徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

長生きのリスク

2015年02月28日 | 政治

長寿は目出度いことで老人は敬われるべき対象だった。しかし、戦後70年トンデモナイ事態が進行している。戦前までは男の場合大体40過ぎになれば死ぬのが当たり前で、60歳まで生きるのは稀で還暦はかなり目出度いことだった。

ところが戦後だけ見ても70年の間に寿命が40年近く延びている。40歳くらいで死んでいた人々が80歳まで平気で生き続ける事が出来るようになった訳で、これは人類がかって経験した事の無い事態です。

それと併せて日本で深刻なのがこれ、

子供の出生率は戦前の4分の1にまで落ち込んでいる。一言で言えば少子高齢化なのだがこれらのグラフを見ると改めて事態の異常さに戦慄する。これに関してささやかな考察を加えるなら3つ目の山の欠如だろう。1975年あたりに団塊Jrの第二次ベビーブームが起ったがその30年後の2005年頃にはピークの片鱗さえ無い。団塊Jrはやる気を失ってしまったようだ。

そして、その結果として国家破綻=社会崩壊の予兆がある。アホな政治家の票集めの為の公共投資と確実に出て行く社会保障に関わる1000兆円を超える借金の山だ。

まあ、私自身がいくら悩んでも上手い解決法が見つかるわけではないが、ここではマスコミが書かない解決法をいくつか提案しよう。

1.相続税

戦争直後のベビーブーマー=団塊の世代は70歳を迎えそろそろご臨終が近くなってきている。この世代が日本の貯蓄資産の7割を溜め込んでいるという話があり且つ年金支払いの最大部分を占めている。と言う事はこの世代がお亡くなりになれば年金支出は減少する。そして、そこから相続税をガッポリ頂けば1000兆円の3分の一くらいは賄える算段になる。

2.東海・東南海地震

東海・東南海地震は平均120年ごとに起る。この地震はプレート型でマントルが動いている限り必ず一定周期で起る。前回起ったのが終戦前年の1944年だから2060年頃に次の地震が起ることになる。東北大震災は過疎地域を襲ったが東海地震は太平洋ベルト地帯を直撃するので日本経済は壊滅的被害を被るだろう。しかし、それは逆説的に日本経済の再生につながる。破壊と創造は表裏一体なのだ。現状の問題点は物が飽和して消費が停滞していることにある。巨大地震による破壊はそれを一挙にリセットしてくれる。

3.胃瘻の禁止

胃瘻というのは自力で食べられなくなった老人の胃に穴を開けて流動食を流し込み栄養補給する措置で、これをやると5年くらいは平気で延命する。海外ではあまりやられてなく日本だけで広く行われている。これは国民皆保険と関連しており確実に保険金が支払われるため医療機関はこれを積極的に実施する。このため健保支払額と年金支払額は膨張する。姥捨て山とは言わないが胃瘻は止めて自力で食べることが出来ない老人が自然死する事を社会的に容認すべきではなかろうか。

4.踏み倒し

最後の手段は国債のデフォルト、踏み倒しである。国債はほとんどが国内資金で購入されているので踏み倒したところで国内問題で終わってしまう。資産を持つものから、持たざるものへの還流だ。格差是正にこれほど効果的な手段は無い。積み上げるだけ積み上げておいて最後に踏み倒すのも良かろう。ただ、一回踏み倒すとその後とうぶん国債を買うヒトが居なくなるので国家財政は健全化せざるを得ない。役人の給料を半分にして年金は70歳以上と言うことになるだろうね。

と、色々と好き勝手なことを書き散らしたが日本はこの高齢化社会実験の最先端を走っておりこれからの20年が正念場になるだろうな。


親知らずの抜歯

2015年02月26日 | 病気

親知らずは20代の頃に3本抜いた。上二本と右下の一本です。上二本はアッサリ抜けたのですが右下の一本が頑固で歯医者さんが1時間近くかかって苦労して抜いてくれた。抜いた歯を見せてもらったところ、三叉のいかにも強そうな立派な頑固者の様相を呈していたことを覚えています。しかし、これに懲りてその歯科医は残りの一本は口腔外科で抜いてもらえワシはもう嫌じゃ、といって抜いてくれませんでした。30年以上前の事です。

