徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

福島原発 IAEAレポートより 3/31

2011年03月31日 | 福島原発

昨夜、2チャンネルは下記の記事で盛り上がっていた。しかし、これは今後、再臨界が起る可能性を指摘しているものであって既に起った、と言うものではない。確かに可能性はまだあるかもしれないが、その確率は非常に小さいだろう。

3月30日(ブルームバーグ):国際原子力機関(IAEA)は30日のウィーンでの記者会見で、東京電力福島第1原子力発電について、「再臨界」の可能性もあるとみて、分析作業を進めていることを明らかにした。IAEA原子力安全局担当のデニス・フローリー事務次長は30日、「最終判断ではない」と発言。「局所的に起こる可能性があり、放出が増える可能性もある」と述べた。

 

再臨界といえば東海JCO事故ではバケツの中のウランが臨界になり、作業員2名が中性子被爆で亡くなっている。臨界状態になったウランは中性子を出し続け、そばに近づけなくなったが国からの圧力を受け、結局JCO社員の決死隊が被爆覚悟で突入しバケツを冷やすウォーター・ジャケットの水を抜くことで反応を止めることが出来た。

連鎖反応が臨界に達するには水が重要な役割をはたす。ウランが分裂するときに出る中性子は光速の5%の速度を持ち高速中性子と呼ばれる。光速の5%(1.4万km/sec)にもなると相対論的効果(ローレンツ変換)が現れ、動いている中性子から見た他の止まっているウラン原子が縮小し吸収断面積が減少する。こうなると連鎖反応が続かない。そこで中性子と干渉を起こす水を入れることで中性子は減速し、相対論効果は薄れ相対的に大きくなったウラン原子と衝突し連鎖反応が継続する。つまり、空焚きになったら連鎖反応は継続しないのである。軽水炉はこの理由で比較的安全と言われている。

IAEAの今朝の報告によると炉心温度は、1号炉ノズル281℃、炉底134℃、2号炉ノズル177℃、炉底88℃、3号炉ノズル75℃、炉底116℃ と、問題無しです。

福島原発 IAEAレポートより 3/30

2011年03月30日 | 福島原発

今朝のレポートではやはり滞留汚染水を問題視しているが、報道されている以上の情報は無い。炉心への真水注入は本来の注入ライン経由、電動ポンプ駆動で安定的に行われている。炉心温度に関しては下記内容のようにやや奇妙な点がある。1号炉の注入ノズル点では299℃なのに圧力容器底では135℃、3号炉ではノズルが61.5℃で圧力容器底で120.9℃となっている。特に大きな問題では無いが原因は調査中との事。

下の添付図は汚染海水の1週間後と2週間後の拡散を予測したものです。かなり沿岸沿いに広がり、仙台・石巻湾あたりに滞留する様子が示されている。現時点での海水汚染は大したことは無いが2号炉の1Sv超の汚染水が海水に流れ込めばかなり深刻な汚染を引き起こし、農作物に引き続き海産物の放射能汚染が現実のものになってくる。汚染水処理を急ぐ必要がある。

IAEA Briefing on Fukushima Nuclear Accident (29 March 2011, 16:30 UTC)

At Unit 1, there has been an increase in temperature at the feed-water nozzle of the RPV from 273.8 °C to 299 °C. The temperature at the bottom of the RPV remained stable at 135 °C. Temperatures at Unit 2appear relatively stable at the same measurement points. At Unit 3, the temperature at the feed-water nozzle of the RPV is about 61.5 °C and 120.9 °C at the bottom of the RPV. The validity of the RPV temperature measurement at the feed water nozzle is still under investigation.

 


福島原発 IAEAレポートより 3/29

2011年03月29日 | 福島原発

プルトニウムが原発敷地内土壌から検出されたと東電から発表がありました。0.54Bq/Kgとの事ですが、2号機汚染水などは1Sv/hrもの強い線量なので、この中には桁違いのプルトニウムが存在すると思います。東電は追々、大きな数値を発表してくるでしょう。

核燃料に含まれるプルトニウムが環境中に漏れ出してくることは、燃料棒融解 -> 排気ベント、格納容器破損の時点で想定されていました。問題はどの程度の量が、どれくらいの範囲に拡散するかです。原発建屋、敷地は相当汚染されていると思います。あと、煙突(120m)から放出されたベント水蒸気にまじって周辺に拡散している可能性と海洋汚染が考えられます。

ただ、しつこく言いますが、今回の事故ではチェルノブイリのように炉心爆発、火災を起こしたわけではなく水蒸気ベントと汚染水の漏洩が起っているだけです。平和な時の日本であればこれは大騒ぎしてもおかしくは無いですが、今回のような危機的な状況の中でこの程度で収まった事は”不幸中の幸い”だと思います。

また、トレンチに溜まっている汚染水の件ですが、炉心冷却や保管プールにジャカジャカ注水していた最中に、この水はいったい何処に行くのだろうかと思っていました。東電はこれを判っていたと思いますが、そろそろそれが溢れそうになってきて、次は海洋放出の段階が近づいてきたので敢えて発表したのではないかと推測しています。汚染水はトレンチの淵に近づいているので、この汚染水の海洋放出の可能性は高いと思います。蒸気ベントの大気放出の次は汚染水の海洋放出です。あのあたりは、私の好きな戻り鰹の回遊ルートに近いので、いい加減にしてくれと言いたいところです。

