徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

JICA 訓練入所案内・事前提出書類

2011年05月30日 | 海外ボランティア

JICA派遣前訓練まで一ヶ月近くとなり、事前提出書類と入所案内が届いた。訓練所の入所は7月6日との事。私は長野県の駒ヶ根訓練所だが、もう一方の福島県二本松訓練所は震災・原発の被災者避難所になっていて、こちらの訓練予定者は大阪センターで訓練を受けることになったようだ。福島から大阪に変更となると結構な移動距離だが、まあ街中での訓練も楽しいかもしれないですね。ちなみに、訓練中は所内での飲酒は厳禁で、違反者は退去命令が下るとの事。ビールでの晩酌を楽しみにしている身には辛いものがある。フランス人だったら、食事からワインを取り上げたら暴動物だろうな。日曜は外出可能なので長野の地ビール、地酒めぐりを楽しむことにしよう。 提出書類は各種あり締め切りもマチマチでやや混乱ぎみだが、取り揃えて郵送した。

JICA駒ヶ根の訓練風景がY-TubeにUPされている、なかなか健康的でよろしいですね。こんな生活は大学卒業以来30数年ぶりだな。

http://www.youtube.com/watch?v=T4PGIfKq_WE


福島原発 吉田所長について

2011年05月27日 | 福島原発

もう原発問題について書くのは止めようと思っていたが、どうにも腹の虫が収まらないので、また書かせて頂く。

イタリアから帰ってぼけた頭に入ってきたのが海水注入55分間中断問題だ。TVでは国会で菅首相が中断指示したとか、しないとか自民党の質問に答えている。私はいったいなにが問題なのか判らなかった。つまり、55分間の中断が意味する物理的意味がである。この事によってメルトダウンが進み、中断が無ければ問題が起らなかったとでも言いたいのだろうか? などとぼんやり考えていた。

ところが昨日になって判った事実は海水注入中断は無く、官邸の意向を慮って中断指示を出した東電本店を無視して原発所長である吉田氏が注入を継続していたと言うことである。

まず、技術的な観点から見ると海水注入継続は正しい措置と言える。海水注入により再臨界の可能性が増える事は無く、中止すれば炉心が加熱することは明らかで、中止を指示した本店は明らかに判断ミスを犯している。

その上で、報道では”東電は、報告の遅れた吉田所長の処分を検討する。”と書いている。

もし吉田所長がYESマンで、本店の指示通り注入を中止し、炉心過熱により圧力容器の底が抜け水蒸気爆発を起こし、チェルノブイリを越える放射性物質を撒き散らしていたら皆さん満足だった様だ。

まったく、ふざけるんじゃない!と言いたい。日本を救ったのは吉田所長の、この判断だったのかもしれないのだ。

東電の本店は全くの判断ミスを犯している。官邸は海水注入で再臨界の可能性があるなどと全くの素人丸出しである。安全委員会の斑目氏は再臨界の可能性はゼロでは無い、などと無責任丸出しで保身と責任逃れで精一杯の無様を晒している。吉田所長が居なかったら、どうなっていたことか。

私はエンジニアとして彼の判断、行動を支持し、日本の技術者魂は生きていると感じる。その彼を処分するなどという事になれば、私は日本を見限る。


イタリア旅行 美術館

2011年05月25日 | 旅行

今回の旅行で訪れた美術館は、バチカンのローマ美術館とフレンツェのウフィツィ美術館だ。ローマ美術館はとにかく人が多い。開館は9時からだが、朝の8時ごろから行列が出来始め9時にはすでに長蛇の列になっている。我々は事前に入館予約を入れておいたので、列には並ばなくて済んだが、並んだら2時間待ちでは済まないだろう。しかし、この予約も曲者で奇妙なシステムになっている。インターネットで予約できるのだが、そのプリントアウトを持って集合場所(美術館入り口の前の道路を横切った先にある階段)に行きツアーリーダーを待つ。注意書きに15分前までに集合場所に来ないとキャンセルするぞ、と書いているので時間通りちゃんと行くとアメリカ人やらイギリス人やら日本人やらドイツ人が同じ紙を持ってうろうろしている。みんなツアーリーダーを待っているのだが、ご当人が15分前になっても現れないのだ。5分前になってやっと到着(こっそり)して、受付を開始し、なんとか入館できた。遅れて来た割りに、態度が横柄なイタリア女だった。入館後切符を手配して分かれるのだが私の分とドイツ人夫婦の分の切符が3枚足りない。(このときは横柄なイタリア女から若いイタリア男に引き継いでいた)イタリア男は自腹で切符を買って我々に渡してくれた。ドイツ人に”あいつ自腹だね”と言ったら、当然だ、という返事が返ってきた。

