今日も良かったですが。新国立劇場「白鳥の湖」。
総合的に、現実的に今、ここで見られるバレエ公演の中では、文句なしに高い水準の「白鳥の湖」であり、古典バレエ公演であることは、間違いないですが。
今回、かなり気になってたのが、主役のゲスト、ザハロワお姫様の様子。
今日の最後のカーテンコールで、ようやく、以前のような笑顔を見せたので、ほっとしました。
女はやっぱり、笑顔が一番。て言ったら、セクハラなのか。
でも、ザハロワは、自然体で笑ってる方がいいな。
<以下、無粋に技術チェック>
★初日のザハロワの黒鳥アダージョ途中のバランスの見せ場は、サポート巧者ウヴァーロフを得てのザハロワの実力なら当然とはいえ、すっと軽さがあり、見事。
★だから2日目も、苦もなくこなすと思いきや、この人にしては完全にバランスキープまでいかずに脚落として珍しかった。(でもさほど気になるミスでもないけど)
★1日目の黒鳥パドドゥ、グランフェッテは、「頑固にシングル!」貫いていた。個人的にこの姿勢は好きだが、当然うけは悪い。
★と思ったら、2日目は、グランフェッテを高速回転に!
えっ!?え、え、え、??と言う気持ち。
ザハロワガラで、ワシリエフの踊りあたりから、悪い影響受けてないか??この人。
技術的には脚90度キープでの高速回転は難度も高いし(オシポワのやってた脚90度上げないでやるのより難しい)そういう意味での価値はある技術だったとしても、何で白鳥の湖でそれをやるかなって。
どうせなら、曲の流れを壊さずに、ありがちなダブル入れるパターンの方がいい。
ついでに21日はグランフェッテアントールナンの最後に、ダブルを入れてて珍しかった。ザハロワは黒鳥はシングルが今までの型だったから。
ザハロワの高速回転は、どうせやるなら、「ドンキ」にして欲しいけど。
(でもドンキではダブルを8回位入れるパターン採用だし、あれの方がドンキらしくていい。)
かつて、ニーナ・アナニアシヴィリが、グランフェッテを超高速で廻った時、一部で下品だと言われたんだけどね。まだ、ニーナとかステパネンコあたりが、こういう技術を誇示する踊りをするならわかるんだけど。
途中までは、ザハロワからオデットイズムが消えてしまったようで、今のザハロワはオディールの方が好きなのか?と思って複雑だった。
ところが、最終場で全部持っていってしまった感ありのザハロワ&ウヴァーロフの「白鳥」。
21日のザハロワは、最終シーンのオデットぶりが、19日より、良かった。
19日は、やる気に満ちたウヴァーロフと、「何事も型通り」のザハロワペアだったけど、心のない踊り見せられても、と思ってた。
「初日がリハーサルになってしまう」のは、ありがちな事だけど。
21日は、ザハロワさんがもう少しやる気になってくれたようで、ちょっと本気出すと、この二人の絵になる度数の高さときたら。
ザハロワが頭をウヴァーロフの胸に沿わせて、しっとりしたポーズとって、ウヴァーロフが彼女の頭を片手で包み込んで見下ろしてソフトに彼女を抱き寄せてポーズとるだけで。
「ザ・白鳥の湖」の世界が完成されてしまう。心がハッピーエンドを待望してしまう。
初演でザハロワと共演したマトヴィエンコもこのシーンの絵的な見せ方は、うまかった。
ザハロワ・ウヴァーロフはそれ以上で、ぐうの音も出ないほど様になる。
この二人は二人とも、こういうポーズとるのが、物凄く上手いんだろうけど。
それで、本日のメニューは「ハッピーエンド」。
嬉しい。
悲劇のも好きだけど。
チャイコ「白鳥」が高らかに鳴り渡り、愛の勝利を告げる時、19日は心が万歳と言ってたし、21日は、ザハロワ黒鳥フェッテの技巧にげんなりした気分も最終場で吹っ飛んで、感激して泣きそうだった。
もしかして年末のグリゴローヴィチ版「白鳥」の悲劇結末のこともあるかも。
あれがあったから、ハッピーエンドの有り難味も増えた。
でもグリゴローヴィチ版、大好きだけど。
21日のザハロワは、最後の最後に、自分の好きなザハロワに、少し戻ってた気がする。
★も一つ技術チェック
ウヴァーロフが、「最終場王子、慙愧の思いでジャンプして登場」のとこ、チャイコ曲が盛り上がった頂点が、ジャンプの飛翔の頂点になるように飛ぶのが正しい踊り方と思うけど、これをウヴァーロフがやってたので、びっくり。
この跳び方見たのは、今までの白鳥の王子役全員の中で、これで3回目。
かなり高く飛べないと難しそうなんですが。
★私的ツボはその辺で。
王子のヴァリアシオンは、21日の方がジャンプが高かったと言う事はあって、演技でなく、ジャンプの高さに価値を見出す系のお客様向けには、21日の方が良かったことになるけれど。
19日の王子は、演技の精度が凄かったから。21日はそういうものはもうなくて、普通に良かったです。
■新国立劇場バレエ団。
今回、悪魔が市川さんはなく、貝川さん。リフト降ろす時ザハロワの眉間にしわがよってた。勉強になります。
道化がバリノフじゃないのが、残念。八幡さんも好きだけど。
民族舞踊は、楠本さんが、個人的には良かった。良く見るとスカート捲り上げて足出して踊ってるのね。
バレリーナたちは、普通にほほえましかった。
ラストシーンは、「誰もが待ち望んだハッピーエンド」と言いたくなるくらい、盛り上げて幸せな気持ちにしてくれました。
総合的に、現実的に今、ここで見られるバレエ公演の中では、文句なしに高い水準の「白鳥の湖」であり、古典バレエ公演であることは、間違いないですが。
今回、かなり気になってたのが、主役のゲスト、ザハロワお姫様の様子。
今日の最後のカーテンコールで、ようやく、以前のような笑顔を見せたので、ほっとしました。
女はやっぱり、笑顔が一番。て言ったら、セクハラなのか。
でも、ザハロワは、自然体で笑ってる方がいいな。
<以下、無粋に技術チェック>
★初日のザハロワの黒鳥アダージョ途中のバランスの見せ場は、サポート巧者ウヴァーロフを得てのザハロワの実力なら当然とはいえ、すっと軽さがあり、見事。
★だから2日目も、苦もなくこなすと思いきや、この人にしては完全にバランスキープまでいかずに脚落として珍しかった。(でもさほど気になるミスでもないけど)
★1日目の黒鳥パドドゥ、グランフェッテは、「頑固にシングル!」貫いていた。個人的にこの姿勢は好きだが、当然うけは悪い。
★と思ったら、2日目は、グランフェッテを高速回転に!
