想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

まんさくの花

2010-02-01 01:21:29 | Weblog
まんさくが花をつけた。
昨年春、宇都宮の宮司さんからいただいたたくさんの植木の中にあった一本だ。
まんさくの花が見たいと思っていたところへやってきたので、大変に嬉しかった。

「庭先のまんさくの花を愛でながら酒を飲む、旨かった」というようなお手紙を
弁護士の清水勇男先生からいただいて、わたしは名前だけしか知らないその花を
どうしても見たくなっていたのだった。
もっと大きな花弁を想像していた。
目の前のようよう開きかけた花は、時折花屋で見ても興味をそそらなかったソレであった。

清水先生は丁寧な、厳しい方である。
その先生が時々綻びたような昔がたりをしてくださって、でも決して崩れない綻びで
やさしいのだった。厳しさのなかに人を励ますものがあった。
まんさくの花びらは、剛毅な男のひとの本音みたいだなと思う。
冬から春へかけて咲く花は、どれも渋めの美しさで、興味をそそられなかった時のあたしは
きっとセカセカと歩いていたのだろう。

セカセカとしながら、たいしたこともせず、己の不始末を嘆いたり、そんなことだった。
そういう自己嫌悪を慰めてくれる黄色いほどいた糸のような花。
まだ咲き始めたばかりだから、しばらく楽しませてくれる。
「生きてきて、おめでとう。よく生きてきましたね、がんばってきたね。」という
清水先生のあたたかい声をなんども思い出すことだろう。





水の落ちる音がするので小川の縁から用心しながら降りてみた。
石のあいだに小さな滝を作って流れ落ちる雪解け水。
そばには新芽。

まだとても寒いし、再び雪が降るだろうけど、気持ちはもう春へ向かっている。



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