入館した内部も人でごった返していて(朝の10時ですよ)、落ち着いて鑑賞するような雰囲気ではない。おまけに展示物の趣味が悪い。バチカンの権威に飽かして集めた、宗教臭い美術品ばかりでコテコテ、ベッタリ、キンキラばかりで、こけおどしの好きになれないものばかりであった。有名なシスティーナ礼拝堂の最後の審判(ミケランジェロ)も、ご当人は皮でぶら下がっているし、キリストはムキムキだし、まさにダ・ビンチの最後の晩餐の対極にあるような絵だ。ルネッサンスの時代からバチカンと反バチカン勢力の対立があり美術にも影響を及ぼしていたのだろう。

これに対し、フレンツェのウフィツィ美術館は素晴らしかった。人はそこそこ多いことは多いが、身動きが取れないほどではない。ここではダ・ビンチの受胎告知やビーナス誕生、春(プリマベーラ)、ウルビーノ公夫妻肖像画、ウルビーノのヴィーナスなど素晴らしい絵画がキラ星の如く展示されている。

受胎告知は数年前、上野の美術館で展示されたのを見に行ったことがあるが、数時間待ちのうえ画の前を身動きできないまま押されて通り過ぎた記憶があるが、ここでは部屋の片隅に掲げられ、30cmの距離からトックリと拝むことが出来た。

バチカンは宗教で中世人を縛り上げたが、ルネッサンスのフレンツェ人はそれを跳ね返し人間性を取り戻した。それをはっきり感じさせる二つの美術館であった。


イタリア旅行 悪党ども

2011年05月24日 | 旅行

海外に出ると、多かれ少なかれ日本国内では経験しない目にあうものである。しかし、その頻度は2週間の旅行で1回とか、1年間住んでいて2,3回とかが普通で、そんなに頻繁なものではない。ところがイタリアときたら、始めから終わりまで小悪党のお世話になりっぱなしだった。アメリカ人が”イタリアは素晴らしいが、イタリア人が居なければもっと素晴らしい”と嘆くわけが良くわかる。

まず、入国の際に入管の列に長々と並んでいると後から来たイタリア人団体客が、EU居住者ラインではなく我々の並んでいる外国人ラインに割り込んできて、係官が注意をするとイタリア割り込みおばさんが腰に手を当てててまくし立て、係官を撃退してしまう。私は割り込みは嫌いなので、連中を押しのけてカウンターに手を伸ばしたが、逆に割り込みするななどと理不尽なことを言われ、思わず逆上して”ちゃんと列に並べ!”と怒鳴ったが通じたかどうか?係官は肩をすくめていたが...

やっとの思いで入国してタクシーに乗ると空港から市内は40eur固定料金のはずがメーター料金を請求されるしその後、タクシーに乗るたびに遠回りをしたり、おつりをごまかしたり、わざと別の場所にいったり、およそ乗った8割のタクシーに不愉快な目に合わされた。ただ、小銭程度のごまかしばかりで、チップと思えばそんなに気にならない。しかし、気持ちよく乗って、気持ちよくチップをもらうほうがお互い得だとは思うが。

レストランはレストランでレシートに品目を書かずに高めの請求をしたり、日本人と見て手抜き料理を持ってきたりの目にもあった。ガイドブックに乗っているレストランやピッツアリアはまず駄目だと思ったほうが良さそうだ。(もちろん、良いレストランもたくさん有ります。)

