徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

原発問題について

2011年04月30日 | 政治

毎日新聞で毎週土曜に「七転び八起き」という連載がある。書き手は野坂昭如。野坂は蛍の墓の原作者だがその他にも、アメリカひじき、とかエロ事師たち、とかを書いた立派な焼跡闇市派で、誰に媚びるでもなく、誰を恐れるでもなく、自分の二本足でしっかり立っている私の好きな作家だ。

その野坂が今週、原発問題を書いている。彼らしく原発労働者の話題から始まるのだが、後半は原発・エネルギー問題に言及する。(太字参照)

 これから先、日本のエネルギーをどうするべきか、...ぼくらは便利でいいだろう。しかし未来の者たちの血をすすり、骨をかじって生きているともいえる。文明という便利なものを手に入るだけ手にし、一方で死の灰をつくり出し、その後始末はぼくらの子孫に押し付ける。どうにかしてくれるだろうと。こんな傲慢な振る舞いが許されるのか。...せいぜい自分の子供に害が及ばなければいいという程度の狭い考え方で科学技術にからめとられ、いつの間にか哲学的な思考を放棄した。原子力エネルギーを考える上で、とりあえずの安全性を言う前に、ぼくは一人一人の哲学的とらえ方が、まず必要だと思う。

野坂の言うとおりである。事故が起きたのは安全設計が足りなかったせいだとか、津波の想定が低すぎたので見直すべきだとか、原発事故の補償金は原発コストに繰り込むべきだとか、ひどいのになると原発が無ければ快適な生活が出来なくて困るでしょとか、皮相的な議論は色々ある。しかし、いくら安全な原発を造ったところで稼動すれば死の灰が出る。この2万4千年の半減期(プルトニウム)を含む死の灰の処分方法を人類は解決していない。

原発問題を考える時、野坂の言うように、とりあえず安全にといった安直な思考ではなく、長い将来をも含めた深い議論が必要だろう。


宇宙は何でできているのか、を読んで

2011年04月28日 | 物理

村山斉の ”宇宙は何でできているのか” の書評が良いので買って読んだ。導入部は易しいのだが次第に現代素粒子論の核心部分、つまり小林・益川理論や南部の自発的対称性の破れ、ヒッグス粒子、超ひも理論等々となかなか付いていけない内容に踏み込んでいる。数式を使わずにこれらを説明する村山の才能には驚嘆する。本質を理解していないと出来ることではない。

その村山氏があっさりと、解らないと言っているのが、宇宙が何で出来ているかだ。その部分はこう書かれている、

星やガスなど宇宙にある全ての原子をかき集めても、全エネルギーの4.4%程度にしかなりません。...実は「原子以外のもの」が、宇宙の約96%を占めている。それがわかったのは、2003年の事でした。...その一つが「暗黒物質(ダークマター)」と呼ばれるものです。...しかし、原子と暗黒物質を合わせても、まだ27%。宇宙のほんの一部にすぎません。...(残りは)名前だけ一応はついていて「暗黒エネルギー」と呼ばれています。...(これは)きわめて非常識なことに、宇宙という「箱」がいくら大きくなっても、その密度が薄まることがありません。...もっと気持ちの悪い現象...宇宙の膨張スピードが「加速している」という事実です。

ここで、思い出して頂きたいのは私がブログの初めの頃に書いた”宇宙の始まりとエネルギー保存則” と言うページだ。

http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx/e/ff543c39b59afcfcf813d60f44d41a12

宇宙が膨張する場合、それにより重力エネルギーは負の増加を示す。しかし、エネルギー保存則を守る限りその負の値を埋める正のエネルギーが発生しないと辻褄が合わない。暗黒エネルギーとはこれに相当するものでは無いか。村山はこの点には触れていないが結局、宇宙の総エネルギーは重力エネルギーと打ち消しあってほぼゼロ(プランク質量以下)になるのだろう。 宇宙の総体が実はゼロだという認識は、私を究極の”大いなる正午”に導く。


