徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

イタリア旅行 美術館

2011年05月25日 | 旅行

今回の旅行で訪れた美術館は、バチカンのローマ美術館とフレンツェのウフィツィ美術館だ。ローマ美術館はとにかく人が多い。開館は9時からだが、朝の8時ごろから行列が出来始め9時にはすでに長蛇の列になっている。我々は事前に入館予約を入れておいたので、列には並ばなくて済んだが、並んだら2時間待ちでは済まないだろう。しかし、この予約も曲者で奇妙なシステムになっている。インターネットで予約できるのだが、そのプリントアウトを持って集合場所(美術館入り口の前の道路を横切った先にある階段)に行きツアーリーダーを待つ。注意書きに15分前までに集合場所に来ないとキャンセルするぞ、と書いているので時間通りちゃんと行くとアメリカ人やらイギリス人やら日本人やらドイツ人が同じ紙を持ってうろうろしている。みんなツアーリーダーを待っているのだが、ご当人が15分前になっても現れないのだ。5分前になってやっと到着(こっそり)して、受付を開始し、なんとか入館できた。遅れて来た割りに、態度が横柄なイタリア女だった。入館後切符を手配して分かれるのだが私の分とドイツ人夫婦の分の切符が3枚足りない。(このときは横柄なイタリア女から若いイタリア男に引き継いでいた)イタリア男は自腹で切符を買って我々に渡してくれた。ドイツ人に”あいつ自腹だね”と言ったら、当然だ、という返事が返ってきた。

入館した内部も人でごった返していて(朝の10時ですよ)、落ち着いて鑑賞するような雰囲気ではない。おまけに展示物の趣味が悪い。バチカンの権威に飽かして集めた、宗教臭い美術品ばかりでコテコテ、ベッタリ、キンキラばかりで、こけおどしの好きになれないものばかりであった。有名なシスティーナ礼拝堂の最後の審判(ミケランジェロ)も、ご当人は皮でぶら下がっているし、キリストはムキムキだし、まさにダ・ビンチの最後の晩餐の対極にあるような絵だ。ルネッサンスの時代からバチカンと反バチカン勢力の対立があり美術にも影響を及ぼしていたのだろう。

これに対し、フレンツェのウフィツィ美術館は素晴らしかった。人はそこそこ多いことは多いが、身動きが取れないほどではない。ここではダ・ビンチの受胎告知やビーナス誕生、春(プリマベーラ)、ウルビーノ公夫妻肖像画、ウルビーノのヴィーナスなど素晴らしい絵画がキラ星の如く展示されている。

受胎告知は数年前、上野の美術館で展示されたのを見に行ったことがあるが、数時間待ちのうえ画の前を身動きできないまま押されて通り過ぎた記憶があるが、ここでは部屋の片隅に掲げられ、30cmの距離からトックリと拝むことが出来た。

バチカンは宗教で中世人を縛り上げたが、ルネッサンスのフレンツェ人はそれを跳ね返し人間性を取り戻した。それをはっきり感じさせる二つの美術館であった。



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4 コメント

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おかえりなさい (ohtama)
2011-05-26 09:34:36
私も子育てを終了したら、ヨーロッパ旅行をしたいな…と思いながら、楽しく読ませていただきました。
新婚旅行はスペインに行きましたが、イタリアには是非行ってみたいです。
ブータンも楽しみですね。
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Unknown (まさ)
2011-05-26 10:27:09
ohtamaさん

コメントありがとうございます。イタリアは実は家内の趣味なのですが、行って本当に良かったと思います。でも、ローマやベネチアは歩き回る体力があるうちに行ったほうが良いですね。
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Unknown (TAXI)
2011-05-26 21:16:47
イタリアには仕事で行ってますが観光したことはありません、、羨ましいですな。 十分リラックスされたようで、これから頑張って下さい。 その間に私は転勤完了です、今後は西インドから訪問します。
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Unknown (まさ)
2011-05-26 21:56:52
TAXIさん

そういえば当地ではピザを見るのも嫌だったとか、フンボルトペンギンさんが言ってましたね。

新任地への転勤ご苦労様です。日本と言えば品質管理、と言うことで期待されているようですね。がんばってください。陰ながら応援しています。
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