木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

愛の夢 第3番

2009-06-11 18:25:41 | Weblog



盲目の天才ピアニスト出現
とあちこちで大騒ぎです
ピアノは僕の人生とはあまり深いつながりがないので特別な関心ごとではありませんでした

昼ごはんを食べながら 獏ちゃんの番組見てたら
今日の主役 辻井伸行君の記者会見の映像が流れてきた


僕はこういう報道があまり好きじゃない
オリンピックのメダリストの会見とか海外で偉業を成し遂げた人を寄ってたかって持ち上げる
嵐のように持ち上げて後また知らんふり・・・

多分本人はうれしいからいいのでしょうがその騒ぎっぷりにいつもため息をついてる
 君たちがいて僕がいた

ごめんごめん茶化しちゃって・・・


今日も「またやってるわ」と思いながら見てたけど・・・
途中から様子が変わってきた


「一日だけ目が見えたら何をみたいですか?」 考えようによったらなんというデリカシィのない質問かと思いきや
彼は
「両親を見たい」って言ったんだ
20年も生きてきて おかあさんやおとうさんの顔を知らないのか
そう思ったら 涙が出てしょうがなかった
いつも職人さんと一緒に飯を食べてる
ほとんど無口な彼は話すことがない
また今日もその無口をいいことに 彼に気付かれないように 僕は一人で泣いていた

辻井君が哀れと決めつけるわけじゃない
彼は最後に「自分は心の目で見てるから満足しています」って言った
僕はただその現象が悲しかった

いま こうやって物を見ることができるからこそ
もしもそれを奪われたらそんな悲しいことはない
想像しただけで身悶えする
前にも一度書いたことがあるけれど どの機能を失ったとしても視力だけは持ち続けていたいと思う
もしも自分の子供たちを見ることができなくなったら
もしも愛しい人の顔を確認できなかったら
僕にとってそれは恐怖以外の何物でもないから


彼は視力以外のもの、普通の人をはるかに超えるものを手にしているのだろう
それを開花させられておめでとう
おとうさんやおかあさんにもその言葉を捧げたい


おめでとうございます







愛の夢 第3番


コメント (12)
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