えっ!?え、え、え、??と言う気持ち。
ザハロワガラで、ワシリエフの踊りあたりから、悪い影響受けてないか??この人。
技術的には脚90度キープでの高速回転は難度も高いし(オシポワのやってた脚90度上げないでやるのより難しい)そういう意味での価値はある技術だったとしても、何で白鳥の湖でそれをやるかなって。
どうせなら、曲の流れを壊さずに、ありがちなダブル入れるパターンの方がいい。
ついでに21日はグランフェッテアントールナンの最後に、ダブルを入れてて珍しかった。ザハロワは黒鳥はシングルが今までの型だったから。
ザハロワの高速回転は、どうせやるなら、「ドンキ」にして欲しいけど。
(でもドンキではダブルを8回位入れるパターン採用だし、あれの方がドンキらしくていい。)
かつて、ニーナ・アナニアシヴィリが、グランフェッテを超高速で廻った時、一部で下品だと言われたんだけどね。まだ、ニーナとかステパネンコあたりが、こういう技術を誇示する踊りをするならわかるんだけど。
途中までは、ザハロワからオデットイズムが消えてしまったようで、今のザハロワはオディールの方が好きなのか?と思って複雑だった。
ところが、最終場で全部持っていってしまった感ありのザハロワ&ウヴァーロフの「白鳥」。
21日のザハロワは、最終シーンのオデットぶりが、19日より、良かった。
19日は、やる気に満ちたウヴァーロフと、「何事も型通り」のザハロワペアだったけど、心のない踊り見せられても、と思ってた。
「初日がリハーサルになってしまう」のは、ありがちな事だけど。
21日は、ザハロワさんがもう少しやる気になってくれたようで、ちょっと本気出すと、この二人の絵になる度数の高さときたら。
ザハロワが頭をウヴァーロフの胸に沿わせて、しっとりしたポーズとって、ウヴァーロフが彼女の頭を片手で包み込んで見下ろしてソフトに彼女を抱き寄せてポーズとるだけで。
「ザ・白鳥の湖」の世界が完成されてしまう。心がハッピーエンドを待望してしまう。
初演でザハロワと共演したマトヴィエンコもこのシーンの絵的な見せ方は、うまかった。
ザハロワ・ウヴァーロフはそれ以上で、ぐうの音も出ないほど様になる。
この二人は二人とも、こういうポーズとるのが、物凄く上手いんだろうけど。
それで、本日のメニューは「ハッピーエンド」。
嬉しい。
悲劇のも好きだけど。
チャイコ「白鳥」が高らかに鳴り渡り、愛の勝利を告げる時、19日は心が万歳と言ってたし、21日は、ザハロワ黒鳥フェッテの技巧にげんなりした気分も最終場で吹っ飛んで、感激して泣きそうだった。
もしかして年末のグリゴローヴィチ版「白鳥」の悲劇結末のこともあるかも。
あれがあったから、ハッピーエンドの有り難味も増えた。
でもグリゴローヴィチ版、大好きだけど。
21日のザハロワは、最後の最後に、自分の好きなザハロワに、少し戻ってた気がする。
★も一つ技術チェック
ウヴァーロフが、「最終場王子、慙愧の思いでジャンプして登場」のとこ、チャイコ曲が盛り上がった頂点が、ジャンプの飛翔の頂点になるように飛ぶのが正しい踊り方と思うけど、これをウヴァーロフがやってたので、びっくり。
この跳び方見たのは、今までの白鳥の王子役全員の中で、これで3回目。
かなり高く飛べないと難しそうなんですが。
★私的ツボはその辺で。
王子のヴァリアシオンは、21日の方がジャンプが高かったと言う事はあって、演技でなく、ジャンプの高さに価値を見出す系のお客様向けには、21日の方が良かったことになるけれど。
19日の王子は、演技の精度が凄かったから。21日はそういうものはもうなくて、普通に良かったです。
■新国立劇場バレエ団。
今回、悪魔が市川さんはなく、貝川さん。リフト降ろす時ザハロワの眉間にしわがよってた。勉強になります。
道化がバリノフじゃないのが、残念。八幡さんも好きだけど。
民族舞踊は、楠本さんが、個人的には良かった。良く見るとスカート捲り上げて足出して踊ってるのね。
バレリーナたちは、普通にほほえましかった。
ラストシーンは、「誰もが待ち望んだハッピーエンド」と言いたくなるくらい、盛り上げて幸せな気持ちにしてくれました。