わざわざここで名前いうほどの価値がある人間でもない」と、とにかく相手を自分の下に置いて、発言する姿が多々見られた。彼の中の自己価値基準は「人より収入を多く稼いでいるか否か」だけだ。

《感想1》「あなたの年収の数倍を一月で稼いでいる」メンタリストDaiGo氏はいかなる点で、《他者を見下す権利》があるのか?彼は勝手に上手に稼いでいるのであって、《人格》的に優れているわけでない。DaiGo氏は「年収」が多くて《いい思いをしている》かもしれないが、だからといってそれは《他者を見下す権利》を保証するものでない。
《感想1-2》メンタリストDaiGo氏は、《人格》的には「収入」を鼻にかける嫌な奴だ。
《感想1-3》もちろん「年収」が多ければ、欲しいもの(Ex. 財物、Ex.《財物を必要とする人間》の服従)は相当に手に入るが、このことはメンタリストDaiGo氏の《人格》or《人間的価値》or《倫理的価値》が優れているかどうかと無縁だ。

(2)メンタリストDaiGo氏が「税金をめちゃくちゃ払っている」としても彼は国家の法律に服従しているだけだ!つまり自分の意に反する嫌々の義務に従っているだけだ!
さらには今回、DaiGo氏は「自分は税金をめちゃくちゃ払っているから、ホームレスとか生活保護の人たちに貢献している。」「叩いている人たちは、自分よりも税金を払ったり寄付したりしていないから叩くべきではない」という持論も述べている。

《感想2》メンタリストDaiGo氏が「税金をめちゃくちゃ払っている」としても彼は国家の法律に服従しているだけで、「税金をめちゃくちゃ払う」のは《国民としての義務》にすぎない。《払う税金が少ない者》も国民の義務に、DaiGo氏と全く等しく従っている。《国民としての義務》に従う点で、「税金をめちゃくちゃ払っている」者とそうでない者に何の優劣もない。DaiGo氏がエバル理由はない。
《感想2-2》税額は国家の法律が決めるのであって、国民として法律に従っているかぎり、多く納税しようと少なく納税しようと、国民が国家の義務に共に等しく従っているのであって、「自分は税金をめちゃくちゃ払っている」から特にエバレルことではない。
《感想2-3》メンタリストDaiGo氏には「ホームレスとか生活保護の人たちに貢献する」《意志》《自発性》は全くない。嫌々、国家の義務に従っているだけだ。
《感想2-4》メンタリストDaiGo氏は「ホームレスとか生活保護の人たちに貢献」することを拒否する国家を作ろうとしているだけだ。彼は「税金をめちゃくちゃ払っている」とエバルが、それは《DaiGo氏の意に反する義務》に嫌々従っているだけにすぎない。DaiGo氏が《人格》的にエゴイストでレイシスト(広義の差別主義者、Cf. 狭義には人種差別主義者)であることにかわりはない。
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