土曜夜のTVドラマ『カラマーゾフの兄弟』は、原作のアレンジに独創力が光る。いわば変化球のドラマ。名作を使ってもインタレストを追求できていて、感心して見てた。
これに比べれば、今週前半、BSプレミアムシアターで3部を連夜放送してた、古いソ連映画『カラマーゾフの兄弟』は、原作を踏襲した直球ストレート。そんなに独創はなくて、素直に創ってある感じなのだけど。
映像が、ビジュアル的に、第一部<第二部・第三部で、ヒロイン二人とも二部、三部の方がきれいに見える。雪景色も。こういうのって珍しいような。撮影現場の状況の反映か?だからこの映画は、最初の部分の地味さでリタイアせず、後半まで見た方がいい作品。
アイデアだけなら、日本のTVドラマのほうが、ずっと頭使って独創してるけど。
ただ、直球ストレートの強みで、ロシアの映画は、かなりひきこまれた。
原作の小説が長くややこしいけど、映画はそうはできないし、原作者の意図とは別に、とりわけ長兄ミーチャと、グルーシェンカのラブ・ストーリー部分が一番感動しちゃったかも。ほんとに正攻法、ベタかもだけど、でも真情で迫る骨太のストレートって、ひねった内容より強いのかもしれない(?)。
最初は、TVドラマの『カラマーゾフ』が面白いと思ってたんだけど、映画にはまると、こっちの方が深いかな、とも思う。明日は気が変わるかもしれないけど。ドラマはドラマで、佳境。どうなるのか気になるけど、ここまで見てるのに、次どうなるかわからない。
(原作の結末は知ってても、多少変えてあるし。例えばドラマのくるみと映画のグルーシェンカも、加奈子と美貌の令嬢カーチャも、各々性格も違うし。)
元ネタは同じでも、原作・映画・TVドラマ、それぞれが別物で、全く別の面白さがある。
私は今週は、ミーチャとグルーシェンカの純愛劇の世界でお腹いっぱいになってしまって、映画のミーチャに比べると、ドラマの満が、根無し草に見えてしまったけど。
原作では、色んな矛盾が集約してるのが、スメルジャコフだと思ってたけど、映画のスメルジャコフ役の俳優、やっぱり演技うまい。原作を超えたものが、見える気がした。
局は違うけど、ドラマやってる時期に映画の放送があったから、この映画の放送を見る気になったのかもしれない。見てみたら、私的にはいい映画だった。こういうきっかけも大事かも。
感動的に映画が終わり、ドラマの方は、どんな結末が待ってるのか、わかるまで気が気じゃないかも。黒澤文蔵さんが死んでも、やっぱり亡霊として出てきて高笑い演技してて、ちょっと子供向けの戦隊物とかの悪役みたいな気がしなくもなかったけど、やっぱりこのドラマは黒澤文蔵ちゃんが出ないと、ってかな。もう、札束をボール代わりにバットで打ったりとか、生前ほど変行動がないのが、残念?
ドラマの末松は、映画のスメルジャコフと違って、清潔で趣味のいい服きてて、一見、好青年。ちょっとうわべの態度が、かわいい。原作のスメルジャコフは、作者に冷遇されてるキャラだけど。映画の方は、俳優の好演のせいで、思いのほか頭のいい人に見えた。
次男の懊悩は、映画とドラマで全く違ってきたような。市原氏の美貌は上手く使われてるけど。一方、映画のイワンの、根にまっすぐなものもあるような屈折も捨てがたい。映画の方は、この3兄弟、それぞれに悩み方がボンボンっぽい。
カテリーナは謎の美女。つまらんプライドにかまけず、他にいい男見つけてこの兄弟から手を引けばよかったのに、って思うけど。(でもそうなったら、ドストエフスキーの作品世界が成立しなくなるか。)
山本リンダの歌に、「♪神がくれたこの美貌~、無駄にしては罪になる~」ってのがあったけど、ドストエフスキーのこだわりなんかより、その意味で、罪な女性。
彼女が固執するものが、私には分かるようで分からないで、映画が終わってしまった。
演じてるのが、ドヌーブとかハーグマンあたりにちょっと似た、硬質の美貌の女優さん。
