King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

斑な地図

2018年10月19日 09時30分03秒 | 珈琲

この秋に感じることは目に見えぬものを感じることです。

 

毎年のように繰り返す恵みの秋に秋ならではの味覚とあちこちからの

戴き物とか秋しか売り出されないものとかを手にする度にいつもは

この季節を愛で大いなる自然とか大いなる存在とかに思いが至るのですが、

とかく人はそんな思いにつけ入り利用し利用されてきたことの方が多い

のです。

 

若い時には春に種を蒔き、勝手に実がなることに当たり前すぎてありがたい

とか人の苦労などに思いが至ることもなく、庭の木でさえ秋になれば実をつける

のをみてごく当然の生業であり、落ち葉に涙するなんて話などまるで理解

できなかったものです。

 

しかしながら、私は家庭でコメはお百姓さんが八十八の手間をかけ作られた

のだから一粒なりとも粗末にしてはならないと食事の度に言われて育ったので

今ではテレビで普通の人でも食事の時に帽子をかぶったまま食事する光景など

流れるととても見てられない気分になります。

 

いずれにしろ時を経て今思うのは自分の前に現れるものは食品に限らず

誰かしらの汗や苦労がなければ起こりえないことであることを実感するのです。

 

例えばあのザクロ事件も行動としてはいつもの昔を懐かしんでとる行動が皆

その思い出さえも壊す惨憺たる結果になると知りつつそれでもやはりその思い出により

行動してしまう。しかし、今毎日そのザクロの木の前を通るとザクロの枝を見る度

今年はやったなという達成感のような満足感がじわじわと湧くのです。

あのひどい経験も決して感動も味に満足も感じてないのに、やったことに満足する

それも毎日俺はやったんだと今年はという肯定感までも湧いています。なんと不思議な

できごとです。

 

アメリカで出版された『騎士団長殺し』は評判が悪いとニュースにでていました。

これは書評の紹介だったので、実際の売れ行きとか読者の声でないので解りませんが

米でもあの物語を理解し楽しんでいる人がいるというのは素晴らしいことです。

ただ、ニュースというのは正確に事実を伝えてもらいたいもので、何かをどこかに

導こうとするニュースが最近多いのは気にかかるところです。そのひとつにジュリーの

ドタキャン騒ぎがあります。

 

昨日報道されたさいたまアリーナの公演を突如当日にキャンセルしたというもので、

その後、本人の会見などの模様が伝わり今日のワイドショーはさぞかしにぎやかに

この問題を取り上げるだろうと思いみてみると意外の外騒ぎになっていません。

というのは当のファンの人達がまるで騒いでないばかりかネットでも騒然とするのは

外野の人たちだけでファンの人達は超然とした態度はまさにファンだからこんな仕打ちに

納得いかないと騒ぐはずもないのだと改めて思い至りました。それにワイドショーも

全ての局が取り上げるだろうと思われたのにテレビ朝日などは一切触れずサウジの記者が行方

不明になった事件を延々とやっていました。

 

忌野清志郎亡き後私にはファンとして楽しめるアーチストがなく、かつてチケットを手に入れ

るまでの苦労や手にした喜びやコンサートまでのワクワクとして待つ気持ちとかその対象が

ある人とない人の人生の楽しみの差とかそんなことも知らずにいる人もいるという事実など

思い合わせると人の思いというのは不思議なものであるとつくづく思います。

 

北杜夫がマグロ漁船に乗り込んだように芸実作品が時に人の生き方をも左右してしまうと

いう事実とそれを理解できる心があるかないかもまた人の人生にかかわり、文化や社会を

築いている要素にもなっているということにどうしても思い至り時にはどうして人はこんな

ことをするのだろうという事に結びついているのです。

 

何ごとも理解することの重要性を感じます。

 

まずは目に見えないことや物に思いを致すことなのではと思います。

 

私が口にしなことも感じて受け止め味を理解している人々や私が付けた

ブレンド名に問いはしないがふとこういうことですねと漏らす言葉に

伝わらないこともないいや口に出すから必ず伝わるとも限らないと感じる

この頃です。

 

気にしない人はブレンドの名前を読んでみようとさえしないのです。

 

まずは行動からという若いからできる行き方もあるでしょう。

 

また無意識に現れる顧客の素振りや気持ちこそ私の珈琲への答えであり、

無意識の会話です。

 

年々意識とか人の意をくむという事すらなくなりつつある社会ですが、基本

の人としての交流は見失わないようにしないといけないと思うジュリー事件

でした。

 

 

コメント
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