   

IAEAの今朝の発表は特に目新しい情報はありませんが、天野局長が福島原発事故の教訓を生かして原子炉安全指針を見直す委員会を立ち上げ、今夏までに方針を出すとのステートを発表しています。

上の二つのグラフはIAEAが今朝発表したヨウ素131放射能モニターの結果で、左が周辺主要都市の気中モニター、右が水道水中の量をプロットしたものです。両方とも順調に減少しており、事故以前のレベルに戻りつつあります。


福島原発 IAEAレポートより 3/28

2011年03月28日 | 福島原発

引き続き1-3号炉の圧力容器の温度は、徐々に下がりつつあり安定しています。現時点での最重要課題は海水ポンプ復旧による復水器(Condenser)の稼動です。このレポートでは1,2号炉に関して ”in progress" となっています。 復水器が稼動すれば、排気ベントの必要は無くなり、汚染は圧力容器内に封じ込めます。(圧力容器は全号機健全)

IAEA Briefing on Fukushima Nuclear Accident (27 March 2011, 13:30 UTC

At Unit 1, the temperature measured at the bottom of the RPV fell slightly to 142 °C. At Unit 2, the temperature at the bottom of the RPV fell to 97 °C from 100 °C reported in the Update provided yesterday. Pumping of water from the turbine hall basement to the condenser is in progress with a view to allowing power restoration activities to continue.

At Unit 3, plans are being made to pump water from the turbine building to the main condenser but the method has not yet been decided. This should reduce the radiation levels in the turbine building and reduce the risk of contamination of workers in the turbine building restoring equipment.

No notable change has been reported in the condition of Unit 4.

Water is still being added to the spent fuel pools of Units 1 to 4 and efforts continue to restore normal cooling functions.


福島原発 IAEAレポートより

2011年03月27日 | 福島原発

下記、IAEAのレポートでは1号炉温度144℃、2号炉温度100度℃、3号炉温度102℃と報告されています。 100℃以下が冷温停止の条件ですので、もう一息ですね。また海水から真水への転換も順調のようです。

IAEA Briefing on Fukushima Nuclear Accident (26 March 2011, 14:30 UTC)

At Unit 1, the main change is the injection of freshwater to the Reactor Pressure Vessel (RPV). The temperature measured at the bottom of the RPV is stable at 144 °C. Pressure in the RPV, containment vessel and suppression pool have come back down after having increased from 22 to 24 March. At Unit 2, the injection of freshwater to the RPV commenced at 01:00 on 26 March.The RPV temperature is stable at 100 °C at the bottom of the RPV. The pressure measured in the RPV and in the containment pressure vessel is stable at circa one atmosphere.

Freshwater is also being injected in the RPV of Unit 3. Temperature measurement at the feed-water nozzle of Unit 3's RPV is still judged to be unreliable, but at the bottom of the RPV it is stable at 102 °C. White "smoke" continues to be emitted as of 23:00 UTC on 25 March from Unit 3, as it does from Unit 4Unit 3 shows a consistently low containment drywell pressure of circa 1 atmosphere.


若者へ、時代は巡る

2011年03月27日 | 生活

◇「復興」の10年を若者の希望に--精神科医・斎藤環

 東日本大震災から、早くも2週間が過ぎた。

 私の故郷である岩手県も大きな被害を受けた。幼い頃から何度も通った宮古の海岸、陸前高田の砂浜、潮干狩りをした宮城県の気仙沼などに刻まれた津波の爪痕を見るにつけ、胸がつぶれる思いがする。亡くなられた方々のご冥福と、被災された方々が一日も早く日常を取り戻されることを祈りたい。

 大きな災害は、人々の意識にも少なからぬ影響をもたらす。16年前の阪神淡路大震災がそうだった。あの震災の後、私たちは「トラウマ」や「こころのケア」といった言葉に敏感になり、被災して傷ついた心に配慮する作法も定着した。

 いま気がかりなのは、若い世代に今回の震災がどのように受けとめられていくのか、という点である。震災によるダメージは、おそらく就活にも影をおとす。不景気に追い打ちをかけるような災厄の連続に、今この国に生まれた不幸を呪いたくなる若者がいても不思議ではない。

 しかし、と私は考える。最大のピンチの中にすら、チャンスの芽ははらまれているはずだ。もし震災を、社会的な「リセット」と認識できれば、格差社会の苛烈さにおびえて身動きできない若者たちには、動き出す好機たり得るかもしれない。

 思えばバブル崩壊以降、若い世代にとっては、まっとうな希望を持つことがむずかしい時代がながく続いていた。ここしばらく、中高生の意識調査では「これから社会が良くなるとは思えない」「努力は報われるとは限らない」といった、悲観的な回答が大半を占めるのが常だった。いつ晴れるとも知れないニヒリズムの雲が、若者たちの頭上を、薄く広く覆い続けていた。