常温核融合について-2

2011年04月27日 | 物理

常温核融合の可能性について気になったのでWEBで色々調べて見た。その結果、2008年に大阪大学の荒田名誉教授が公開実験を行って成功していることが判った。

http://megalodon.jp/2010-1218-0759-07/www.gizmodo.jp/2008/06/post_3741.html

また、荒田教授はこの内容を、2009年の核科学国際会議(ローマ)で発表している。

http://dokuritsutou.heteml.jp/newversion2/image2/kakuyugo/SolidFusion_ronbun.pdf

この内容や他の情報を見るにつけ、常温核融合は科学的事実だと思えてきた。

上記の荒田教授の報告によれば、重水をパラジウム合金に吸収させて反応することによりヘリウムを発生させている。これは通常の化学反応では絶対に起りえない事だ。核反応が起った以外に説明がつかない。

ただ、内容を見てみると

1.反応生成熱量は数Kwのオーダー。

2.最高到達温度は65℃程度で、温度が高いほど反応は抑えられる。

3.反応継続時間は5時間程度(>室温+5℃)

4.パラジウム合金の反応前処理に純化、脱酸素処理で12時間以上かかる。

という事で、今のところ、えらく手間のかかる湯たんぽ位にしか使えない。

熱力学の常識として熱変換効率は温度差が大きいほど向上するが、65℃の温度では発電等に使うには低すぎる。

しかし、しかしである、こんな簡単な装置で核反応が起るとは驚愕の事実だ。

これは追求する意味のある反応である事は間違いない。これこそ、ベンチャーとして取り組み、実用化にこぎつければ人類の夢を実現するビッグ・チャレンジと言える。自然エネルギーに10億円かけるといっている孫正義社長に教えてあげたい位だ。

まんがで解る常温核融合

http://dokuritsutou.heteml.jp/newversion2/image2/kakuyugo/solidfusion-newtitle.pdf


派遣前健康診断

2011年04月26日 | 海外ボランティア

久々のJICAネタです。震災で日本中がひっくり返ってODA予算も20%カットと言われている中、H23年度二次隊の派遣前訓練(7月開始)は予定通り粛々と行われるようだ。

シニアもジュニアもJICA海外ボランティアで何が厳しいかと言うと健康診断である。昨年10月の秋募集で健康診断書を提出し、12月の二次審査で再提出し、またまた4月訓練前に提出するという念の入れようだ。

http://www.jica.go.jp/volunteer/qualifier/traininginfo/pdf/medical_examination_jv23-2.pdf

お上の指示には逆らえない。とっとと先日、健康診断を受け、その結果が昨日返ってきて特に変わり無しでした、終わり。

...これではブログとしては面白くないが、それしか書きようがない。敢えて書くなら、前の健診でBMI=25.1で太りすぎと指摘されていたが、今回は身長が2mm伸び、体重が100g減ったおかげでBMI=25.0になった。LDLコレステロールが144から136に減少したが中性脂肪が130から156へ増加、これはスパゲティ・ボンゴレロッソのオリーブ・オイル過剰摂取によるものと見ている。 あとは白髪が増え、頭頂部の髪の毛が薄くなったくらいで至って健康である。しかし、地震と同じで、頭の中でプッツンくるのは予測できないが...

そういえばキャンディーズのスーちゃんが乳がんで亡くなった、ご冥福をお祈りします。キャンディーズとかピンクレディーとか山口百恵とか南沙織とかが我々の青春の一部だった。(私は沙織ちゃんのファンで、未だに篠山紀信と聞くとムカつく。) その中の一人が亡くなったわけだ。

乳がんは女性ホルモンとの因果関係が強く、その女性があびた累積ホルモン量と発生率に強い相関があるらしい。つまり、早い初潮と妊娠期間が短い、無い状態で加齢した場合にリスクが高まる。逆に言うと、これをコントロールすればリスクは抑えることが出来るとも言える。

