徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

化学反応式 CO2発生器

2019年01月10日 | 海水魚・水草

 

最近また水槽をいじり始めて水草のレイアウトを変えました。しかし、水草の伸びがあまりよくないのでCO2炭酸ガスの強制添加でもやろうかなと思って調べていると面白い商品を見つけました。化学反応で炭酸ガスを継続的に発生するキットです。アマゾンで1640円なり。

左のペットボトルにはクエン酸、右のペットボトルには重曹(炭酸水素Na)が入っています。この二つを混ぜると反応してCO2炭酸ガスが発生するのですが一気に混ぜると爆発的に反応して破裂してしまいます。このシステムを考えた人(たぶん中国人)は天才じゃないかと思うのですが、この反応を自律的に何の動力も使わずに一か月以上じわりじわりと継続してCO2を発生し続けるのです\(^o^)/

どういう仕組みかというとこうなっています、

AとBのボトルはチューブで接続されていて同じ圧力がかかっています。圧力(流量)は⑧のバルブで調整します。ガスを放出して圧が低下するとAの④からクエン酸がBに流入して反応しCO2が発生し圧が上がる。そうするとクエン酸の流入は止まり反応はそれ以上進まない。圧が下がれば再び同じことが起こる、これの繰り返しです。Bの⑤がミソでAからBへは液体(クエン酸)が移動するけどBからAへは気体(炭酸ガス)しか移動しないんですね(´・ω・`) クエン酸と重曹が原料ですが百均に行けばクエン酸(200g)と重曹(350g)が清掃用として売っています。

ちょっと反応式をおさらいしますと、

クエン酸 1mol+炭酸水素Na 3mol -> クエン酸Na 1mol+CO2 3mol+H2O 3mol

クエン酸 192.12g/mol  重曹84g/mol なのでクエン酸200gに対して266gの重曹が反応して約138gのCO2が発生します。容積で言うと約70L(標準気体)ですね。

取説には200gのクエン酸と200gの重曹を使えと書いていますが理系としては重曹は266gで行きたいですね。あと反応生成物のクエン酸Naは比較的よく水に溶けます(溶解度42.5g/100mL)上記反応で生成されるクエン酸Naは約300gなので水が1L以上あれば溶解するはずです。取説では800cc(600cc+200cc)の水で溶かせと書いてありますがこれだとギリギリなので1100cc(800cc+300cc)の水で溶かしました。

順調にCO2が発生していますが夜間はCO2の注入は止めたいので電磁バルブを付けてタイマーでコントロールしようと思います。追って報告しますね。

ちなみに、ここで使うペットボトルはキットに含まれていないので自分で準備します。ペットボトルにも幾つか種類があって、ここで使うのは炭酸飲料用の耐圧ボトルです。何が違うかというと円筒形であること、底が特殊なペタロイドという形状をしている事とキャップのつくネジ部分が透明であることです。耐圧でないボトルを使うとまず底が抜けますのでご注意を。このシステムの常用圧は1-2kg/cm2ですが耐圧ペットボトルの破断限界は20kg/cm2くらいあるのでまず破裂することは有りません。安直な安全弁もついていますしねw

 

 


我が家の海水魚水槽 (3年無換水)

2013年12月25日 | 海水魚・水草

そろそろ年末なので水槽のコケ取りをした。この水槽、蒸発した水を足すだけでかれこれ3年以上水換えをしていません。

久しぶりに硝酸塩濃度を調べたが、20ppm以下で硝酸塩は全く増えていない。

魚の調子は絶好調で餌をやると争って食べるし白点などの病気も全く発生していない。コケは褐藻がうっすら生えるが月に一度程度スポンジでこすれば簡単に落ちる。藍藻の発生は全くない。

以前、毎月水変えの重労働をした挙句、藍藻と白点に悩まされていたのが嘘のようです。海水魚飼育のコツはフィルターをいじくらない事だと思いますね。フィルターはエーハイム2260のでかい密閉式に大き目のサンゴを目いっぱい詰めている。荒いサンゴなので目詰まりはしないから洗浄は全くしていない。恐らくサンゴ表面はバイオフィルムで被われ、好気性バクテリアと嫌気性バクテリアが上手く住み別けているのだろう。


我が家の無換水水槽

2012年09月26日 | 海水魚・水草

 久しぶりに我が家の海水魚たちの事を書きます。この水槽、昨年駒ヶ根の訓練所に行く前に換水して以来、一回しか水換えをしていません。一年半で一回のみです。でもご覧の通り苔も生えず魚達は元気いっぱいで常に腹をすかしている状態で、カミサンがそばを通るたびにえさくれダンスをしてねだります。(何故か僕にはしない....)

