
道路を二分するように立つ 「 ひんぷんガジュマル 」
ひんぷんガジュマルは、沖縄県名護市にあるガジュマルの巨木である。
幸地川に架かるあなだ橋のたもとにあり、名護大通り ( 県道84号 ) に挟まれている。
名称は、樹下に置かれている石碑三府龍脈碑の別名 「 ヒンプンシー ( 屏風石 ) 」 に由来する。
「 ひんぷん 」 とは、沖縄の伝統的家屋で正門と母屋の間に立つ、目隠しの塀のことである。
高さ19メートル、気根に囲まれているため幹の周囲長は不明、気根群の周囲長は10メートル。
枝の広がる直径は30メートル、樹齢は240年以上、あるいは300年以上とされている。
1956年(昭和31年)10月19日に沖縄県の天然記念物に、
1997年(平成9年)9月2日には国の天然記念物に指定された。
名護市のシンボルの一つとされる。
歴史
名護の東江湊 ( 後の名護漁港 ) 近くに生えていたリュウキュウマツの大木に
隣接してガジュマルが生え、やがてマツを抱き込みながら成長して行った。
1695年頃にはすでに有名なガジュマルとなっていた。
やがてマツは枯死しガジュマルのみが成長を続けていった。
目抜き通り 「 大兼久馬場 」 の東端にあたり、
西端の 「 クワディーサー ( モモタマナ ) の大木 」 とともに
名護の入口を守る木として住民に親しまれていた。
1962年、樹下に三府龍脈碑が設置された。
三府龍脈碑はもともと別の場所に置かれていた。
2002年(平成14年)9月の台風16号により
幹が傾き倒木の危険性が指摘されたことから、
枝の剪定、支柱の追加、施肥などの対策が行われた。
しかしながら木の勢いは戻らず、
2010年(平成22年)6月1日から2日にかけて大規模な枝の剪定作業が行われ、
合計940キロの枝が切り落とされた。
枝の一部は挿し木により移植され育てられている。