ということで、診断書をJICAに提出した。


枝野氏について、もとい小田島隆について

2011年04月25日 | 生活

小田島隆のコラムを読んでいてオヤッと思った。 こんな文章だ、

東京ディズニーランドの再開を伝えるニュースは、なんだか奇妙だった。...ニュースワイド番組は、一組の若夫婦にスポットを当てることで、ディズニーランド再開の一日をレポートしていた。...「ミッキーぃー! 会いたかったぁあー」と叫ぶ彼女の横顔をアップでおさえた後、カメラは引きの画面で、ミッキーとミニーが力いっぱいに手を振る様子を紹介する。涙ぐむ妻。歓声をあげる子供たち。感動的な絵柄だ。 が、私は、シラけていた。...でも、やっぱり、ダメなものはダメだ。私はついていけなかった。思うに、これは一時的な気分の問題ではない。ああいう規模の災害に遭遇すると、ものの見方の根本のところが変わってしまう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110421/219538/?P=1

この指摘は当たっている。私自身もあの津波の衝撃的な映像と、それが引いた後の瓦礫の山を見た後に、なにか自分の中で変容した部分がある事に気づく。それを小田島はズバリと指摘している。軽妙なコラム書きだが、とても面白い。

余談だが、小田島の別の文章でこんなのがあって、久しぶりに笑ってしまった。

私が注目しているのは枝野官房長官の話しぶりだ。彼はよくやっていると思う。枝野さんが最初に登場した12日午後6時過ぎの会見を見て、私はこんなメモを取っている。...枝野君は、「大丈夫だ。でも避難しろ」と言っている。・「心配ないけど気をつけてくれ」という意味のことを言わされている。なんと気の毒な。

・官房長官は「詳細は説明できないけど頑張っている」「っていうか、詳細が把握できていないわけだが大丈夫なのはわかっている」「わかっているけど万が一ってこともあるから避難しろ」と言っている。

すごい。

 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110324/219122/?P=2&ST=spc_henkaku


 寝てくれ枝野の図 (見る夢は、おざわか...)

 

 


良い政治家とは

2011年04月25日 | 政治

朝刊では衆院補選で自民が大勝らしい。その結果として「菅おろし」うねり拡大との解釈がついている。興味深いのは、そのすぐ下に「自民 復興予算で攻勢」とある。

行政府、というのは国民からかき集めた税金(と国債)を使う組織だ。補正予算を含め100兆円を超えるお金を政府は毎年使うのだ。ここに利権が発生するのは当然だろう。最近は露骨に政治家が自分の利益誘導を計っているとは思わない。しかし、彼等には彼等を担いだ支持者がいる。支持者の思惑は候補者を通しての自己への公共投資発注等の利益誘導、これが主な動機と考えられる。支持者は当選した政治家に対して、明に暗に利益誘導を要求する。政治家はそれに応えざるを得ない。

菅降ろしは傍目に見苦しい。しかし、やっている連中にしてみれば必死だろう。なぜなら、税金使用の執行機関である政府の長の座が手に入れば、支持者の求める利益配分が出来るからだ。今回の復興予算は10兆を軽く超えるだろうが、それをどのように東北地方にばら撒くか...これは政治家とその支持者にはたまらない魅力があるだろう。

従来の古い自民党の体制の下で公共事業は政治の柱であった。しかし、その為に1000兆円もの国債借金を積み上げ、そのやり方はとうとう行き詰ってしまった。その上、少子高齢化のおかげで国家予算の半分が年金、健康保険等の社会福祉に回さざるを得なくなれば政治家の立ち回る場所は限られてくる。これが自民党から民主党へ政権が移ったマクロな要因だと思う。

しかし、夢よもう一度と考える政治家と、その支持者は死んだわけではない。

勝手にするが良かろう、政治とはそういうものだ。私は自分の事は自分で考える。ただ、私から税金をむしりとって訳のわからない事に使うのだけは御免こうむる。震災復興にお金がかかる。Yesそうだろう。少子高齢化で予算が必要、Yes同意する。しかし、それを執行する政治家が信用出来ない。

私の結論は小さな政府だ。ポピュリズムと揶揄されようが私は反減税、少なくとも増税を言う政治家に一票を投じるつもりは無い。政治が信頼を取り戻さない限り、私は政府そのものを否定する。


10年住めないのか...