その残った一本の親知らずが最近、冷たいものなどが沁みるようになってきた。おまけに食べ物がやたらに引っかかるのだ。1年ほど我慢していたが先日歯医者に見てもらったところ知覚過敏だな、抜いたほうが良いぞ、とおっしゃる。しかし、ワシは抜かないから大病院の口腔外科に紹介状を書いてやる、ということで紹介状を書いていただきました。

その紹介状をもってノコノコ病院に出かけると、早速パノラマ・レントゲンなるものでぐるりを鮮明に撮影してもらい見たところ影が見える。どうやら虫歯らしい。おまけに相方の上の歯が無いので3mmくらい浮いている。それで、直ぐに抜いてくれると思いきや、今日は抜かないから予約しろとおっしゃる。それなら速いほうが良いなと思い翌日の午後(本日)予約を入れて抜いてもらった。

前回(30年前)はえらく苦労したので今回も凄いことになるぞ、と恐怖と期待で緊張していたが、麻酔をチクチク注射した後、アゴを押さえてゴリゴリやってペンチみたいなものでグイッと引っこ抜いてくれた。なんとアッサリ5分もかからずに抜けてしまった。抜けた時は全然わからなくて先生にもう抜けました、と言われて思わずエッと口走ってしまった。口腔外科の医師は腕が良いのかなあ?まだ30歳を超えたばかりの若い先生でしたが有りがとうございました。

抜けた歯がこれ、

拡大はややグロなので見たいヒトだけクリックしてください。

知覚過敏どころか真ん中に大穴が開いてる。浮いてむき出しになった歯根部が隣の歯とこすれあって虫歯になってたらしい。この穴にやたらに食べ物が引っかかってたわけだ。最初の歯医者さん、これが見えなかったんかな、藪医者じゃね。

と、麻酔がまだ効いていて口がしびれたままこれを書いていたが、やばい、すこし痛みが出てきた。これは麻酔が切れるとけっこう痛いかもね ( ̄  ̄;)


その後の経過ー1 

昨日は普通に食事をして(右側だけで咀嚼)鎮痛剤と抗生物質を飲んで寝ました。一晩経過しましたが今のところ痛みはほとんど無い。ネットで調べるとドライソケットというのが有って抜いた跡の穴に上手く血餅が固まらないと歯槽骨がむき出しになって、それはそれは痛い事になるらしい。とにかく上手く歯肉が塞がってくれる事を祈ります。

その後の経過ー2

二晩経過して痛みも腫れも無い、順調です。鎮痛剤は7日分出たが1回しか飲んでない。抗生物質は4日分出てる。抗生物質ももう飲む必要は無いと思うが医者からは4日分飲み切れという指示が出てる。耐性菌が出るのを防ぎたいんだな。まあ人類の為だと思って飲みますよ。後は、いつから抜いた側で食べ物を噛めるかだね。

その後の経過ー3

6日経過し傷口がほぼ塞がった感じがする。4日目あたりであごの下のリンパ節が少し腫れて痛みが出たので感染したかな、と思ったが次の日には直った。どうも、回復の過程でその様なことが起るらしい。傷口を早く治すにはビタミンCが必要らしいのでせっせとキウイやトマトを食べている。

その後の経過ー4

10日経って再診に行ってきた。塩水で洗浄して3分で終了、キレイな傷口でもう来なくて良いといわれました。ただ、穴はまだ開いてるのであと二週間くらいは反対側で噛んだ方が良いね、との事

以下、Wiki 参照

炎症反応、異物除去

受傷6~24時間は、周辺の毛細血管から好中球が滑り出てくる(好中球は、もし創(そう、傷口)が不潔な場合、細菌などを貪食処理する)。そして好中球は短時間で消滅する[14]。 受傷後12~48時間は、単球が創内に集まってくる。単球はアメーバ状に形をかえつつ、細菌や組織分解物の貪食を開始し、次第に捕食消化する能力を高めてゆく。これは単球がマクロファージに分化し、活性化マクロファージへ変化したことを意味する(もし、創内に向かってマクロファージが集まらなかったり力が弱かったりする場合は、分解物が除去できず炎症が長く続く

瘢痕治癒

マクロファージによる異物の除去作業が終了するころに、毛細血管の新生が起こり、線維芽細胞が出現する。 線維芽細胞はコラーゲン、タンパク質、多糖類を合成し、細胞間腔に分泌を開始する。線維芽細胞によるタンパク質合成には十分な酸素と栄養素が必要で、毛細血管の新生は、線維芽細胞にそれを供給する役割を果たしている(毛細血管は、周囲の血管から発芽状に発生、創内へとループ状に発育し、網目状になる)。コラーゲン分子は凝集し、原線維となり、瘢痕組織が形成され、創の修復が進む[14][15]