 震災・津波・原発事故という未曽有の災害によって、日本の産業や経済が受けたダメージははかりしれない。被害総額は20兆円以上とする試算もあり、立ち直りには長い期間を要するだろう。そう、これから私たちはかつてない「どん底」を経験する覚悟を固めた方がよい。

 しかし、私は期待している。この「どん底」の経験が、若い世代にとっては希望でありうることを。

 私たちバブル世代には、無根拠な楽観主義が骨がらみに染みついている。幼児期には高度成長期を、思春期から青年期にかけてはバブル景気を経験したものとして、私たちはいまなお根拠なしに「そのうちなんとかなるだろう」と信じている。

 この種の感性は、思春期においてどういう社会状況を経験したかにかかわっている。その意味で今30代以下の世代の不幸は、思春期において社会の成長発展を実感できなかった点にあるだろう。就職氷河期、全世界同時不況、格差社会のなかで弱者化する若者……。これでは希望を持てというほうがむちゃというものだ。

 そうした意味からも、「どん底」は好機なのだ。

 私はこの状況がずっと続くとも、どんどん悪くなるとも考えていない。政府に初動の不手際はあったにしても、インフラの復旧は、かなり順調に進んでいる。不安の種だった物不足にしても、流通は徐々に健全化しつつある。気がかりな福島の原発事故は、最悪の事態は免れるであろうと楽観できる雰囲気になりつつある。

 そう、これほどの災厄にもかかわらず、日本社会には、それをはね返すだけの基礎体力があるのだ。

 ならば、これからの10年間は、間違いなく復興のディケイドとなるだろう。一度「どん底」を経験した社会が、じわじわと立ち直っていく姿を、私たちは目の当たりにすることになるのだ。ほかならぬ復興の当事者の一人として。

 津波や被災地の映像はもう十分だ。今後メディアは「復興の姿」をこそ報道し続けるべきではないか。人々が力を合わせて立ち直っていく姿は、若い世代にとっては何よりの励ましであり、希望である。リアルな希望を支えるのは、社会がよりよい状態に変わりうることの、具体的なイメージなのだから。

毎日新聞(3/26)より転載


福島原発が、もう大丈夫な理由

2011年03月26日 | 福島原発

政府も、NHKを含む報道機関も福島原発事故について、なかなかもう安心とは言ってくれません。これは、避難している半径20kmの人たちの事を考慮しての事だと推測しています。うっかり、もう大丈夫などと枝野さんが口を滑らせれば、それなら、ワシャうちに帰ると言い出す方がゾロゾロ出てくるでしょう。それは、後処理を無人地帯で行いたい政府、東電にとっては管理しにくい事態となります。

その上で、特に海外で心配しているJICAの仲間に、原発事故はもう峠を越え、収束に向かいつつある事をお伝えしたいと思います。

まず、元々福島原発で何が問題だったかと言う事ですが、福島第一原発の全ての炉は地震直後に制御棒が正常に挿入され、ウラン核分裂反応は停止しました。ところが原子炉には厄介な崩壊熱という現象があります。核分裂反応は例えば、ウラン235原子に中性子1個が当たるとクリプトン92+バリウム141に分裂し中性子3個を出します(235+1=92+141+3)。このときに出るエネルギーで熱を発生し水を水蒸気に変え発電します。この例ではウランはクリプトンとバリウムに変わりましたが、その他の色々な組み合わせで分裂を起こします。つまり、原子炉を運転するとウランから色々な物質が生まれて来るわけです。プルトニウムもその一つです。これらの核分裂生成物は安定ではなく、例えば問題になっているヨウ素131などは半減期8日で分裂し別の物質になります。こんな不安定な物質が使用中、使用済み核燃料にはぎっしり詰まっていて炉が停止した後も、それらが次々と自然に分裂を起こし熱を発する現象を崩壊熱と呼んでいます。

崩壊熱がいつまで出るかは下記のサイトを御参照下さい。停止一分後には定常出力の2%になり、一日後に0.5%、10日後に0.3%と徐々に低下してきます。今日現在は停止から2週間経っているので0.2%程度で、かなり冷えた状態になっています。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kid/safety/decayhea.htm

原子炉停止した後に、この崩壊熱を取り去る必要があるのですが、福島原発ではバックアップ電源等が津波にさらわれた為、原子炉は崩壊熱により圧力と温度が上昇してきました。本来ならECCS(緊急炉心冷却)が働いはずであったのが、その電源が絶たれたのです。これを放っておくと圧力で炉心ごと吹っ飛び、最悪の事態になります。それを避けるため、海水を炉心に注入し炉心を冷やし、それで発生した水蒸気を排気ベントにより外部に放出を行ったわけです。

ここで予想外の事態が起りました。一つは注入した海水が炉心の燃料棒を満たすレベルに達せず、燃料棒の上部が海水から出て空焚き状態になり加熱して融解したこと。これにより本来であればジルコニウム菅の中に封入されているべき燃料と、核生成物が圧力容器内に漏れ出てしまいました。この漏れた核生成物は、ベント水蒸気と同時に大気に放出され今、報道で大騒ぎしています。ただ、幸いなことに燃料棒の上部は溶けましたが下部は海水につかっており、溶けた上部も下の海水に落ちて冷え固まっていると思います。このため、圧力容器の底が加熱することは無く、底が抜けて水蒸気爆発を起こしたり、再臨界で核反応が起ったりすることは避けられています。海水を注入している限り、この問題がこれ以上悪化する可能性はありません。