2011年04月23日 | 政治

今朝の毎日新聞の一面余禄はこう始まっている、

その日は初夏の陽光に輝く素晴らしい土曜日だった。週末はメーデー休暇へと続き、人々はうきうきと水泳、日光浴、ピクニック、ボート遊びを楽しみ、野外結婚式も行われた。1986年4月26日、旧ソ連のプリピャチ市のことである 市近くの原発が爆発したのはその日未明だ。...ある夫婦の会話だ。「何日くらいかしら?」「おそらく永久だ」「でもメーデーのパレードはどうなるの?」「メーデーなんて中止だ」 そのチェルノブイリ原発事故から25年、プリピャチは今も廃虚のままだ。

この”永久”に戻れない事があることを、原発事故では起り得ると我々は認識している。その同じ紙面で岩見隆夫(近聞達見)は菅首相が先週、言った言わない、で吊るし上げを食った”10年住めないのか、20年住めないのかということになってくると...”という件を持ち出し”菅には心が無い”と批判を繰り返している。福島原発近隣(3-5km)地帯は現実として今後10-20年間は人が住めない可能性は高い。それを自分のスタッフと相談した事が、それほど非難されるべき事であろうか? 事実がそうである以上、これは意味の無い批判だと私は思う。あくまで、菅を降ろしたいようだ。こんな事をいつまでも鬼の首を取ったように言及するマスコミにはうんざりする。私は先日も書いたように、今はそんな事をやっている事態では無いと思う。

もう少し言うと、岩見は文中 ”それなら、菅は懇切に説明すればよいのではなかろうか。”と括っている。これは、言うは易し、行うは難しである。そんな事がやすやすと出来る政治家が世界に何人いるか?菅さんにそんな説得力があると、本気で思っているのであろうか?また、それを受ける国民もそれほど成熟しているとも思えない。菅の発言能力でうっかりそんな事をすれば、マスコミはここぞとばかりに寄ってたかって袋叩きにするだろう。それも、これもリーダーを引き摺り下ろしたい事が有りき、だからでは無いか。繰り返すが、今はオンボロ神輿でも、皆で担ぐほか無い状況だと言う事は、岩見のような大人なら解るはずだが...


常温核融合について

2011年04月22日 | 物理

熱核融合炉のついでに常温核融合の話題にも触れてみたい。フライシュマン・ポンズの常温核融合実験が華々しくニュースになったのは1989年の春の事である。その後、再現性の悪さからこの研究は似非科学扱いされ、研究者は学会や論文発表に際してひどい差別的な扱いをされて来た。しかし、パラジウムなどの固体水素吸収体に重水素を吸収させた状態で、電界を加える事により何らかの核反応が起ることは、事実で有るらしい。例えば長年この研究に携わってきた北大の水野博士による下記のような記述がある(太字参照);

http://www.lenr-canr.org/acrobat/MizunoTjyouonkaku.pdf

 従来の常温核融合研究において、最大の難点は再現性の悪さであり、そのために病的科学とよばれた。しかし、多くの研究者の地道な努力でその再現性は着実に向上してきた。最も再現性が高いのは三菱重工業が研究している方法である。パラジウム膜間に酸化カルシウムをはさんだ素子を用いて、100%の再現性で核変換反応を起こすことが出来る。....重水素ガスを透過すると、表面の元素は、ほかの元素に変換する。同時に X 線がバースト的に発生する。この場合、電極表面の反応元素が、より重い元素に変化する。質量は 8 増加し、原子番号は 4 大きくなる。反応後の元素の同位体分布は、初めの元素と同じ形をしている。この反応は再現性が 100%である。すでに JJAP 誌に論文として発表された。 

...この方法は単にエネルギーを得るばかりではなく、反応系内に存在する不安定重元素を核的に分解し、安定元素に変える可能性があることがわかった。これは応用面で大変重要であり、現在その処理に困っている、放射性廃棄物を根本的になくせる可能性がある。

上記の現象は核変換であるが、別の実験では余剰発熱も観測されている。ただ残念ながら安定的にそれを再現するには程遠い状態で、研究者自身も現象を掴みきれていないのが現状のようだ。このメカニズムを説明する理論は下記のような検討が進められている。