この過程にかかわる注意点として、 コラーゲンは線維芽細胞の中にある粗面小胞体で合成されるが、水酸化されてから細胞から分泌される。もし水酸化が進まないと、線維束化されず、治癒は延滞してしまう。コラーゲン線維の水酸化には、ビタミンCが欠かせないとされる[14][16]

受傷後12~48時間の、創に近い表皮細胞の端は、細胞が外観を失い、無定形化および膨化し、移動し、凝血内にある血清タンパク質や線維素の切れ端を貪食消化する(これは細胞分裂の準備を行っている)[14]。そして、連続性を備えた細胞層を形成しつつ、正常な外観を取り戻してゆき、表皮再生と真皮での治癒がほぼ同時に完了する[14]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%B2%BB%E7%99%92%E5%8A%9B


 

 

 


湖東カルデラを望む

2015年02月21日 | 地理

謎のクレーター地形の周辺の山に登ってきました。頂上から見える景色がこれ。

中央に老蘇の森があり、それを中心にしてキレイな円形に山が取り囲んでいます。

中央の老蘇の森周辺は数十年前は湖・沼地でしたが今では宅地になっています。

遠方の山々を望むと、この場所を中心に同心円状に連なっているのが良くわかります。

山頂付近は湖東流紋岩の巨石がゴロゴロしていて、地元の人々の信仰の場になっています。


湖東流紋岩と湖東カルデラ

2015年02月16日 | 地理

この石、滋賀県の箕作山という山の山頂付近で拾ってきたただの石ころですが、湖東流紋岩という名前が付いています。

この石を調べると火山火砕流の軽石や火山灰が再溶融して出来た岩石で溶結凝灰岩というものらしいです。しかし、現在の滋賀県には火山は有りません。

滋賀の琵琶湖の東には湖東平野が広がっています。この平野の景観を特徴付けているのが、ところどころにある孤立した山です。石ころを拾ってきた箕作山もそうですし近江八幡の八幡山、安土城址のある安土山など、平野の所々にポコンと山があります。

これ等の山々は主にこの湖東流紋岩で出来ています。

実はこの湖東流紋岩の分布は約7000万年前の中生代白亜紀に、この地域で巨大カルデラ爆発が起ったことを示しているのです。この地形は湖東コールドロンと呼ばれ直径60kmの阿蘇山カルデラに匹敵する巨大カルデラ火口があったということが近年の研究でわかってきました。恐竜が地上を闊歩していた頃です。ちなみにその恐竜の時代は6000万年前のK-T境界層を境に終わり哺乳類の時代・新生代が始まります。阿蘇山クラスのカルデラ爆発が起れば地球規模の気候変動を引き起こします。この湖東カルデラ爆発によりおそらく地球は10年近く寒冷化したものと思われます。

グーグルアースで見るとその中心部分に奇妙な地形がある事が解ります。

丸く山に囲まれて中央に森があります。奥の狭隘部はかって佐々木六角氏の支配下にあり尾張から京へ上る上洛の際に必ず通らなくてはならなかった関門です。今は新幹線と国道八号線と旧中仙道が交わりながら通っています。中央の森は万葉集にも歌われている老蘇の森で老蘇神社があります。周りの山は全て湖東流紋岩で出来ています。

この地形はクレーターのように見え、中央の森は中央丘の跡では無いでしょうか。これが湖東クレーターのほぼ中央に見える奇妙な地形です。

 


メンテナンス・スロープ 自作 DIY

2015年02月15日 | 

タイヤ交換の際のジャッキアップやオイル交換を行う場合、レガシィの地上高150mmはけっこう低い。いままで苦しい体勢でやっていたが、ふと思いついてスロープを自作したので御報告。

材料は1x8x12フィートSPF材・1枚と木ネジ少々 

寸法は一番上を長さ35cmにして6cmずつ伸ばしてカットした。つまり、35・41・47・53cmの4枚重ねで高さ72mmとなる。たった72mmだけど150mmの車高が222mmになると作業性は全然違う。ちなみに乗り上げ部分は最初の角だけ45度に切り落とした。

車を乗せるとこうなる。車止めがとっても効いていて乗せるのは簡単です。オイル交換のとき地べたに仰向けになって右手だけ伸ばしてプラグを必死で抜いていたがこれだけ上がると楽勝だね。この写真は手前にスロープがついてる場所なのであまり持ち上がったようには見えないけど実際はかなり上がっています。

あと、老婆心まで言っておきますがコンクリートブロック等で同じ事をやるのは止めたほうが良いですよ。車重で潰れる危険性があります。作業中に潰れるとどうなるか、解りますよね...


