二兎を追うものは・・・

一兎をも得ず，となりそうな展開でしたが，成瀬の苦境をまずは今江が救いました。成瀬が今日2本目の本塁打を打たれた後の5回，先頭の今江が豪快な一振りでした。昨日に続く貴重な逆転ホームラン！何せ，5回表2死で多村，これを押さえれば余裕で防御率1位＆最多勝かーと思っていたところ手痛いしっぺ返しを受けた直後でしたので。

　これで，ぎりぎりダルビッシュを防御率で上回っていた成瀬は，心置きなく6回表から交代となりました。そうでなければ，６回も投げて，防御率すら失っていた可能性も高かったので，本当に貴重な一発でした。

　ついでに，このまま勝てば最多勝タイも転がり込むかも・・・。しかし，そうは問屋がおろしません。いやー，やはり人間欲張ってはいけませんね。

　もう今年の成瀬は，本来であればありえない防御率＆勝率1位で十分です。何せ1点代＆たったの1敗ですよ！成瀬の慢心を避けるため（若年寄に限っては無縁にも思えますが），神様がくれた厳しい教育だったのだと思います。

　逆に言えば，敵ながらダルビッシュは天晴れです。正直言って性格は好きになれそうもありませんが，たかだか３年目で当たり前のように完投・完封を繰り返し，防御率は1点台，勝数も１６勝と堂々たる数字です。防御率も勝数も１位でないのが不思議なくらいです。今後とも，涌井を含めたよきライバルとしてパ・リーグを引っ張っていって欲しいと思います。

　結局，その後，今まで頑張ってきた荻野＆いまいちな薮田が打たれ，同点・逆転となり，最多勝は消えますが，多くのファンの方は，防御率だけでも取れて良かったという気持ちであったと思います。

　もう今日は仕方ないかなあと思っていたところ，まだドラマが待っていました。まずは，２００５年プレーオフを思わせる福浦様の劇走の後，TSUYOSHIの久しぶりのお得意プッシュバント，そして早川送りバントの後，なんと３番大松は敬遠。
　
　そして，次の人は・・・そうです，我らが４番サブローです。ブログではおちゃらけているようですが，奥さんのブログによれば，優勝を決められた一戦は相当応えていたとの事。そして，最悪の状態は脱したとはいえ，未だ好調とはいえないバッティングの状況。最近のバッターボックスに入るサブローの目は，涙目というか悲壮感が漂います。

　この目は，どこかで見た目だ・・・と思いきや，そうです２００５年プレーオフ５戦目で見せたあの目です。その年，サブローはつなぎの４番としてチームを引っ張りながら，プレーオフでは力んで不振に陥り，奇跡の第５戦，８回表無死１，２塁の場面でも内野フライに倒れます。その後ベンチに戻ったサブローの泣きはらしたような，いかにも寝れてませんというような目を私は忘れません。子供が大人になったようなガキ大将的性格のようですが，実は誰よりもチームのこと，ファンのことを思い，苦悩していた姿を。
　
　今日，私は，再びその目を見ました。ひょうひょうとしているようで，実は，目の前の敬遠には人一倍燃えるという男，サブロー。今日は一振りで決めました！

　ピッチャー水田の投げた初球高めの直球を振り抜き，前進守備のライトの頭を超え，なんと走者一掃のタイムリーツーベース！中継のミスもあり，３塁に達したサブローのガッツポーズは，本当に快いものでした。

　その後は，薮田がきっちりと占め，２位確定そして，ソフトバンクに勝ち越し決定！いつ見ても，ソフトバンクには勝てるかな・・・という気持ちを抱かされるだけにこの結果は嬉しいものでした。

　ヒーローインタビューでもサブローの意気込みが伝わってきました。前のソフトバンク戦でも２回目の前の打者が歩かされ，今日は絶対何とかしてやろうと思っていたとのこと。その心意気が最高の形で現れました。最後は絶対優勝します！といってスタンドは大盛り上がり。この場合，優勝って何？という突っ込みはさておき，CSにかける気持ちは十分伝わりました。
　
　なんだかんだとありながらもめでたく２位決定。明日・明後日は，休むべき選手は休んで体調を整え，CSに完全な形で突入して欲しいと思います。

　それではおやすみなさい。


唐川君の１位おめでとう！ロッテが憧れの球団って・・・本当にありがとう！