徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

英国のEU離脱

2016年06月24日 | 政治

先ほどBBCが国民投票の結果イギリスのEUからの離脱が確実となった、と放送していた。予想に反してというべきか... 

元々イギリスはユーロを使わずにポンドを使い続けてきた。これが示すように、大陸ヨーロッパからは以前からある距離を保ってきた。今回の結果も、彼らがヨーロッパ市民であるよりイギリス市民であることを選択したという事だろう。投票前に経済的影響とか移民・難民問題なんかを専門家が色々と分析していたが、結局のところイギリス人はグローバル経済による恩恵よりイギリス人で有りたい、と考えたあげくがこの結果をよんだのだろう。まあ経済的なインパクトは金持ちの問題であって大半の英国労働者は移民に職を奪われる恐怖のほうが強いことも十分理解できる。

次に起こりそうなことは、スコットランド独立とEUの空中分解かな。スコットランドにEU残留派が多いのはトンネルから遠いから移民の影響が小さいからだろうな。EUは東欧とかギリシャとか手を広げすぎている。そこへきてシリアなどからの難民問題だ。こりゃあ混沌の始まりだな。下手をすると第三次大戦前夜なのかもしれないぞ。

さて次の衝撃はトランプ大統領、なんてことにならなければ良いが... そうなれば世界はいよいよ混沌に突入だ

 

       起こって欲しくない事は必ず起こる  マーフィーの第三法則

 

追記: イギリスではなんだか離脱を後悔する雰囲気がある ならば、議会を解散して離脱派と残留派で総選挙をやればいいじゃないかと思うね。その上で残留派が多数を占めれば話は変る。 これは6月27日現在誰も言ってない意見だがそうなるような予感がする。

 

 

 

 

 


80歳まで働ける社会

2016年06月20日 | 政治

今の日本の状況は最悪だ。若者は将来の事を不安に思い20代の最大関心事は自分の年金らしい。年金システムは早晩立ち往かなくなる事は明らかだ。現在は赤字国債で何とかやりくりしてるがこれは後10年くらいしか持たないだろう。その後はどうなる事か?

しかし、少し考えると解ることだが戦後のベビーブーマー団塊の世代は10年後には平均寿命を迎え旅立っていく。その時には相続税として国庫に貯蓄の半額50%ほど寄付いただく算段になる。これで1000兆の借金の何割かは消える。

しかし、其れでも尚今の若者達が老年を迎えたときに養うべき次々世代は薄い。年金システムの維持は不可能だろう。ただ一方で高齢化社会では寿命が延びる。寿命が延びれば仕事は出来る。大体いまの年寄は20歳差し引けば昔の年寄と同じだと言われている。60歳なら昔の40歳だ。 と、なると80歳で昔の60歳定年年代だ。

ということで、今の若者は80歳まで働いて社会を支えていく必要があるという結論に行き着く。それは暴論だ、俺は60歳で隠居をしたい、と言った所で隠居生活を支えてくれる者はいない。80歳でも昔の60歳だから十分仕事はやっていける。

この80歳定年制を前提に置いた社会システムを構築する事こそ今の日本の社会に必要なことでは無かろうか? ほとんどの政治家はこんな事を言うと袋叩きに会うからダンマリを決め込んでいる。しかし、真面目に考えれば高齢化社会では高齢まで働かなくては社会経済を維持できないのは当たり前。これを不幸と考えずに積極的に捕らえられるかどうかで若者たちの人生観が変るだろうな。

 


ガリレオ衛星

2016年06月17日 | 物理

いま東の空に上ってきた月を見ながらガリレオの事を考えている。 ガリレオ・ガリレイ、宗教裁判で地動説を弾劾され ”それでも地球は回っている” と呟いたとされる彼。ピサの斜塔から鉄球と木球を同時に落としたのも彼だったっけ... 

