今シーズン(私にとって)最後のオペラはサロメ。シーズンの最後にするにはちょっと?なオペラかとも思ったが。しかも、その凄惨な演出に、注意書きすら出ていたらしい。
しかし、結果として、前日のラ・トラヴィアータを最後にするよりは、こちらが最後でよかった。出ずっぱりのソプラノはアンジェラ・デノケ。2008年にパリでCardillacを観た時も良い印象を持ったが、その時以上に声が澄んでいるような気がした。
舞台に関しては、どうもドイツ物には色気が感じられない私で、全裸や半裸の男女が舞台に出ていても、ニュートラルな感じがして、エロティック、というところへ行き着かない。デルヴォーの絵画のような-いや、もっと中性的か。
従って、デノケの声は素晴らしく、聴いていて楽しいのだが彼女と周りとのつながりを感じることができず、「彼女の声&背景としての舞台」というような気がしなくも無かった。
それにしても、サロメの気持ちは良く分かる。美しいものを、何時までも独り占めしたい、というその気持ち。しかも、ヨハネに目をつけるなんて、なかなかお目が高い。