徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

なぜアビガン(ファビピラビル)の有効性を示す論文が撤回されたか

2020年04月04日 | 病気

こういう記事が出ています。

Is the anti-flu drug Avigan effective in treating COVID-19? Written by Ana Sandoiu on March 27, 2020 - Fact checked by Hilary Guite, FFPH, MRCGP New https://www.medicalnewstoday.com/articles/anti-flu-drug-effective-in-treating-covid-19

これによると、取り下げられた論文は下記のような内容ですが、結局ランダマイズされてない被験者に偏りがあり、バイアスがかかっていて結果に疑義が生じたようです。個人的にはアビガンは催奇性という重大な問題のほかにも副作用として、血中尿酸増加24例(4.79%)、下痢24例(4.79%)、好中球数減少9例(1.80%)、AST(GOT)増加9例(1.80%)、ALT(GPT)増加8例(1.60%)等があり、今まで投与された実績のない薬なので、あまり安易に使うべきでは無いと思いますね。

 

研究は、2つの治療レジメンのランダム化されていない比較で、 参加者はすべて深センの第三人民病院の患者でした。

1日目(2月上旬)に、1人の研究グループ— 35人で構成され、全員がCOVID-19と確定診断され、年齢や病気の重症度などの試験基準を満たしていました— 1,600ミリグラム(mg)のファビピラビルを2回服用しました( 2つの別々の用量で)、さらにインターフェロン吸入。

2日目以降、このグループは1日2回600 mgに減量し、インターフェロンの吸入を継続しました。

対照群は、1月の最後の週に入院した45人の患者で構成されました。 彼らは、ロピナビル/リトナビルを14日間400 mg、続いて100 mgを1日2回投与し、さらにインターフェロンを吸入しました。

ファビピラビルを服用した人は、平均4日でウイルスが除去されました。 対照群の人たちは11日でそれをクリアしました。

ファビピラビル群はまた、「対照群と比較して胸部画像に有意な改善を示し、改善率は91.43%対62.22%」と研究者達は報告していました。

統計的計算により、ファビピラビルは独立して「より速いウイルスクリアランスと関連していた」ことが示されさらに、[ファビピラビル群]では対照群よりも副作用が少なかった。」

Caiと同僚が結論付けたように、「この非盲検の非ランダム化対照試験では、[ファビピラビル]は、疾患の進行とウイルスのクリアランスの点で、COVID-19に対して有意に優れた治療効果を示しました。」

ところが、

調査結果に疑問を投げかけた要因
2つのグループの人々の健康特性は調査の開始時点では統計的に同等でしたが、これらの結果には疑問を投げかける重要な違いがありました。

たとえば、ファビピラビル群のより多くの参加者は若くて痩せていて、症状の発症後より早く治療を受けました。一方、例えば、このグループの参加者の数が少なく、発熱がありました。

研究が非常に小さかったため、科学者が分析でこれらの要因を考慮に入れても、これらのような小さな違いが結果を歪める可能性があります。言い換えると、わずかなエラーでも結果にバイアスがかかる可能性があります。

この小規模な研究は、エキサイティングな結果をもたらす可能性がありますが、無作為化の欠如、疾患の重症度の違い、2つのグループの年齢の違い、研究者に結果を目隠しできないことはすべて、調査結果に疑問を投げかけています。

医師がこの薬剤を臨床目的でこの目的で使用する前に、適切に実施されたランダム化比較試験が必要です。



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