うまれてから
あかんぼうのときも
ちいさなこどものころも
おとなになってからも
ろうじんになって
しんでゆくまで
ずっとかわらず
じぶんなんだ
かわいがらなきゃ
もったいない
うまれてから
あかんぼうのときも
ちいさなこどものころも
おとなになってからも
ろうじんになって
しんでゆくまで
ずっとかわらず
じぶんなんだ
かわいがらなきゃ
もったいない
いちにち
ひとつでいい
さよなら
いままでありがとうと
言ってみるのです
その結果
あいた場所に
はじめまして
どうぞよろしく
がやってきます
お引越しのように
きちんとあいさつ
春ですからね
ゆきやなぎ
もんしろちょう
しろいソックス
余白に描いた
かえりみちの絵
まだやわらかい
季節のいろ
スキップしたり
よりみちしたり
横断歩道
ともだちのいえ
アイスクリーム
レースのカーテン
空を見上げて
わたぐものしろ
白木蓮の咲く庭で
つめたい風と空の青
誓ったわたしはもしかして
ひとつ前のわたしでしょうか
真上に浮かぶまるい月
石段の途中で立ちどまり
見上げたわたしはもしかして
ひとつ前のわたしでしょうか
さくさく雪をふみながら
光る景色のなかにいる
ひとつ前のわたしでしょうか
それともいまのわたしでしょうか
すこし先には さよならがある
その先に見える あたらしい駅
だけどそこは知ってる景色だ
揺れながらおもいだす
小鳥が飛んでく 風が吹いてる
わたしたちはいま
おなじところで
心臓がうごいている
偶然がつくる絵のなかで
走る電車に乗り合わせたきみ
揺れながらおもう
なにも決まっていないのだから
揺れながらいこう
どこまでもいこう
揺れながらいこう