 固体内での核融合反応の理論的解析は、高橋の多体核融合反応理論、Frisone の微少亀裂近辺での核融合率変化の計算があげられ、測定結果との一致が良い。高橋は固体内での重水素クラスター核反応についての総合的な説明を行った。多体核融合反応は金属格子内にて反応率が上がることを、すでに理論的かつ実験的に証明してきた。ここでは、特に多くの反応生成物間の関係を詳細に解説した。Frisone はQED 理論によって重陽子による低温核融合について、微少亀裂内の格子変形が融合過程に与える効果を分析した。通常の融合確率と比較し、微少亀裂はD2 が不純物を含んだ金属内では融合確率が上昇するということである。最終的に、過剰に添加されたD2 の影響を分析している。

しかし考えて見れば、例えば地震という現象は正確には予測できないし再現性も無い。しかし、明らかに現象としては存在する。常温核融合現象というのはこれに近いのでは無かろうか。固体内部の歪や局所破壊、表面状態といった極めて定量化しずらい条件の下で核反応が起るようである。これに関連しては下記のような記述がある、

たとえば突起の部分では電子が集中しやすく、反応が起こりやすいと考えられる。...水素発生で考えると、そのような部分で放電は起こりやすいが、再結合は遅れる。すると当然、全過電圧に占める割合は変わってくる。全過電圧が今の0.2A/cm2の電流密度で1.2V とする。このうち通常表面ならば、放電と再結合による過電圧はそれぞれ1.5V と0.15V であるが、放電が起こりやすいためにそれが、0.7V と0.5V となったと仮定すると、計算で得られる水素圧力は1017気圧に達することになる。これは太陽中心の圧力1011気圧をはるかに越えるものとなる。このようにわずかに放電と再結合の過電圧の割合が変わるだけで、その圧力は大きく変化する計算になる。もし、さらに再結合の過電圧が0.7V と逆転すると1023気圧に達し、優に中性子星の中心圧力にもなる。...このように実際に中性子が入り込むことが本当に出来れば、後は核の安定性や、中性子エネルギーによって反応の進行は決まってしまう。

もちろん常温の試験管の中で核融合が起こせてエネルギーを取り出す事が出来れば、まさに画期的な事だ。しかし、例えそれがすぐには実用的な意味を持たない事で有ったとしても、何か我々の知らない新しい科学の展開を開く端緒となる現象なのかもしれない。ただ、あまり日の目を見ない分野なので研究者の退官等もあり研究継続が困難になりつつあるらしい。極めて特異な現象であるだけに、政府において何とか継続的な発展を続けられるような手当てを考えてもらいたいものである。

追記; 

常温核融合でサーチしていると下記のようなホットなニュースを見つけた、事によると事かもしれませんよ...

http://amateur-lenr.blogspot.com/2011/01/focardirossi2.html

2011年1月18日火曜日

Focardi氏とRossi氏の常温核融合公開実験(2)

Focardi氏とRossi氏の常温核融合公開実験」で紹介した実験ですが、実験の要である熱量測定結果についてJed氏による簡潔明瞭なレポートが http://www.lenr-canr.org/News.htm に掲載されました。
Jed氏のレポートによると、1時間にわたる今回の実験で、稼働が安定した後半30分に出た熱量は約12kW。この時、装置を温めるヒータへの入力電力は400Wだったので、実に入力の30倍の熱量が発生した事になります。これは、核反応発生を示す非常に強力な証拠と言えるでしょう。

菅政権について

2011年04月21日 | 政治

政治動向・政局がまたざわざわと動き始めた、菅降ろしである。 私はこのような国難の時にそのような行動を取る政治家と、それを野次馬のように見て喜んでいる国民が全く情けない。

いったい菅を引き摺り下ろして誰を後釜に据えれば気が済むと言うのだ。少なくとも原発政策を推し進めてきた自民党はその任には当たらない。今後、原発問題は徹底的に追求する必要があるが、自民党の座るべき場所は被告人席である。それでは、民主党内部にポスト菅がいるか?小沢は駄目、となると後はどんぐりの背比べで誰がやっても就任後3ヶ月もすれば今の菅と同じような状況になるだろう。