一番危なかったのはローマ・テルミニ駅で早めについて、列車に乗ろうと待っていると、妙な親父が近づいてきて、この列車はフレンツェ行きなのでさっさと乗れと言う。列車にはまだ乗客は誰も乗っていず、ガランとしているところへ荷物を持ち上げていると、何処から現れたか3人娘に取り囲まれ財布を掏られそうになった。おりゃーと言って荷物をホームに戻すと脱兎の如く逃げていった。危ないところでした。

おまけに、帰りの飛行機では私の頭の上で、イタリア人同士が延々と一時間以上もしゃべり続けるので頭に来て、立ち上がり面と向かって指を立ててシーと言ってやったら、コソコソと自分の席に帰っていった。

ただし、良い人達ももちろん居る。テルミニ駅では危ない目にあったので荷物は手元に置くほうが良いと思い席まで引っ張っていったが、30kg以上ある大型スーツケースを荷物棚に持ち上げるのに躊躇していると、そばに居た190cm位の若者が、ひょいと手伝ってくれた。その態度に感激して、思わずグラツェと握手を求めた。横にいた新婚らしい若い健康的な奥さんの誇らしげな表情が印象的だった。またローマのホテルではセフティBOXが故障していたので修理を頼むとローマ男の親父がやって来て、床に四つん這いで、お尻を半分出して修理してくれた。イタリアは伊達男ばかりかと思っていたが、ローマ男は実は胸毛モジャモジャのマリオタイプが多い。樽の様な腹と腕をした重量挙げ選手みたいな体型です。

...と色々有りましたが、それでもイタリアは素晴らしいところです(本当に!)


イタリア旅行 鉄道

2011年05月24日 | 旅行

移動はTRENITALIA(イタリア鉄道)をインターネットで予約して乗った。鉄道料金は総じて安い。例えばベネチア-ミラノ間Euroster(300km出る超特急、下左写真)が二時間半の距離で15EUR(Mini割引適用)。振動も無く快適である。ただ、発車時の放送など有ったり無かったりでローマ・テルミニ駅からフレンツェへ発車するときなどは発車ベルも、車掌の笛も、放送も全く無く、時間が来たら静かに、いきなり発車したのには少々驚いた。車内の表示ボードは関係ないデフォルト表示をぐるぐる回しているし、一体この列車で間違えていないのか心配になる。そういえば駅の改札が無く、外部からいきなり列車に乗車できるのも日本とは違う。つまりはただ乗りが簡単に出来るのだが、車掌の検札でばれるとキツイペナルティーが課せられるらしい。おまけにフレンツエ到着は予定時間より10分も早くついた。日本の新幹線では考えられませんね。


イタリア旅行 最後の晩餐

2011年05月24日 | 旅行

しばらくブログをご無沙汰して、イタリアに旅行に行ってきました。ローマ二泊、フレンツェ二泊、ベネチア二泊、ミラノ一泊の旅でした。イタリアは本当に見所が多く、色んな所を歩き回り、正直言ってヘトヘトになって帰ってきました。

その中でのハイライトの一つが、ミラノでレオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐を見ることでした。左の写真がその壁画があるサンタマリア・デッレ・グラッチェ教会です。この教会は第二次世界大戦で爆撃を受け壊滅したのですが、奇跡的に最後の晩餐の描かれた壁は残り、最近になってダ・ビンチが描いた当時の状態に精密に再現されています。

ここへは15分毎の人数限定で入場が制限されており、中央写真の入場切符を手に入れるのが中々大変です。我々は12;45からの組でしたがアメリカ人の団体が20人ほどと、我々と数人の個人客25名ほどで同時入場しました。

内部は薄暗く、壁画だけに比較的弱い照明が当てられている状態です。写真撮影は禁止なのですが、フラッシュ無しでこっそり撮影したのが右の写真です、ゴメンナサイ。因みにこんなに薄暗いのに手ぶれなく取れるのはSONYの裏面CMOS+高速多重露光技術のおかげです。

イタリアではバチカン博物館やフレンチェのウフィッチ美術館などの壁画や絵画をたくさん見ましたが、この最後の晩餐のような絵は一枚もありませんでした。色使い、人物の表情、伝統的宗教絵画ルールからの逸脱など、その他のノッペリ、ベッタリした宗教絵画とは一線を画す絵で、映画を見ているようなリアルでストーリー性がある素晴らしい絵です。敢えて申し上げると、日本の上質なアニメに通じるトーンの絵です。(素晴らしすぎるアニメとでも言いましょうか...)