1610年1月7日、ガリレオは木星を回る衛星を発見し数日にわたる観測の末、それが木星の周りを回る衛星である事を見出した。これは全ての天球が地球を中心として回っている、という天動説に対する決定的な反証となった。

図書館から借りてきたコペルニクスの天球回転論が今手元にある。なぜコペルニクス以前の人が天動説を信じていたかというと至極もっともな事に、もし地球が24時間で1回転という高速で回っていたらなぜ大地は不動で空の雲や飛んでいる鳥が反対方向に高速で移動しないか説明がつかなかったからだ。

この答えはニュートンの天才を待つしかなかった。 F=m・a 力と加速度の方程式だ、力が加わらない限り速度は不変、一定の速度で運動を続ける。

今日知ったのだがガリレオの没年とニュートンの生誕は同じ年、1642年なんだね。

ガリレオは宗教裁判で弾劾された中世の人、ニュートンは近代科学の祖と思っていたがほとんど同時代人だったんだな...

コペルニクス、ガリレオ、ケプラー、ニュートン 先人の知恵に思いを馳せる。

 

 


舛添問題

2016年06月14日 | 政治

舛添さんは別に好きではないが同郷のよしみではある。政治家として金を貰ったわけでは無く、せこい金の使い方をしたに過ぎない。 それを、よってたかっての袋叩きだ...

ここに日本人の島国根性・百姓根性がモロに出ているようで見苦しい。出る杭は叩け、とばかりの滅多打ちだね。 僕はこういう日本人の性向はあまり好きではない。多勢に無勢というのは卑怯者のやること、僕はどんな悪党でも一人で戦っているものに味方する。

舛添さんは、せめてお返しに議会解散すべきだ、どうせ都議にしても同じレベルの事をやってんだから痛み分けくらいにしないと腹の虫が収まらないだろう。

 

 

 


量子進化 J・マクファデン 生命と量子力学と人間原理

2016年06月13日 | 生命

量子進化 J.マクファデン 生命の起源に迫る重厚な内容を含む本だ。

原初の生命はRNAそのものだったというRNAワールド仮説が定説となりつつある。RNAは自己複製をすると共にそれ自体が3次元構造を持つ酵素の役割も果たす事ができる。つまり、RNA単体で生命の基本要素を満たす事ができるからだ。

最小の自己複製分子は32個のアミノ酸がつながったRNAペプチドと考えられる。アミノ酸自体はミラーの実験などで知られるように比較的簡単に自然界でできる。ただ20種類のアミノ酸が特定の32の順番で連続してつながる可能性は 20の32乗=10の41乗 の数だけある。これはまさに天文学的数字で偶然にこの組み合わせが起こるのを待つには宇宙の寿命をしても足りない。

この問題を解くのにマクファデンが導入した考えが量子の重ね合わせと人間原理だ。話は簡単ではないが、我々のこの世界は粒子波動の重ねあわせとその観察で成り立っている。何を言ってるのかピンとは来ないと思うが量子力学の示す物質(粒子)の波動性というのはまことに奇妙で理解しがたい内容を含んでいる。電子でも光子でもあるいは全ての物質、極端な場合はシュレジンガーの猫でも波動関数で示される確率的存在なのだ。それが観測の瞬間に粒子として確定する。

この波動性と観測の問題はニールス・ボーアの主張するコペンハーゲン解釈というのが現在の主流だが、別の解釈としてエヴァレットの多世界解釈という説がある。粒子と観測者を含む世界が波動確率に従って分岐するという説だ。この場合、32ペプチドの全ての組み合わせは10の41乗にスプリットされた世界のどこかで発現することが出来る。

そして人間原理。 水の分子は奇妙な性質を持っている。固体の水つまり氷は水に浮く。水以外の物質は液体より固体のほうが重い。水のこの奇妙な性質が無かったら地球に生命は存在しなかっただろう。氷が水に沈めば全球凍結した地球が液体の海を持つ事は無いからだ。この水の奇妙な特性は酸素原子と水素原子の結合角によって水分子がほぼ正四面体形成する偶然によってもたらされている。なぜこの結合角が偶然こうなっているかは誰もしらない。

実はこの結合角の違う宇宙は別に存在している、と科学者たちは考えている。たまたま結合角が今の状態だったので人間が生まれた。これが宇宙の人間原理だ。マクファデンはこの考えを拡張し32ペプチドの複製分子が存在する世界に人間が生まれた、と考える。

まあ、なんともインチキくさい感じはするが現に我々が存在する以上それは起こったと.... 量子力学の意味するところは考えれば考えるほど解らなくなる この世界はまことに奇妙な土台の上に成り立っている様だ。