今の状況を国難と認識するなら、全ての政治家と国民はリーダーを引き摺り下ろすなどという無意味な行動を取るのではなく、リーダーを支えて問題を解決に向かわせるよう努力すべきである。オンボロ神輿であっても皆で担ぐ必要がある。 以上、下記新聞記事を読んで考えた事。

 

発信箱:オンボロ神輿の矜持=倉重篤郎(論説室)

http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/

以下、抜粋

 中曽根康弘政権が誕生する直前、...今から29年前のことである。「あんなオンボロ神輿(みこし)を担げるか」と難色を示したのが金丸信氏。...「ボロ神輿なら修繕して担げばいい」と反論したのは後藤田正晴氏だった。結局担ぎ続けること5年。この間中曽根首相は...行財政改革や国鉄民営化をやり遂げた。

 さて、早くも退陣論が出始めた菅直人首相のオンボロぶりは、いかばかりか。... ただ、これらの批判が今ひとつ説得力を持たないのは、神輿替えの大義と手段を欠くからだ。危機管理の未体験の領域に対し自分ならこうする、こうできた、という反省と実績に裏付けられた重い批判がない。特に、原発制御・エネルギー政策については、大半が自民党政権下で推進されたものであり、そのことの総括なくして根源的な批判になりえようか。...

 ボロでも神輿だ。なぜ、修繕して使おうという発想にならないのか。...

 


平成23年度 春募集開始

2011年04月20日 | 海外ボランティア

春募集の再開です、震災援助のお礼は協力隊で!

 

平成23年度JICAボランティア春募集の開始について

独立行政法人国際協力機構

青年海外協力隊事務局

このたびの東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧、復興を心よりお祈りいたします。

震災の影響で延期しておりました平成23年度JICAボランティア春募集については、5月2日(月)~6月13日(月)の期間で、応募受付を行うことに致しました。応募をご検討いただいていた皆様には、ご連絡が大変遅れましたことをお詫び申し上げます。

http://newstopics.jica.go.jp/topics/doc/2011/0317.pdf


核融合について

2011年04月20日 | 物理

福島原発事故により原子力発電の脆弱性が露呈し、今後エネルギー政策の大幅な見直しを余儀なくされるだろう。その一方で経済的発展を遂げる発展途上国、特に中国、インドにおけるエネルギー需要は飛躍的に増大し近い将来、石油の枯渇が現実のものとなる可能性は高い。(ちなみに、私自身は温暖化対策を目的としたCO2削減は根拠が薄いと考えています。)核融合炉の実用化、はそれに対する一つの解を与えてくれる。

核融合のメリットは、

1.燃料となる重水は海水中に無尽蔵に存在する。

2.原子炉の連鎖核分裂反応と違い、限定条件下でのみ反応が継続する暴走の無い安全な反応である。

3.一義的な反応生成物はヘリウムだけであり、クリーンで放射能の危険性が少ない。

等々、良い事ずくめである。

とは言うものの、最初のプラズマ閉じ込めが1951年に公表されて以来60年経過しているが未だ実用化には至っていない。しかし、近年、高温超伝導材料の飛躍的進歩により実用化の可能性が高まっている。下図はプラズマ密度・保持時間と温度で決まる臨界条件を示すローソン図と言われるものだが1996年の段階で臨界プラズマ条件は達成されており、今建設中のITERでは自己点火および入力と出力の比であるエネルギー倍増率Q=10を目指している。

実用化には多くの技術課題がある。高温プラズマと接するダイバータの設計、高速中性子に晒されるブランケット素材開発、プラズマを効率よく安定化させるための超伝導コイルの開発等々、人類の知恵が試されている。(下記参照)

http://oasis.muroran-it.ac.jp/FEEMA/pict/event/091127muroran/seki01.pdf

日本も主要国として参加する国際熱核融合実験炉:ITERは現在フランスのカダラッシュに建設中で2015年に稼動を開始する予定になっている。各国の高速増殖炉開発が頓挫している現在、この核融合技術こそ人類のエネルギー問題を解決してくれるものと信じたい。2030年の実証炉稼動を見るまでは死ねないな。