この絵は伝統的なフレスコではなくテンペラ手法で描かれています。フレスコ画は生乾きの漆喰の上に顔料を使って描く技法で、一発勝負で色の混ぜ合わせ無しに描く必要があります。完成後は1000年経っても色があせないほど耐久性があるのですがどうしても生の顔料のベッタリとした色調しか使えません。ダ・ビンチはそれを嫌って敢えてテンペラ手法でこれを描きました。そのおかげで、今見られるような中間調を使った写実的な壁画に仕上げることが出来たのです。しかし、テンペラは湿度に弱くダ・ビンチの存命中から傷みが入りボロボロと顔料が剥がれ始めました。これを修復・復元したのが現在の絵です。

この絵の意味する寓意はダビンチ・コードで詳細に指摘されているところですが、正に西洋キリスト教文明の根幹に関わる秘密をダ・ビンチは描き入れています。使徒ヨハネの女性としての姿、その姿勢とキリストとの間の寓意をこめた空間、聖杯なき卓上。これらは明快な意思の基に描かれた事は明らかです。つまりフランス・メロヴィング朝に繋がるキリストの血脈を示していると思われます。これが、単にダ・ビンチの思い込みなのか、真実なのかは私には判りませんが少なくとも、世界的に有名なこの壁画に明らかなメッセージが込められている事は間違いはありません。

あとつまらない事ですが、実物を見て初めて知ったことは、この絵には足が描かれていることです。絵画集や絵葉書ではテーブルから上しか印刷されていませんがテーブルの下には各人物の足がしっかり描かれています。ともかく、この絵は持ち運びが出来ず、現地に来て見るしかないのですが、それが出来る幸運に恵まれ非常に満足しています。


水力発電について-2

2011年05月14日 | 物理

5月2日の記事で、原子力を含めた全発電方式のうちもっとも低コストなのが水力発電だと言う事を書きました。それでは、なぜ水力発電をもっと使わないのかと言うことをWEB上で調べて見ると、原発を推進する立場からの恣意的な行政の態度があるように思います。

実は下記のwebサイトの内容に納得してしまっただけなのですが、結論として水力のポテンシャルは非常に高く、現状19%しかない水力発電施設の稼働率を、現実的な70%までに引き上げるだけで国内電力需要の4割近くを賄える可能性があるということです。

http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2011/01/000833.html

なぜ、それをしなかったかと言うと原発優先行政だったからです。どうもその裏には原発稼動で生じるプルトニウムによる核武装の発想があったとも言われています。また、福島原発事故で東電が計画停電などと騒いでいましたが、結局のところ火力発電の再稼動で凌げそうだと言う話になりつつあります。これをTVでコメンテーターが、”なんだ、やればできるじゃん”といみじくも言っていましたが、まさにその通りで日本の電力は原子力がなくても実は何とかなるかもしれないのです。

再生可能エネルギーにも太陽光、風力、地熱等色々あります。水力もその一つです。その中で水力のユニークな特徴は安定供給が可能だと言うことです。太陽光や風力は貯めておくことが出来ないので、お天気任せ、風任せで需給バランスをこれだけでカバーすることは不可能です。そうなると原子力や火力と言った安定出力発電と組み合わせざるを得ません。一方、水力は原子力の夜間余剰電力を揚水発電で吸収しているようにエネルギーを貯める機能があります。水力は水の位置エネルギーにより発電するからです。位置エネルギーは運動エネルギーや熱エネルギーと違い保持している間のロスが全くありません。