もう一つの予想外は、海水を注入したためバルブが塩で固まって上手く圧力が抜けない状況が起ったことです。これにより2号機の格納容器が破損しました。(3号機も同じだと思います。)ここでも幸運が日本の味方をしました。福島第一はBWR・Mark-1型といって最も古い型の原子炉で格納容器がドライチャンバーとサプレッション・プールという円環(トーラス)部分に分かれていてその二つは熱膨張を吸収するためのジャバラで接続されています。(蛇腹、ジャバラ、解りますよね。) 圧力が高まった2号機(+3号機)はこのジャバラ部分が、安全弁のように破れて内部蒸気が吹き出てしまいました。これが無ければ、格納容器は大爆発していたかも知れません。吹き出たものは、すでにベントで出していた水蒸気と同じもので、違いは煙突から出すか、ジャバラから噴出すかの違いだけで、環境に対する影響は同じです。ただ、現場作業にとっては大違いで、この破損で現場の放射線量は一気に上がったと思います。

世界中を仰天させた1,3,4号炉の水素爆発ですが、これは原子炉建屋で保管している使用済み核燃料プールから発生した水素が爆発したものです。(これはマスコミの意見とは違いがあります。)使用済み燃料は水中で保管され崩壊熱を冷却しているのですが、電源が停止したことで二つの問題を起こしました。一つは水の冷却が出来無くなりプールが沸騰を始めたこと。二つ目は水中の核燃料放射線で発生した遊離水素を外気に放出でき無くなり、水素が建屋に充満したことです。充満した水素は派手に爆発し1,3,4の建屋天井をふっ飛ばしました。(2号は壁だけ)ただ、格納容器はこれくらいではビクともしないぐらい頑丈に出来ているので、炉心は保安されています。もう一つのプールの沸騰ですが、プールは15mの深さがあり燃料棒(4m)の上を11mも水で覆っています。この11mの水が全部沸騰して無くなれば燃料棒はむき出しになり、やばいことになります。しかし、どう計算しても1週間くらいでは水は無くならないのです。水の蒸発潜熱は非常に大きいので、ストーブ並みの発熱量の核燃料では簡単には無くなりません。おまけに、自衛隊や消防隊がやっきになって水をかけまくったので、プールはあふれています。よって、この問題もこれ以上悪化はしません。ちなみに、保管プールからは水素が発生を続けていますが建屋が吹っ飛んでいて溜まらないので再爆発はありません。ただ、局所的にたまった水素が、ボヤを起こしてゴムや油に延焼し、時々黒煙を上げているのではないかと思います。

また、保管燃料棒が破損していない間接的な証拠は100km離れた下記の女川原発の放射線モニターで得られます。ここの、特にMP2はベント直後は3600位まで上昇しましたが、その後は単調低下しています。もし保管燃料が溶け出して封入が破れた場合は放射性ガスが漏れてこの値が再度上昇するはずですが、そうなっていないので私は保管燃料は保全されていると思います。

http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/onagawa/mp.html

さて、恐れられるプルトニウムの漏出ですが、問題になっているヨウ素131(訂正セシウム134は固体)は気体になりやすく、ベントで外部に出れば拡散して環境を汚染します。しかしプルトニウムは固体です。これが拡散するには炉心爆発か保管燃料が火災で燃え上がり、灰として散らばるか位しかありませんが、そのどちらも起っていません。またIAEAの調査では、少なくとも20km地点ではアルファ線の検出はありません。(プルトニウムはアルファ線を出す。)よって、プルトニウムの大量放出は無いと考えています。(格納容器破損で、近辺には炉心の水と一緒に出ている可能性は残っていますが...)

結局のところ海水注入、蒸気ベント、格納容器(ジャバラ)破損、水素爆発、プール沸騰等が有りましたが最も重要な炉心と保管燃料は保たれおり、チェルノブイリのような最悪事態は避けられました。今後は電源が復旧し、10年ほどかけて徐々に後始末をしていく事になるでしょう。もちろん1-4号炉は、廃炉になると思います。


放射能ほうれん草を食べると、どうなるか?

2011年03月24日 | 福島原発

上の図は中央電力研究所がまとめた生体に与える放射線の影響です。

http://www.anshin-kagaku.com/kaneko.pdf

横軸は一時間あたりの放射線量率、放射線の強さです。ここではGyですがSvでも同じと考えてください。

縦軸はその放射線を浴び続けた総量。放射線の強さ x 時間で、例えば左下にある自然放射線:10^-7Gy/hrを50年間浴び続けると10^-7x24x365x50=4.38x10^-2 となります。

今回問題となっている放射性元素はヨウ素131とセシウム134ですが、ヨウ素131は半減期が8日で、一ヶ月も経てば10分の一に減ります。これなら、ひと月くらいほうれん草を食べるのを止めれば済む話です。ところがセシウム134の半減期は30年なのでそうは行きません。