ところで映画の方で、映像ででてくるイワンの分身の悪魔、亡霊が、自分を「リウマチなんだ」っていうのが、変・・。悪魔がリウマチを患うって?。
これに比べれば、今週前半、BSプレミアムシアターで3部を連夜放送してた、古いソ連映画『カラマーゾフの兄弟』は、原作を踏襲した直球ストレート。そんなに独創はなくて、素直に創ってある感じなのだけど。
映像が、ビジュアル的に、第一部<第二部・第三部で、ヒロイン二人とも二部、三部の方がきれいに見える。雪景色も。こういうのって珍しいような。撮影現場の状況の反映か?だからこの映画は、最初の部分の地味さでリタイアせず、後半まで見た方がいい作品。
アイデアだけなら、日本のTVドラマのほうが、ずっと頭使って独創してるけど。
ただ、直球ストレートの強みで、ロシアの映画は、かなりひきこまれた。
原作の小説が長くややこしいけど、映画はそうはできないし、原作者の意図とは別に、とりわけ長兄ミーチャと、グルーシェンカのラブ・ストーリー部分が一番感動しちゃったかも。ほんとに正攻法、ベタかもだけど、でも真情で迫る骨太のストレートって、ひねった内容より強いのかもしれない(?)。
最初は、TVドラマの『カラマーゾフ』が面白いと思ってたんだけど、映画にはまると、こっちの方が深いかな、とも思う。明日は気が変わるかもしれないけど。ドラマはドラマで、佳境。どうなるのか気になるけど、ここまで見てるのに、次どうなるかわからない。
(原作の結末は知ってても、多少変えてあるし。例えばドラマのくるみと映画のグルーシェンカも、加奈子と美貌の令嬢カーチャも、各々性格も違うし。)
元ネタは同じでも、原作・映画・TVドラマ、それぞれが別物で、全く別の面白さがある。
私は今週は、ミーチャとグルーシェンカの純愛劇の世界でお腹いっぱいになってしまって、映画のミーチャに比べると、ドラマの満が、根無し草に見えてしまったけど。
原作では、色んな矛盾が集約してるのが、スメルジャコフだと思ってたけど、映画のスメルジャコフ役の俳優、やっぱり演技うまい。原作を超えたものが、見える気がした。
局は違うけど、ドラマやってる時期に映画の放送があったから、この映画の放送を見る気になったのかもしれない。見てみたら、私的にはいい映画だった。こういうきっかけも大事かも。
感動的に映画が終わり、ドラマの方は、どんな結末が待ってるのか、わかるまで気が気じゃないかも。黒澤文蔵さんが死んでも、やっぱり亡霊として出てきて高笑い演技してて、ちょっと子供向けの戦隊物とかの悪役みたいな気がしなくもなかったけど、やっぱりこのドラマは黒澤文蔵ちゃんが出ないと、ってかな。もう、札束をボール代わりにバットで打ったりとか、生前ほど変行動がないのが、残念?
ドラマの末松は、映画のスメルジャコフと違って、清潔で趣味のいい服きてて、一見、好青年。ちょっとうわべの態度が、かわいい。原作のスメルジャコフは、作者に冷遇されてるキャラだけど。映画の方は、俳優の好演のせいで、思いのほか頭のいい人に見えた。
次男の懊悩は、映画とドラマで全く違ってきたような。市原氏の美貌は上手く使われてるけど。一方、映画のイワンの、根にまっすぐなものもあるような屈折も捨てがたい。映画の方は、この3兄弟、それぞれに悩み方がボンボンっぽい。
カテリーナは謎の美女。つまらんプライドにかまけず、他にいい男見つけてこの兄弟から手を引けばよかったのに、って思うけど。(でもそうなったら、ドストエフスキーの作品世界が成立しなくなるか。)
山本リンダの歌に、「♪神がくれたこの美貌~、無駄にしては罪になる~」ってのがあったけど、ドストエフスキーのこだわりなんかより、その意味で、罪な女性。
彼女が固執するものが、私には分かるようで分からないで、映画が終わってしまった。
演じてるのが、ドヌーブとかハーグマンあたりにちょっと似た、硬質の美貌の女優さん。
ところで映画の方で、映像ででてくるイワンの分身の悪魔、亡霊が、自分を「リウマチなんだ」っていうのが、変・・。悪魔がリウマチを患うって?。