関西電力への質問

2011年04月20日 | 福島原発

朝刊に関西電力が1ページぶち抜きで ”東日本大震災にかかる関西電力の対応についてご報告いたします。” という掲示広告を出している。 近隣住民として、これを読んでいて気になる点があり下記の質問を関電に提出した。 しっかりとした回答を期待したい。

 

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関西電力殿 御中

美浜原発は三方断層帯を始め活断層の集中地帯に立地しており、今回の福島原発事故を受け美浜原発における直下型地震の影響を危惧しています。

特に気になる点は使用済み核燃料保管プールの冷却水漏出の可能性です。ビルの上部階に設置されたプールは、直下型地震があれば亀裂等の破損の可能性は高いと思います。

質問ですが、燃料保管プールは安全性に考慮して設計しているとは思いますが万が一、亀裂等で保管プールの水が流出する事態が起った場合の御社の対応策を教えてください。(そのような事態は起らない、という御回答は期待しておりませんので悪しからず。)

なお、ご回答につきましては下記当方のブログにて公開する可能性がありますので、御了解願います。

http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx

以上、よろしくお願いします。

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関西電力殿からの回答

早速、関電広報の方から電話で上記質問に対する丁寧な回答があったので、先ずはお礼を申し上げたい。

回答の主旨は以下の通り;

1.関電原発はPWR(加圧水型)原子炉であり福島BWR(沸騰水型)とは保管プールのレイアウトが違う。

2.PWRでは使用済み核燃料は底面から抜き、水中を通って別棟の保管プールへ移送する。

3.保管プールはステンレスでライニング(内張り)されており簡単には水は抜けない構造となっている。

4.耐震基準は750ガルとしている。

関電の原発は全てPWRであり東電の福島BWRより安全性は向上していると思われる。しかし耐震基準が750ガルというのは如何なものだろうか?

阪神淡路で818ガル、中越地震で2115ガル、2006年6月の岩手沖地震で4022ガルという記録があり、これらと同等の地震が来れば耐震基準を超えビル損壊の可能性があるのではなかろうか? ちょっと強めの地震で想定外となるのは、今回の福島原発の津波と同じことで甘いと言わざるを得ない。

関電殿に考えていただきたいのは、事故が起れば周辺住民のみならず日本国自身と企業としての関西電力の存亡に関わる事が今回の福島で身にしみて解ったので、今までの原発安全神話からの発想ではなく、”事故が起きた時、どう対処するか” という発想の転換を是非お願いしたいものです。 また、耐震750ガルは保管プールに限定したとしても、早急に見直をお願いします。

 


福島原発 工程表について

2011年04月18日 | 福島原発

昨日、東電から事故収拾に向けた工程表が発表された。毎日新聞は”具体性なし”などと早速貶しているが、私は工程表が出たことは一歩前進だと思う。この表を出すまでに、かなりのエンジニアリング・ワークが有った事だろう。

この主な内容だが、基本的には水棺処理と言う事になっている。ただ、以前からの疑問であるが今現在、炉心に注入している冷却水がどのような経路で外部に流出しているのか東電は把握しているのだろうか?水棺処理の前提は、この流出経路を塞ぐことが前提なので気になる。この流出は1,2,3号機共通の問題なので2号機の破損箇所とは直接リンクしないと思われる。ともかく、水棺が可能ならば汚染水をこれ以上増やさないために、さっさとやって欲しいものだ。

また、個人的に非常にリスクが残っていると思うのは4号炉の核燃料保存プールである。今は水を貯めているので問題は無いが、余震で亀裂等が入って水が抜けるような事にでもなると大変な事態になる。この補強工事は優先度が最も高い。

また、今後のリスクとしてアウターライズ地震による津波が指摘されている。福島第一に再度津波が襲った場合、非常用電源はすでに高台に移しているので耐えられると思うが、6万トンの高濃度汚染水の流出の可能性が残っている。汚染水の保管処理施設等への移送も急がれる。

話は飛ぶが、マーフィーの法則と言うのがあって、これがなかなか面白い。その一つに ”起ってもらいたく無いトラブルは、必ず起る” というのがある。 今起ってもらいたく無いトラブルは東南海地震による浜岡原発爆発である。これがあれば首都圏全滅で、日本は滅びますよ。