茨城県高萩市で取れたほうれん草のセシウム134は、国の暫定基準の500Bq/kgに対して524Bq/kgという値を示しました。ベクレル単位をSv・Gy単位に変換するのは簡単にいかないのですが変換に便利なサイトがあります。http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON

コチラを使わせてもらうと、524Bq/kgのセシウム134は9.956uSv(uGy)に換算されます。この値はこのほうれん草を1kg食べ、50年間体内に留まり続けた場合、これだけ被爆する、という値です。

上の図では9.956uGyは枠外なので、例えばこのほうれん草を1トン食べると9.956mGyと言うことになり、やっと左端の下から2メモリ目に張り付きます。体に悪影響を及ぼすレベルとなると、そのまた1000倍近くを食べる必要があります。半減期を考慮に入れないとしても、1000トンの、この汚染ほうれん草を食べると50年後に何か悪影響が出るかもしれない、という事です。 つまり、ケッコウあほらしい話をしている、と言うことが御理解いただけると思います。

また、この図では空色で”生体に有効な領域”というのが示していますが、これが被爆者が一般人より長生きできる範囲です。このほうれん草を1000トンは食べすぎですが、100トン位に抑えておけば近藤先生みたいに長生きが出来そうです。

ちなみに、ヨウ素131は年齢依存性があり40歳以上の成人には影響は有りません。しかし小さな子供は甲状腺がん、になる可能性があるため、ここ一ヶ月ほどは汚染食品を与えず、ヨウ素剤を飲ませておく方が気分的には安心でしょう。(もっとも、1トンもほうれん草を食べる子供がいるとは思えませんが。)


放射線は少し浴びたほうが健康に良い

2011年03月23日 | 生命

いささか、ギョッとするタイトルで申し訳ありませんが、福島原発事故の放射能でパニックになりかけている皆さんに、落ち着いてもらう為に3月21日記事に続いてもう少しコメントしたい。

上の写真の御老体は近藤宗平先生で御年齢89歳である。8月6日に広島に原爆が投下された一週間後の8月13日に当時、京大物理学科3回生であった先生は現地に赴き、2日間にわたり放射性物質の採取を行った。この時点で先生はある程度の被爆をされているものと思われる。ところが、ご覧の通りピンピン、カクシャクである。この一例をもって弱放射線被爆は健康に良い、と言うつもりは無いが、少なくとも少々被爆したとしても全員悲惨な死を迎えるわけではない、と言うことはいえる。

先にも書いたが、被爆者手帳をお持ちの方々は平均寿命が我々より長い。また、天然ラドンの出る地域に住む住人の寿命は統計調査によると長い。昔、時計に夜間でも見えるようラジウムを塗っていたが、直接作業者には骨肉種が多発したが、周辺作業者の寿命は逆に長いというデータもある。原潜ドックの作業者、放射線医師のデータ等枚挙にいとまは無い。台湾人なんかは放射性コバルト60入りの鉄鋼住居で20年以上、元気に長生きしている。これらは、冗談ではなくきちんとしたデータで確認されている。

http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub040616kondouchusen.htm

太陽は核融合反応で熱と放射線を発している。太陽からの紫外線は高エネルギー電磁波、つまりガンマ線の一種である。それを我々は毎日浴びている、海水浴になんて行くと全身に浴びる。ある一群の人々、たとえば白色系ケルト人にとっては紫外線は致命的だ。年齢を経るにつれ皮膚がんが多発する。しかし、日本人は日に焼けてメラニン色素が増え、皮膚がんにはならない。体に紫外線に対抗する仕組みが備わっているのだ。

焚き火に手を突っ込めば火傷を負う、塩や水も取りすぎれば毒になる。なぜ、放射線だけが微量でも害になると思い込んでいるのだろうか?

近藤先生はこう書かれている、

このような放射線恐怖症がはびこっているのはなぜだろうか?考えられる理由にはつぎのようなものがある:
1) 広島・長崎に投下された原爆による惨状と死傷に対する心理的反応、
2) 市民の核兵器に対する恐怖心につけこむ心理作戦、
3) 過剰放射線リスクの研究を認めてもらって、研究費を得ようと奮闘している放射線研究者達の利害的関心、
4) 一般大衆の不安をあおって利益をえるニュースメディアの利害関心


現在の放射線防護規則の履行により、生命を救うという名目で出費されている金額は、ばかげているほど高額であり、非倫理的出費である。このことは、はしかやジフテリア、百日咳などにたいする予防注射によって生命を救うのにかかる安い費用と比較するとよく分かる。放射線から人間を仮想的に防護するため巨額の費用が使われている。他方、本当に生命を救うためのずっと小額の財源はたいへん不足している。

生体細胞は放射線ダメージを受けた場合、間違った分裂を防ぐためにアポトーシス(自殺)を起こす。高度放射線ダメージを受けた場合にはこのため死亡する。しかし、低度の場合はこのメカニズムにより何らの後遺症を残すことなく回復する。生体は放射線耐性を持っているのだ。むやみに、放射能を恐れるのではなく、正等に怖がることが必要だろう。下記の近藤先生の提言を是非読んでください。

http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub081128kondo.html


福島原発事故 プルトニウム汚染について

2011年03月22日 | 福島原発

福島第一原発3号炉はプルサーマル・MOX燃料にプルトニウムを含んでいる。また問題となっている使用済み核燃料にも%オーダーのプルトニウムが含まれる。プルトニウムは最強の毒物でその汚染拡散が最も懸念される。それに関するデータが今朝、IAEAより出されているのでレポートします。

Fukushima Nuclear Accident Update (21 March 2011, 15:30 UTC)

I have no further information available regarding the measurement of alpha radiation. As I reported yesterday, from the measurements taken within the evacuation zone (20 km), no significant alpha radiation had been detected at that time.

