この日曜日に訪れた東京都写真美術館では、もうひとつの展覧会が開かれていた。
Brassaï (1899-1984)
彼の写真を観るのは今回が初めて。しかし、紹介されていた彼の哲学を読んでみて、最近思い至った考えと重なるところがあり、共感するところ大であった。例えば、
「現実を徹底的に突き詰めると非現実にいたる、幻想の世界に入る。」
「忘れ得ぬ写真は、表面から見えないすべての生命の骨格に共通する幾何学的模様を示している。」
彼は好奇心旺盛で、アマチュア精神を持ち続け、「専門化」を最後まで拒否し、新たな表現への道を模索していたようだ。文章をものし、彫刻をつくり、そして自分を眼として見、覗き、写真を撮った。自分が、この存在が眼だけになる、ということを以前に経験したことがある (13 mars 2005)。ただ、彼はそれを一生の仕事にしたのだろう。
フローベールによると、「人生は偶然しか与えない。それを不変なものに変えるのが芸術家の役割である」。ブラッサイは、不変なものを創るべく偶然の中を彷徨い続けたのかもしれない。
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(version française)
植田正治のほうは終わっていましたが、12月に植田の回顧展があることがわかり、鳥取まで行かなくてすむねと娘が言ってました(娘は去年行ってきました)。
拙い歌を詠みましたので、またTBさせていただきました。
私にとっては初めての2人ですが、なかなかよかったです。特に植田は全く予想もしていなかった存在だったので、うれしく思っています。
都写美での時間をお楽しみください。
ブラッサイを「都写美」(娘に教わった言い方です)でやっているのを知ってぜひ観に行こうと思っていたところでした。
まさか植田も観られるとは。
写真集とHPでしか見たことのない植田の写真を、ぜひ観たいと思います。
見逃すところでした。
感謝します。