 まさかこんな長期間換水無しでいけるとは思っていなかったので、ブータンに行く前に水槽は空にしようかとも思っていたのですが、家内が餌はやるよ...というので苔だらけになるのを覚悟でそのままで家を出発したのですが結果はご覧の通りです。

 この水槽はエーハイム2260という、でかい密閉式フィルターを回しているだけでオゾナイザー、プロテインスキマー等の機材は使っていません。ただし、10円玉数枚と釘とバイオプラスチックを投げ込んで有ります。

 もう25年くらい飼育をしているのですがこの3点は明らかに効果があります。10円玉は白点病予防に利きます。ただし、10円玉を投げ込んでいる限り無脊椎の飼育は無理でイソギンチャクなどをこの水槽に入れると2-3日で悶絶・死亡します。一時これを避けるために10円玉を取り出し銅吸着剤で処理したことがあるのですが、半年位して白点病が蔓延して水槽が崩壊した事が有ります。それ以来、無脊椎は諦めて10円玉3枚くらいを放り込んでいます。おかげで白点病は全く発生しません。鉄釘は燐酸と反応して不溶性の燐酸鉄になりへ泥として溜まります。これを年一回くらい吸い出してやれば燐酸の蓄積は有りません。また、硝酸態窒素はバイオプラスチックを嫌気状態にすることで嫌気性バクテリアがせっせと窒素ガスに還元してくれ蓄積はありません。

 それと、これは藍藻(シアノバクテリア)対策で重要なことですが、暴気をしすぎて窒素を水中に取り込むと、とたんに藍藻が出てくることが判っています。そういう意味ではプロテインスキマーは藍藻発生の原因になるので取り払いました。

 また今年は猛暑でしたが、温度管理は1000円の安物扇風機を回しっぱなしにして凌ぎました。これは簡単で効果があり、水温が29度を越える事はありませんでした。騒音も全然出しません。

 ということで、完全手抜きですが魚達は元気いっぱいで苔無しの我が家の海水魚水槽です。


海水魚と十円玉と鉄くぎ

2010年10月22日 | 海水魚・水草
海水魚飼育の基本課題は餌のタンパク質から生成される硝酸および燐酸の処理、その前段階のアンモニア処理、病気対策の四つである。アンモニア対策は良く知られている通りバイオ・リアクター(濾過器ともいう)によるアンモニアー>亜硝酸ー>硝酸反応で解決する。海水の場合これが安定稼動するには半年はかかる。しかしこの硝酸が蓄積するとpHが下がるし敏感な魚や無脊椎は飼えない。よってこれを除去する必要がある。従来の硝酸除去はひたすらの水換えであった。しかしここに来て嫌気性細菌による硝酸還元で窒素(N2)にして大気中に放出する方法が実用化されてきた。というとかなり大げさだが実際は穴のあいたタッパーにスポンジを入れ、中央に外部海水と直接触れないよう(嫌気性)にしたところに生分解性バイオ・プラスチックを詰めるだけでOKである。バイオ・プラスチックはバクテリアの餌となり硝酸をせっせとN2還元し硝酸濃度を下げてくれる。
一方、燐酸の処理もある。これも悩みの種だが思わぬ方法でしかも低コストで処理できる。鉄釘だ。こうなると眉唾ものと思われるかも知れないが水溶性の2価鉄が燐酸に反応すると燐酸鉄となる。燐酸鉄は水に不溶性。つまり鉄釘ー>2価鉄溶出(微量)->燐酸反応ー>燐酸鉄が起こる。不溶性の燐酸は濾過槽に蓄積するので半年に一回ほどドレイン除去する。
さて、次なる問題は病気の発生だ。実は私の水槽は長年病気が発生したことが無かった。ところがイソギンチャクだとかサンゴとか貝、えび等々の無脊椎動物を入れると数日で悶絶、死亡してしまう。長年その原因が判らなくて悩んでいたが、ある時ふと配管に真鍮部品を使っていることに気がついた。ははあ、これだなと思い部品をSUSに交換し銅吸着を行ったところ無脊椎の死亡は無くなった。ところが、である。その真鍮部品を取り去ったあとしばらくして白点病の大発生に襲われてしまった。無脊椎動物である白点原虫も銅イオンがなくなったせいで元気になってしまったようだ。いかんせん私の魚たちは長年白点病にかかったことが無く免疫耐性が無いため、ばたばたと死亡し水槽崩壊に至ってしまった。しかし、この経験からほんの微量の銅イオンが白点病予防になることがわかった。以来、水槽を再立ち上げし無脊椎は諦め十円玉を5枚ほど水槽に投げ込んで飼育を続けているが白点病は一切再発していない。以上、私のずぼら水槽は鉄釘と十円玉とバイオ・プラスチックで維持しているわけだ。
下の写真は記事とは全く関係ありません。ただのビーバー赤ちゃんです。

海水魚について

2010年10月12日 | 海水魚・水草
趣味で海水魚を飼っています。キャリアは20年以上、でもあまり、まめでは有りません。タンクは90cmで濾過はEHIME2260(密閉式ドラムカン)照明は70Wメタハラ、サンゴは無いので弱照明。飼育のコツはバイオプラスチック還元による硝酸除去と鉄釘による燐酸除去、これで月一の水換えでOK。