『ラストチャイルド』を読みました。
これは例によって帯のミステリが読みたい一位と言う広告です。
この種の第一位と言うのは各雑誌社や出版社の出すものでいくつか種類が
あるものの、まあこれだけ注目されているのではまずはずれはないと言う
安易な選択です。
気になったのは、あらすじのところで変質者に襲われて一人残された少年と
家族の再生の物語と言うような内容の表記によくある物語であり私のきらいな
プロットだという抵抗はありましたが、とりあえず夏用に買っておいた本です。
暗い物語で余り進みませんでしたが、半分読み終えてやっと面白くなって
きました。
それで、これは昔読んだ物語に似ているとずっと考えていました。
これは、トムソーヤーの冒険だと気がつきました。
自分の弱さに一度負け、最後はそのインディアンジョーとの対決があり、
勇気と強さを証明する少年の成長の物語そのものです。
そうしてもうひとつ似たものを思い出しました。
グリーンマイルに出てくる巨体の黒人です。
昔なら、こう言う奇跡の物語を無条件に信じたものでした。
医学的にはどうと言ったところでそれは作者側が提供した物で、
それを受け入れてそうだよやはり神の思し召しだよなどと思えない
のです。
もしそれを要求したものなら陳腐な物語と言わざるを得ません。
それは味付け程度であり、友情家族正義と言ったものが主体なので
全体の構成として成り立っています。
でも、全体的には過去にもあったものの焼き直し的なイメージに
なったのは否めません。