徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

東海、東南海地震について

2011年05月11日 | 物理

中部電力が浜岡原発停止を決定した。これは正しい判断だと思う。ところで一方、我が家はまだ地震保険に入っていない。東海・東南海連動地震が起れば、うちも震度6の揺れが想定されている。緊急に対応すべきかどうか経済性とのトレードオフを検討する必要がある。(人間は自分と関係の深い事項に関しては過大に評価し、これを認識の遠近法と呼ぶ;ニーチェ)

左の図は過去の東海・東南海・南海地震の発生の記録である。これを見ると二つ解る事がある。一つ目は発生の間隔、近ばでみると100年から150年間隔で地震がキチンと起っている。これはプレート・テクトニクス理論の正しさを証明している証拠であって、海溝型地震は周期的に必ず起るのである。もう一点は東海地震(右端)についてだが、この表を見るかぎり東海地震が単独で発生した記録は無い。

今回の浜岡原発の例で30年以内に87%の確率で地震が起るといわれているが、実はこの数字には若干のトリックが含まれている。もともと東海地震が起る起こると言われていたのは1854年の安政地震以来、東海地震は起っていないので地震エネルギーが極限まで高まっている、との理由であった。しかし、上記の記録を見る限り、東海地震は単独で起ったためしは無いのである。

一方、東南海、南海地震はどうかと言うと、安政地震の90年後の1944年と1946年に昭和地震を起こしており、それから今日まで67年が経過している。海溝型地震はマントル対流速度が一定なので、歪が蓄積して地震を起こすに至る周期がほぼ決まっている。今日現在の67年と言う期間は東南海地震に至る歪を蓄積するに十分な期間とは言えない。ただ、前回は90年で起っているので、あと10年もすれば、そろそろ危険水位ともいえる。今後、30年以内に87%と言うのは間違いでは無いのだが、メカニズムから言って今後30年のうち、後ろになるほど発生確率が上がる特有の分布がある事を忘れてはならないし、閾値の観点から見ると67年では海溝型地震は発生し無いとも言える。加えて、東海地震に連動条件があるとすると、あと十年は南海トラフの地震は起らないだろう。

という事で、我が家の地震保険は今後10年以内に加入する事とし、急がないことに決定した。しかし、近所の断層地震が起って全壊の憂き目に会えば、それは不運と言うしかない。(太陽黒点は少ないままだし...)

 



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