DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

八木重吉(1898- 1927)「風が鳴る」:死の道を恐れず進む

2017-04-02 18:38:14 | 日記
 風が鳴る

とうもろこしに風が鳴る
死ねよと 鳴る
死ねよとなる
死んでゆこうとおもう

《感想》
詩人は、宣言する。
炎熱のとうもろこし畑で風の音を聞く。
夏が、終りに近づくころ。
風が吹き抜ける。
「死ねよ」と風が鳴る。
決断せずとも、不可避的に、人は、みな死ぬ。
人は死を恐れる。
だが、詩人は、死を恐れない。
《死の道を恐れず進む》と宣言する。
「死んでゆこうとおもう」と詩人が言う。

 THE WIND MAKES A SOUND

The wind makes a sound blowing through a corn field.
It makes a sound, “Do pass away.”
“Do pass away,” it makes a sound.
I declare that I decidedly accept to pass away.
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