小布施の「中島千波美術館」の裏手、住宅街のなかにあるお蕎麦屋さん「手打百藝おぶせ」さんは、上田市の「おお西」からのれん分けした店なのだそうです。
駐車場は狭いわりに、来客者が多いのが難儀するところ。
店内に入ると、つくばいから水音が響き、蕎麦屋さんの雰囲気をかもしています。
メニューは結構充実していると思います。
このお店では「発芽そばきり」というメニューが看板メニューの一つとなっているようです。
オーダーのあとにきゅうりの浅漬けが運ばれてきました。
これが「発芽そばきり」(1370円)
蕎麦を盛り付けた器が凄い!
大きなどんぶり風の塗り物はとても珍しいと思います。
「発芽そば」は、発芽期発生する糖化酵素による甘味、餅のような食感、独特のぬめりがあるそうです。
食べてみると確かにもちっとした食感とぬめっとした歯触りはありましたが、ほんの微かな感覚です。
さっぱりとしたつゆに絡んで美味しいのですが、心なしか青臭さのようなものを感じ何だろうと記憶を辿れば、山形の「麩そば」が思い出されました。
けれど「発芽そば」と言われなければ、もしかすると普通のお蕎麦と思うかもしれません。
「三色そば」(1450円)は、更科、挽きぐるみ、田舎の三種を食べ比べできる嬉しいメニューです。
更科そばは、コシがあってさらりと頂けます。
それはそれで喉越しもよく美味しいのですが、私の場合食べ飽きる感がありました。
蕎麦の香りがかき消されているため、そうめんのような感覚になっていくからでしょうか。
挽きぐるみは、ほんのり蕎麦の甘い香りがしました。
コシもあってつゆとの馴染みも良く、歯触りも良いです。
山形のお蕎麦で食べなれているためでしょうか、私は田舎そばが一番好きでした。
あっさり系のつゆと共に、蕎麦の香りが立ち上がり、蕎麦の濃い味わいを喉元で感じます。
それにしても、次から次へとお客様が来店されるし、こんなにお蕎麦の種類があれば打つのもゆでるのも大変と思いますが、そう待たされることなく頂くことができ、感心しました。
■手打百藝おぶせ
住所 長野県上高井郡小布施町中央 627-15
TEL 026-247-2847
営業時間 11時~15時
店休日 木