コストが安く、潜在供給ポテンシャルが高く、安定供給が出来、しかも再生可能エネルギーである水力をもっと活用しない手は無いと思います。日本はこれから少子高齢化で人口が減っていきます、そうなると電力需要も減る。そこを、無理をして危険な原子力で賄う、なんてことは時代に逆行する振る舞いと言えるでしょう。日本は国土の73%が山地の山国で、水力資源の豊富な国です。この自然の恵みを享受して、森と共に生きるのも悪くは無いでしょう。


福島1号炉 燃料全溶融

2011年05月13日 | 福島原発

一昨日、作業員が始めて立ち入り一号炉の水位計調整作業をした結果、水位は燃料棒の下であることが判明した。つまり、核燃料は全てむき出しになり全溶融していたことになる。この話が3月時点で判っていたら、再臨界が心配で世界中の専門家は心臓マヒを起こして死んでいた、かもしれない。

幸いにも挿入済み制御棒と一部注入ホウ酸水の効果で上手く核燃料とボロンが混ざってくれたと見え、再臨界は起らずに済んでいる。これが、もし再臨界を起こしていれば溶けた核燃料は高速中性子と猛烈な熱を発しながら圧力容器、格納容器の底を破り、誰も近づけない、誰も止められない状態になっていたかもしれない。まさに破滅の瀬戸際だった事になる。我々は運が良かった。

未だに解せないのは、これだけ大量に冷却水を注入していて、その水が何処に流れ出しているのかがハッキリしないことだ。普通に考えれば圧力容器、格納容器を経てタービン建屋地階へ、と思うが、保安院や東電の発表によると格納容器圧力は保全されている事になっている。先日も窒素封入を試している位だ。しかし、水位計の間違いの例を見てしまうと発表している圧力も当てにはならないとの疑念がわく。注入水が流出している以上、圧力保全されている筈は無いからだ。つまりこれは、炉心が大気開放されている可能性を示している。事故処理は今後も、困難を極めるだろう。


東海、東南海地震について

2011年05月11日 | 物理

中部電力が浜岡原発停止を決定した。これは正しい判断だと思う。ところで一方、我が家はまだ地震保険に入っていない。東海・東南海連動地震が起れば、うちも震度6の揺れが想定されている。緊急に対応すべきかどうか経済性とのトレードオフを検討する必要がある。(人間は自分と関係の深い事項に関しては過大に評価し、これを認識の遠近法と呼ぶ;ニーチェ)

左の図は過去の東海・東南海・南海地震の発生の記録である。これを見ると二つ解る事がある。一つ目は発生の間隔、近ばでみると100年から150年間隔で地震がキチンと起っている。これはプレート・テクトニクス理論の正しさを証明している証拠であって、海溝型地震は周期的に必ず起るのである。もう一点は東海地震(右端)についてだが、この表を見るかぎり東海地震が単独で発生した記録は無い。

今回の浜岡原発の例で30年以内に87%の確率で地震が起るといわれているが、実はこの数字には若干のトリックが含まれている。もともと東海地震が起る起こると言われていたのは1854年の安政地震以来、東海地震は起っていないので地震エネルギーが極限まで高まっている、との理由であった。しかし、上記の記録を見る限り、東海地震は単独で起ったためしは無いのである。

一方、東南海、南海地震はどうかと言うと、安政地震の90年後の1944年と1946年に昭和地震を起こしており、それから今日まで67年が経過している。海溝型地震はマントル対流速度が一定なので、歪が蓄積して地震を起こすに至る周期がほぼ決まっている。今日現在の67年と言う期間は東南海地震に至る歪を蓄積するに十分な期間とは言えない。ただ、前回は90年で起っているので、あと10年もすれば、そろそろ危険水位ともいえる。今後、30年以内に87%と言うのは間違いでは無いのだが、メカニズムから言って今後30年のうち、後ろになるほど発生確率が上がる特有の分布がある事を忘れてはならないし、閾値の観点から見ると67年では海溝型地震は発生し無いとも言える。加えて、東海地震に連動条件があるとすると、あと十年は南海トラフの地震は起らないだろう。

という事で、我が家の地震保険は今後10年以内に加入する事とし、急がないことに決定した。しかし、近所の断層地震が起って全壊の憂き目に会えば、それは不運と言うしかない。(太陽黒点は少ないままだし...)