プルトニウムは崩壊するときにアルファ線を出す。アルファ線は中性子2個、陽子2個からなるヘリウム原子核で紙一枚も透過しない、また空気中も数センチしか飛ばない。よって、プルトニウムの飛散を確認するには現地に赴いて、GM計測器で地面を丹念に当たって回るしかない。今回のIAEAの報告は炉心から20kmの場所で顕著なプルトニウムによる汚染は検出されなかった、と解釈できる。

 


海外から見た震災 ファイナンシャル・タイムス抜粋

2011年03月22日 | 文明

ファイナンシャル・タイムスの海外記者が見た今回の地震、原発事故に関する記事の抜粋です。

http://jbpress.ismedia.jp/category/ft

地震と日本人

 

 ...しかし、筆者の頭に一番長く残るだろう2つのイメージは、それよりずっと小さな出来事だ。1つ目は、マグニチュード9.0の地震がその破壊力を解き放った瞬間のスーパーの様子を捉えた映像だ。商品がきれいに積み上げられた棚が揺れ始めた時、店員たちは慌てて逃げ場を求めたりしなかった。その代わり、醤油の瓶や味噌のパックが床に落ちるのを防ごうとしたのだ(概ね努力は無駄に終わった)。 店員たちの勤勉さは、今ほど困難でない時に人が日々目にする、さりげない献身的な行動を思い出させてくれる。

...日本はその国民以外にほとんど天然資源を持たない国だ。日本の奇跡を生み出したのは彼ら日本人であり、また、世界がこの国の経済停滞にうんざりし、幻滅した時でさえ、別の種類の日本の奇跡を守り通してきた人々だ。

... 壊滅的な被害に遭った大船渡港の住民たちが、破壊された家からモノを盗んだ容疑で4人が逮捕されたという噂を聞いてうろたえていること自体、日本人が自らに課している社会秩序の高い基準を示すものだ。「ここはいい町だと思っていたのに」と、ある住民はこぼす。瓦礫の山の中でも、住民たちが礼儀正しいユーモアをもって、隣人や訪問者と接する様子がうかがえる。こんな時になぜ被災者たちが笑うことができるのか尋ねると、釜石市内のある村の漁業組合代表を務めるミウラ・マサトさんは「我々は日本の侍だからだ!」と言って、友人たちの笑いを誘った。「私たちは顔で笑って心で泣くんです」とミウラさんは言う。

原発事故について

...臨時ニュースや各紙1面が伝えるただならぬ光景は、そうした冷静な対応に不利に働く可能性が高い。米国原子力規制委員会(NRC)の元委員、ピーター・ブラッドフォード氏が指摘するように、我々は今まで1度も「テレビで原子力発電所が爆発する映像」を目の当たりにしたことがない。

...東電は原発で起きた爆発について1時間も首相官邸に連絡せず、菅直人首相は東電幹部に対して「一体どうなっているんだ」と、強い口調で情報を要求する羽目になった。連絡の遅れは、東電のエンジニアたちがずっと「中央政府に問題を報告することを避ける」傾向を引きずってきた可能性があることを示唆している。これは、過去20年間の安全性評価報告の改竄が発覚した2002年に同社自身が認めざるを得なかった失態だ。

...(スリーマイル島は)汚染除去を完了するのに12年間の歳月がかかった。米国では30年間にわたって、新たな原子力施設を建設することがほぼ不可能になり、歴代政権も反発を恐れて、警戒する有権者にこの問題を突きつけようとしなかった。

... 素人には狂気と思える状況(世界で最も地震が起きやすい島国に55基もの原子力発電所を設置すること)を後押しした背景には、外国の石油と石炭に依存する日本の弱さに対する意識があった。だが、そこには、日本政府の究極の思い上がりもあった。国民がどう思っていようとも、日本の技術者はこれだけ当てにならない土地に安全な原子力産業を築くことができると確信していたのだ。

...だが、切迫した危機が収まるに従って、世間の関心は、何が問題だったのか、という点に向かうだろう。問題の原発を運営する東京電力に対する疑問が出ている。同社はこれまでにも、隠蔽を図ったり、安全性基準を破ったりしてきた過去がある。

