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イントゥ・ザ・ウッズ

2015-03-19 | 劇場映画れびゅー
スティーヴン・ソンドハイムのヒット・ミュージカルをディズニー資本で映画化した『イントゥ・ザ・ウッズ』を観てきました。
★★★★

オリジナルのミュージカルは未見。

数々のお伽話を長編アニメ映画化してきたディズニーが映画化したのだから、キャラクターの容姿をアニメに寄せてくるかと期待していたのですが、そう言うサービスよりもオリジナル『イン・トゥー・ザ・ウッズ』自体の世界観を優先させたのか、ディズニー・アニメっぽさは無し。
最近流行りのミュージカル映画と言うジャンルの中においても、「ウキウキする楽曲で体が動きそうになる」的なのとは一線を画しているし、ディズニーの映画だけどディズニー・アニメの音楽とは全く毛色が違う、オリジナルのスティーヴン・ソンドハイムの韻を散りばめた言葉の渦のような楽曲がそのまま使われています。

スウィーニー・トッド』のスティーヴン・ソンドハイムがヒットさせた、もうひとつのダーク・ファンタジーな音楽と世界観が楽しいのと、なんといってもメリル・ストリープが『マンマ・ミーア!』以来のミュージカル映画で魅せてくれます。
『マンマ・ミーア!』でABBAのヒット曲を歌い上げていたのと違い、今回は彼女が昔とった杵柄の“ミュージカル”と言う武器を繰り出して本気のミュージカル・アクター・メリル・ストリープが観られる。ファンからしたらまた彼女の芝居の幅の広がりが観られて感無量です。

スティーヴン・ソンドハイム繋がりでは、『スウィーニー・トッド』のジョニー・デップが、狼役で久しぶりにスティーヴン・ソンドハイム節を披露してくれているのも嬉しい。

いくつものお伽話が一つの世界に存在すると言う設定は、最近で言えばテレビドラマの『ワンス・アポン・ア・タイム』の元になったような感覚。
マーベル・シネマティック・ユニバースなんかも、こう言う反則的な集合で豪華さを利用して盛り上げてるお祭り感満載な企画だけど、本作はめでたしめでたしなお伽話は本当にめでたしめでたしで終わりで良いのか?って辺りを皮肉たっぷりに描いて、現実から目を背けない的な、大人向け指向になっています。
そんなの余計なお世話なんですけど、面白いからいっか。

ネタバレ
宣伝ではおとぎ話のその後の話という説明だったけど、そんなに簡単なものじゃなくて、いくつかのおとぎ話が同時に存在するような世界があり、オリジナルのおとぎ話とは多少設定上の違いはあるものの、同時進行で物語がスタートしてそれが複雑に絡み合いながら、一旦それぞれのクライマックスを迎える。
ただ、その間に仕込まれていた伏線が、終わった後に呪いのように効き始めて、ハッピーエンドを侵食して、ゴチャゴチャなその後の話が続行して描かれる。



スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 [Blu-ray]
ジョニー・デップ,ヘレナ・ボナム=カーター,アラン・リックマン,ティモシー・スポール,サシャ・バロン・コーエン
ワーナー・ホーム・ビデオ

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