フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

週末はピリス [その264]

2009年04月27日 | アートな快感







              週末はピリス

 



 マリア・ジョアン・ピリス。

 マルタ・アルゲリッチと地球のピアノファンを二分する人気女流ピアニスト。
 どちらもマリア・パヘスみてーなレベルなんだよ、と云ったらわかり易いだろうか。
 彼女のモーツァルトにハマり、高校時代からずっと聴き続けている。
 もう37年も聴きつづけていることになるのか。
 聴くのが恥ずかしかったショパンを、普通に聴けるようになったのも彼女のおかげだ。


  


 面識はないのだが、幾度か電話でお話しした俳優の森本レオさんとの話題には、なぜかいつもピリスが出てきた。
 「彼女は一度地獄を見たんだよ」
 ピリスの芸風が急変した時期の演奏を、レオさんはしきりに語りたがった。
 あのピチピチだったピアノが、凛としながらも深く内省的な演奏に激変したことは、ファンの間でもかなり大きな話題になったことを思い出す。
 私には理由はわからないが、だからアートは面白い。
 がんばれつよし!って関係ねーけど。

 今週金曜はすみだトリフォニーで、ピリスのコンチェルトの夕べを聴く。
 なんと、ピリスの協奏曲は初めてなのだ。
 プログラムはベートーヴェンのピアノ協奏曲の第2番と第4番。
 第4番の人気は、近ごろ“皇帝”を抜いたとも聞く。
 私は颯爽とした5番(皇帝)と迫力満点の3番を好むが、ピリスだったら何番でもかまわないし、もとよりプログラムは何だっていい。

 合間には、パヴェル・ゴムツィアコフがシューマンのチェロ協奏曲を弾く。
 めろめろにロマンティックでデートなんかには最適の名曲だが、あいにく私は独りで聴くのが好きだし、また一緒に聴いてくれる博愛女性ボランティアも皆無だ。
 共演は高関健指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団。
 
 つーことで、現在は週末の遠足を夢見る小学生気分。
 おやつは300円まで。
 ただしバナナとゆでたまごはこれに含まない。

 

 

                             

                 

 



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