そして

...「歴史的に日本という土地は、非常に長い間、年に数回の台風に襲われてきた。だから、恐らく我々の精神も影響を受けてきた。我々は災害を受け入れ、立ち直る」慶應義塾大学の嘉治佐保子教授(経済学部)も、2011年の地震と津波が転機となる可能性があると考えている。「学生たちに、日本はここからスタートしなければならないと言っている。これがグラウンド・ゼロだ」と嘉治氏。「我々は町全体を再建しなければならない。単に、元の場所で元のまま建てるわけにはいかない」 「今ほど技術に依存しない未来、あるいは違う種類の技術に頼る未来が必要だ。我々は、どうやって発電するかも再考しなければならない。それが明るい面だ。もしかしたら、それが全く新しい産業を生み出すかもしれない」

 

 


放射能について

2011年03月21日 | 福島原発

大衆は簡単にパニックを起こす(私もその一人だが)。今回の東京の物不足がその一つの証拠だ。私が高校か大学の頃トイレットペーパーが無くなった時期がある。生産量は需要を十分カバーしているにも関わらずパニックに陥った消費者が必要以上に買い込み生産が追いつかなくなり、市場からトイレットペーパーが消えた。これは火事のとき出口に人々が殺到し、スムーズに逃げれば死ななくて済むのに、ほとんどの人が出口に折り重なって焼け死ぬのと同じ状況である。

ガラス張りの政府とか、全ての情報を開示せよ、などとマスコミは簡単にいうが、たとえば今回の福島第一の事故で発生した放射能(放射性物質)の問題を、政府はありのまま大衆に伝えるわけには行かないのだ。

その上で敢えて、低線量放射能は余り危険ではない、という事を主張したい。おいおい、お前いつから御用ブロガーになったんだ?という皆さんの反応が目に見えるようだが、私は科学的観点からこの問題を考えて見たいと思う。

一つの興味深いデータがある。 たとえば、こんな記述がある。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-05-05

(3) 低線量放射線による寿命延長

 高バックグランド地方に住む人々、核施設や原子力潜水艦に従事した人々は、しばしば低い死亡率を示すが、原子力産業で働いている作業員では骨髄性白血病のリスクが高いという報告もある。

実は、広島、長崎で被爆し被爆者手帳を持っている方々の寿命は我々より長い。それは多くの厳密な学術調査で確認されている。

http://157.1.40.181/naid/110001132359

今現在の食品等の放射線レベル基準は ”低線量毒性説”に基いて決められている。これは放射線被爆に閾値(しきいち)はなく、被爆量は少ないほど良いという仮説である。

しかし、考えてみれば我々は誰でも通常10mgの天然由来の放射性カリウム40を持っており常に3000ベクレルの内部被爆をしている。これは1mSv/年に相当する。確か、今回の汚染牛乳を1L飲むと33uSvになるらしいから、これは天然カリウム40被爆の30分の一である。

問題は、人類を含む生命体が放射線ダメージにたいして何らかの修正機構を持っているかどうかによる。近年の研究によればDNAは何重もの誤り訂正の修復機能があり低線量ダメージには十分適応できる機能が備わっていることが判ってきている。逆に、低線量を照射したラットの実験では放射線耐性が著しく向上するとのデータもありホルミシス効果として議論になっている。つまり、生命は進化の過程で放射線耐性の能力を得ているのだろう。

以上、現行法を規定している低線量毒性説には黄色信号が点り始めており、健康には全く影響の無いレベルで騒いでいる可能性が高い。

とにかく、正確な情報を知ることがパニックを起こさない唯一の方法なので各自がきちんと放射線被害に関する勉強をすることでしょう。(マスコミ情報は駄目ですよ。)

私は ”人は放射線になぜ弱いか 近藤宗平” を読むことをお勧めします。


平成23年度春募集 延期のお知らせ

2011年03月20日 | 海外ボランティア

JICAから下記の通知が出ていますね。

http://www.jica.go.jp/volunteer/

平成23年3月18日

平成23年度JICAボランティア春募集の延期について

独立行政法人 国際協力機構

青年海外協力隊事務局

平成23年4月1日(金)より予定しておりました平成23年度JICAボランティア春募集の応募受付については、当面延期致します。今後の日程につきましては、決定次第改めてお知らせいたします。


福島原発事故 後記

2011年03月20日 | 福島原発

今朝の朝刊トップは ”燃料プール水温低下” となっています。 IAEAの最新コメント(19/Mar 14:00UTC)では、

 We still lack reliable validated data on water levels and temperatures at the spent fuel pools at Units 3 and 4. 

..と定量的なデータは無いはずなのに、ずいぶん楽観的です。先日のパニックタイトルといい、今日の楽観タイトルといい要は記者の個人的な気分が反映しているのでしょう。今後、報道は冷静で客観的、なんて事は一切言わないで欲しいものです。

かく言う私も、3号炉の爆発や4号炉の火災発生には肝を潰しました。と言うより、あの画像を見た瞬間、汚染物質拡散で自分自身や家族が血反吐を吐き、苦しんで死ぬ光景や、全人類が緩慢に絶滅していく光景が本当に脳裏をよぎり絶望的になった瞬間が何度かありました。しかし、最悪の危機はなんとか乗り越えました。

私は体力トレーニングのため毎日、近所の400mほどの山に登っているのですが、その上からは緑が出始めた春小麦の畑、耕作を始めた茶色のほくほくした土の色、咲き始めた菜の花の黄色、芽吹きを前にした木々など春の平和な風景が見えます。これがもし、福島原発が炉心爆発や保管燃料延焼を起こしていたら、沈黙の春を迎える事になっていたでしょう。

