オランジュリー美術館でクレー展を開催している、というので出掛けてみた。19日が最終日で、その前日だったからか、入場までに時間がかかった。「予約券」を信用せず、とりあえず予約なしで並んだところ1時間も待たされてしまった。もっとも、パリは雲ひとつない快晴、日陰は心地よい風が吹き、子供が無邪気に遊んでいるのを見るとはなしに見ていたので、それほど苦痛には感じなかったが。
さて、クレー展、思ったより作品数が少なく、かつて文化村で大々的なクレー展を見たことに比べると、まるで物足りない。少々がっかりして、スイスを旅行したときにバスで近くを通りかかった、ベルンにあるクレー美術館をいつか訪れなければな、と思うのみであった。
結局、モネの睡蓮の部屋に落ち着いたのだが、今回は細部の色の美しさを堪能しようと、壁に沿ってゆっくり、ゆっくり歩いてみた。すると、なんだか音楽が聞こえる。最初は鳴っているのか鳴っていないのか分からないくらい、しかし、暫くすると明らかに音楽を「流している」。
調性があるような、ないような-現代曲だ。最初は弦楽器が、かすかにいくつかの音を奏でる。モネの少し幻想的な睡蓮の絵(特に奥の部屋の)と音楽が非常にマッチしていた。暫くすると、コーラスやシンセサイザーの音が混じってくる。音量が大きくなると、絵の鑑賞を妨げられるような気がしないでもなかったが、試みとしてはとても面白いと思った。
係員に尋ねてみると、水曜日の17h-17h45、土曜日の10h30-13h30と17h-17h45、日曜日の17h-17h45に流しているらしい。Marguerite Moquet氏の発案でLouis Dandrel氏が音楽を担当したようだ。
なんだか、モネの庭に行ってみたくなった。