想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

知らなんだ‥‥

2011-04-21 20:43:55 | 親分

ベイビーの担当医と手術前の打ち合わせをするため病院を訪れた。
待ち時間が長く、そのあいだ待合室の飼主諸氏より「元気ねー」
と言われ、「いい子ねー」と勘違いしているベイビーはシッポを
ますますバンバンと振りまくり鼻歌であった。

手術方法と切除予定部位、手順などを説明してもらった。
わかりやすくストレートな話し方をする医師なので早い。
同じ事を言い方を変えて聞いているとわかっていても答えてくれ
あいまいな返事をされないのでかえって落ち着いたのであった。

これから一ヶ月弱の間、薬の処方はどうするんだろうと尋ねると
「要らないです」という返事だった。
外科で対処する以外に方法がないってことが病理検査でわかった
わけなのに、それ以前の薬をくれるほうがおかしいのだけれど、
何もしないで待つことができないのはわたし‥、アホである。

アホではない医師は傷口に菌が入って悪くならないよう抗生物質は
前と同じものを使っておきましょうと笑いながら言った。終始、
笑顔なのは気遣いなんだろうな、たぶん‥。なのにわたしときたら
それでも気づかず「バキソはどうします?」と聞いてしまった。

「あれね、バキソはね、あれは腺癌には効かないよ」
「あー、じゃあこれまでは気休めだったってこと?ずーっと」
「ま、それはそれということで。これからどう対処するか方法が
はっきりした段階だからね、ようやく。次のことがんばりましょう」

医師の返事は当然のことである。鎮静(麻酔)して検査しなければ
ならないことを怖れ、これまで内服でやってきたのはわたしの責任
である。老犬の麻酔はリスクが大きいというのは医師とて考えない
わけではないので同意してくれていたわけだ。
だがある日の診察日、医師は工夫して切片を取り組織検査に持ち
込んでくれた。それはわたしに承諾を得たりもせずあっと言う間で
器用な人である。おかげで病気の正体が見えたわけで。


  (3/18撮影 地震から間もない時、門番してたなあ)

悪性腫瘍は2年近くもお腹のなかにあり続け、うさことベイビーは
いつもとおなじようにその月日をひっつき虫のように寄り添って
一日ずつ延長し、それがずっと続くと錯覚しそうなくらい平和に
過ごしてきたわけだ。

知らなんだ。
かみさま、ありがとうございます。
お願いしまくっていたのに、知らなんだ。
もうじゅうぶん、助けていただいているってことを。

CTで検査して転移がないかどうかを確認し、なければ腸を部分切除
し癌を摘出するのだが、見てみなければわからない。
まだ何も決まった訳でもなく、わかったわけでもない。
それでも、じゅうぶんにありがたいと思っている。
どういう結果であっても、ベイビーはもうじゅうぶんに生きてくれ、
うさこを守り続けてくれた。(今もそうだ)
あとは楽にする方法だけを考えなければと、自分に言いきかせた。

だって周囲の人(カメや医師)はそんなことわかっていて、うさこが
うろたえてばっかりいて、ダメだったんだ。
すまんこっです。ありがとございます。
(耳を折り畳んでおります)

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