祝いの雨

これからのすべてが

はじまるこの日を

祝いの雨が降りそそぐ

青い空からきらきら光る

お天気雨が降りそそぐ

じぶんのなかのちいさなこども

たいしたことじゃない

ほんとうにそうかな

じぶんのなかのちいさなこどもが

おこったりわらったりしてるなら

いいんだけど

そうでなかったら

じぶんのなかのちいさなこどもに

ほんきできいてごらん

ご褒美

ご褒美に

新しいを一粒

懐かしいを一粒

くださいな

はんぶんこ

おせんべい

はんぶんこ

クッキー

はんぶんこ

もんくぶつぶつ

はんぶんこ

おつかれさま

はんぶんこ

かえりみち

みあげたら

おつきさま

はんぶんこ

ものがたりのいちぶ

なにをするために

やってきたか

ときどき

もうすこしで　

おもいだせそうなきがする

ただこれはきっと

ひきついだものがたりのいちぶ

なまえのあるだれかが

べつのなまえのだれかに

ずっとてわたしてきたもののいちぶ

花 咲く日

花　咲く日

望　みのる日

涙　つたう日

すべての時が

矢印になる

意志は ちいさな魚

意志は

ちいさな魚

流れる水の勢いも

突然やってくる流木も

選べないけれど

ちいさな魚は

行くと決めた

意志は

ちいさな光

誰もとめられない

雨は洗う

雨は洗う

過ぎた時間を

水のちからで

歩いた道に

点在する記憶を

そのときよりも

滑らかなかたちに

雨は変える

抱きかかえても

痛まぬように

雨はやさしく

すべてを洗う

金色の野原

夢でみた

風になびく

金色の野原

そのどこかに

神さまがいると

信じられる

安らかな景色

確かにわたしはそこにいて

風の音を聞いていた

ただ 挑む ために

できあがる　ためじゃない

つかみとる　ためじゃない

つかまりだちする　

ちいさなひとみたいに

ただ　挑む　ために

今朝も　めざめる

明日　挑む　ために

今夜も　眠る

どんどん描く

どんどん描く

地面に描く

壁に描く

窓に描く

天井に描く

屋根に描く

雲に描く

空に描く

星に描く

描きながら眠り

描きながら歩き

描きながら夢みる

風に描く

波に描く

いまに描く

あしたに描く

そのさきに描く

おもちゃばこに飛びこんで

世のなかには

数えきれないものが

おもちゃばこみたいに溢れてる

お気に入りをみつけるんだ

名前をつけたくなるほどの

大すきなものをみつけるんだ

おもちゃばこに飛びこんで

みっけと言って高くかかげるんだ

ちびさん

ぺたぺたと走る

ごろごろと転がる

すぐおへそをみせる

暗いのはこわい

かくれるのが好き

くすぐられたように笑う

あきるまでやりつづける

とつぜん眠くなる

はしゃぐスイッチがある

怒られても聞こえない

すいこまれたようにたちどまる

この次がいつも楽しみ

焼鳥食べたいでもいいんだ

やらなきゃいけないことでなく

やりたいことといきごまず

ほめられそうなことはおいといて

そのときの望みをかなえてあげる

焼鳥食べたいでもいいんだ

ひと眠りしたいでもいいんだ

まじめなひとはやさしくね

偶然である

偶然である

この熱せられた一日に

アイスクリームを買ったり

キッチンマットを洗ったり

まだ読んでいない本を開いたり

長電話ができる

それは偶然である

選ばれたわけではない

意味があるわけではない

いまこの手のなかに

一日分の

偶然がある