 


福島原発4号炉(4号機) 保管プール水中映像、爆発の原因について

2011年05月10日 | 福島原発

福島第一原発4号炉、使用済み核燃料保管プールの水中映像が公開されました。

http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_news/vn110509_2.htm

これに関して記事(読売)では下記のようにコメントしています。

東電はプールの水を調査。その結果、放射性物質の濃度が比較的低く、水中カメラの映像でも、燃料を収めた金属製ラックに異常が見られないことから、空だきが起きていたとは考えにくいことがわかった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110509-OYT1T01116.htm?from=rss&ref=rssad

この画像を良く見るとしきりに水中で気泡が上昇しているのがわかります。とくに終了間際の部分を見ると、かなりのガスが発生しています。水温は80-90℃なので水蒸気泡では有り得ません。これが私が以前から主張している、放射線分解による遊離水素だと思います。

4号炉はもちろんの事、その他の1,2,3号炉も電源遮断による換気ファン停止により滞留した保管プールからの水素が爆発したものと推測しています。マスコミや解説者は全くトンチンカンな事を言ってますが、まさか担当エンジニアがこれに気づいていないとは思えません。正確な情報を発表しない理由が何かあるのでしょうか?


浜岡原発、停止要請について

2011年05月06日 | 政治

菅さんが、浜岡原発の停止要請を発表しましたね。自民党だったら、こうは行かなかったでしょう。

今回の原発事故が民主党・菅首相の時に起った事は、ある意味で不幸中の幸いかもしれません。自民党にせよ、民主党・小沢派にしろ原発推進勢力とはズブズブですからキチンとした対応は望むべきもありません。そういう意味で、菅さんには期待したいと思います。政治決断なんて言葉が死語では無い、ということで少し気が晴れました。

やはり、原発は日本では無理のあるテクノロジーです。


最後の晩餐 予約

2011年05月05日 | 旅行

イタリア旅行で気になっていたミラノ・レオナルド・ダヴィンチの最後の晩餐の入館予約が取れた。自分でオンラインや電話予約を試したけど結局駄目で代理店を通して予約しました。(下記)

http://www.ivc-net.co.jp/itanet/cult/ticket.html

オンラインで公式HPの今の予約状況を見ると5,6,7月は全く駄目で8月の予約が空いているようだ。3ヶ月前・開示されたとたんに予約を入れないとインターネットでは難しそうですね。


水力発電について

2011年05月02日 | 物理

上の表は第48回原子力委員会(2010年9月7日)に提出された資料から抜粋したものです。

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf

己の不明を恥じる事ではありますが、これによると一般水力発電コストは原子力、火力の半分以下である事が判ります。これは意外でした。水力発電はCO2を出さない再生可能エネルギーであり、コストも半分と言うことであれば、見直しても良いのではないでしょうか?

水力はその他のメリットとして出力調整の容易さがあります。原子力や火力の場合は最大出力運転を継続することが効率的ですが夜間、消費量が減った場合の余剰出力の問題があります。これを解消するため揚水発電やオール電化で夜間電力消費を促進したりしている。これに対し水力は夜間は水量を絞れば自由に出力調整が出来ます。

一般論として水力発電の問題としては、

1.消費地に遠いので送電設備が必要。

2.ダム建造による環境破壊、住民移動等の問題

3.ダム建設可能地の減少

等が言われています。 しかし、日本は国土の73%が山地であり、考えて見れば水力資源が非常に豊富な国でもあります。東京一極集中で地方は過疎化が進んでいるときにダム建設による事業を行うことは、地方からはむしろ歓迎されるのではないでしょうか?環境破壊についても原子力や火力と比較すれば議論の余地は余り無いと思います。

ということで、日本は今後、原発を廃止して水力発電に移行すると言う選択肢を考えても良いと思いますが、いかが?