IBMがニューラルネットワークチップを開発

2015年02月02日 | 物理

我々は脳で考え行動をしている。私がいまこの文章を考えて書いているのも脳のおかげだ。脳の構造と機能は複雑で、まだほとんど解明されていない。ただ、それを構成しているのは全て同じ機能を持つ基本素子=神経細胞だ。

神経細胞単体の機能と構造はよく研究されていてタンパク質レベルでその解明が進んでいる。その機能は多入力・1出力の積和素子で一個の神経細胞にシナプスを介して多入力が入りその総和が閾値を超えると発火し他の神経細胞に電位を伝える。脳の基本的機能は学習とそれに基づく行動だが、学習機能は入力部のシナプス間隙における伝達物質の量の変化、つまり入力に対する重み付けの調整で行う。

IBMはこの神経細胞を模したニューラルネットワークチップを開発し人工知能を実現させようとしている。 http://arstechnica.com/science/2014/08/ibm-researchers-make-a-chip-full-of-artificial-neurons/

54億個のトランジスタからなるこのチップは、神経細胞と似た働きをする基本ユニットセルを64x64=4096個ネットワークで繋いだ構成となっている。

それぞれのセルはひとつの神経細胞に該当し他の任意の256個のセルと入力および出力を結合する事が出来る。

人の脳は3億個の神経細胞から成ると言われており4千個は余りにも少ないが現在我々が持っている最高度のテクノロジーで脳に近づこうとしている事は評価できる。

このチップで何が出来るか? まず期待したいのはパターン認識の分野だろう。例えば音声認識は50年以上ノイマン型ソフトウェアで追及がなされているが未だに未完成だ。iPhone6にもその機能は搭載されているが単語レベルの認識もおぼつかないでたびたびトンデモナイ認識結果を示す。ノイマン型はこれが苦手なのだ。画像認識もしかりで画像をモニターして異常を検地するシーン解析というアプリケーション分野があるがその方面でも期待できる。

もう一つの特徴は学習機能だろう。繰り返しパターンを認識させて間違いを指摘しているとニューラルネットはそれを学習する機能がある。これはノイマン型では出来ない事で面白い事になりそうだ。S.キューブリックの2001年宇宙の旅でHALがメリーさんの子山羊から学習を始めたようにこのコンピューターも学習を始めるのだろう。

私自身もニューラルネットとは30年近い付き合いがあり仕事で応用システムを開発したこともある。しかし、当時のシステムには柔軟性がなく簡単なアプリケーションでもすっきりとした動作はしてくれなかった。ローカルミニマム(局所解)という落とし穴に捕まるとなかなか最適な答えにたどり着かないのだ。人の脳ではそれをカオス発振で避けているという説があるがこのIBMチップはそのような工夫がなされているのか興味がある。単純な積和だとこれだけ大規模なネットワークではまともに動作しないだろう。

ヒトの脳は機能が局在していて視野や言語野あるいは海馬、扁桃核とか色々な機能に特化した部分があり、マクロ構造が単純ではない。これはおそらく進化の過程で機能が徐々に積み重なった結果だろう。人類の最も新しく得た部分が新皮質で特にホモ・サピエンスでは新皮質・前頭葉が発達している。このマクロ構造に関して最も解析が進んでいるのが小脳だ。小脳は自転車乗りとか水泳とかの身体機能の学習を行っていてスポーツ等で運動・練習を重ねることで小脳のネットワークが発達し俊敏で正確な動作が出来るようになる。

このIBMのチップは均一な4000個のニューロセルからなっており、どちらかと言うと小脳に近い。著名なニューラルネットの研究者の言だが、今後、ヒトの脳の機能の理解に達するには300年はかかるだろう、と書いている。脳はお手本だがあまりに複雑で300億ニューロンという巨大なシステムだ。IBMはそれに本気で挑戦を始めたようだが、はたしてどのような成果が出るのか....