地震や津波、火山の噴火、台風などの災害は、被災された方は本当に大変だと思いますが、人類は過去何万年にわたって、ずっと相対し、生き延びてきた問題です。しかし、原発事故や核戦争と言うものは今まで人類が経験したことの無い絶滅につながる問題です。これは我々と、我々の子孫の為に本当に慎重に扱わなくてはなりません。

今後、福島原発事故は暫時的に収拾に向かうでしょう。(そう祈っています) 当事者でもある政府の発表も、主観的なメディア発表もあまり当てにならないので私は下記のIAEAのレポート

http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

を見ながら、今後の推移を見守りたいと思います。


福島原発事故 続報-5

2011年03月19日 | 福島原発

19日 6:30

やや気になるニュースがある。

 福島第一原発の放射線量、地上放水後に一時上昇

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110319-OYT1T00020.htm

13:50 3.5mSv、17:00 5.1mSv、20:00 3.6mSv と一旦上昇して元に戻っている。この程度の上昇は放水による3号炉建屋汚染物質の巻上げと考えてよいだろう。(燃料プルニウムによる汚染拡大とは考えたくない。)

一方、電源に関しては順調のようです。

http://www.asahi.com/national/update/0319/TKY201103180618.html

東京電力は19日未明、爆発事故などが続く福島第一原発に電力を供給する送電線の復旧作業について、予備電源変電設備までの受電が完了したと発表した。送電が再開すれば、原子炉を冷却するために必要なポンプなどを動かせる可能性がある。

19日7:40 プルトニウムの毒性について

プルトニウムはアルファ線(ヘリウム原子核)を放出し、これは空気中で数センチしか到達しない。だから飛散しても検出は困難、放射線量が低いからと言ってプルトニウム汚染が無いとは言えない。これを体内、特に肺に取り込むとα線が近傍肺組織のDNAを傷つけ下記のようなことになる。

http://www.ne.jp/asahi/hayashi/love/nuclear_plutonium.htm

成人の肺に沈殿したプルトニウムの粒子による肺ガンの生涯リスクはおおむね摂取量に比例する:

1マイクログラムのプルトニウム(0.07microCi)を摂取すると、ガンになるリスクが1%増加する(ガンが発生する通常の割合は20%)。
10マイクログラムの摂取は、ガンの障害リスク20%から30%に押し上げる。
100マイクログラム(7.1microCi)あるいはそれ以上摂取すると、数ヵ月後に肺の損傷が表面化し、最後に肺がんが発生(通常は数十年後)する。

注) 一円玉が1グラムだが、1マイクログラムはその100万分の1

19日9:30

IAEA(国際原子力機関)のホームページで福島原発事故のデータを公開している。

http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

原子炉破損状況 :http://www.slideshare.net/iaea/summary-of-reactor-unit-status-at-18-march-graham-andrew

原子炉詳細(水位、内圧):http://www.slideshare.net/iaea/technical-briefing-of-nuclear-safety-aspects-of-the-situation-in-japan-march-18

放射能被害状況:http://www.slideshare.net/iaea/technical-briefing-on-theradiological-situation-in-japan-renate-czarwinski-18th-march-2011

燃料保管プールに関する報告が無いのが残念だが、今のところ危機的状況には無いとの認識

19日10:15

放射線分解による水素発生過程に関する資料

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-02-10

19日14:50

IAEA Update 4:30UTC(13:30JST)

特に深刻なアップデートは無いが下記の記事があった、

Unit 5 and 6

Workers have opened holes in the roofs of both buildings to prevent the possible accumulation of hydrogen, which is suspected of causing explosions at other units.

5,6号プールは水は満タンだが水素を抜くため天井を開放した。現場は遊離水素の件をちゃんとご存知のようですね。

また ヨウ素剤適用の推奨が20km退避住民に対して出ている。我々のような年寄りは飲む必要は無い。

 On 16 March, Japan's Nuclear Safety Commission recommended local authorities to instruct evacuees leaving the 20-kilometre area to ingest stable (not radioactive) iodine. The pills and syrup (for children) had been prepositioned at evacuation centers. The order recommended taking a single dose, with an amount dependent on age:

Baby 12.5 mg
1 mo.-3 yrs. 25mg
3-13 yrs. 38mg
13-40 yrs. 76mg
40+ yrs. Not necessary

19日19:10

先ほどの地震、震源は福島原発の極近だったが何とも無ければ良いが... 1,2号機の電源接続が完了したようだ。

東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所で、冷却機能が喪失した1、2号機の配電盤兼変圧器に外部からの送電線を引き込んで接続する作業が完了した。20日朝から2号機内部の機器を点検し、その後、緊急炉心冷却装置(ECCS)などの系統につながる大容量のポンプを動かし、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールなどを効果的に冷やす冷却システムが稼働するかを確認する。同原発では、地震によって停電したほか、ECCSなどを作動させる非常用ディーゼル発電機も津波の影響などで破損した。(2011年3月19日18時29分  読売新聞)