フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2018年10月

2018年10月21日 | しゃちょ日記

 

21751883_1446871855390169_480675820023710995_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月31日(水)その3379◆突貫工事

月末業務を今しがた終え、
これから突貫シャットアウトで
パセオ3月号ガチ対談(エンリケ坂井VS今枝友加)のまとめ。
着地目標は本日22時!

─────────────────────────────────
2018年10月30日(火)その3378◆ヒロシゲブルー

お茶の水あたりから、水源の井の頭公園をめざし神田川沿いを歩いている。
永年歩き慣れた散策コースだが、環八を過ぎたころから
見慣れない景色が左右に広がり始める。
それとやたら人が多い。その上ラドンとかモスラみたいのが
中空を飛び交っていて、いつもとはだいぶ様子が違う。
井の頭線・三鷹台あたりで蕎麦でも手繰るつもりだったが、
そこらはほとんどジャングルと化している。
弱ったな、大雨も降ってきちゃったし、もちろん傘はない。
行かなくちゃ、君に逢いに行かなくちゃ♪~と、
行く当てもないくせに歌い浮かれるヤケクソ。
喉の渇きで目覚めれば、まだ夜明け前。
トイレ行ってもう一眠りすりゃええものを、寝床にくるまったまんま、
この奇妙な夢を時系列で反復整理しはじめる。
ビジュアルは幕末の巨匠・安藤広重描く『井の頭の池弁財天の杜雪の景』。
この〝ヒロシゲブルー〟が、おフランス印象派に
大きな影響を与えたという史実はとても痛快!

44967349_1905558746188142_2008711377765531648_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月29日(月)その3377◆秋の夜長

幾度かお話ししたが、
優しくお洒落で気丈な方だった。
夕刻より石井智子さんのお母上の通夜へ。
協会の淳ちゃん、薫さんと軽く通夜呑みして先ほど帰宅。
これからひとっ風呂浴びて、秋の夜長を呑み直す。

─────────────────────────────────
2018年10月28日(日)その3376◆万能つまみ

夏は枝豆だが、秋冬の前肴はじゃが芋バターがいい。
かた茹での芋に味噌を塗って香ばしさの頂点までオーブンで焼いて、
よつ葉バターとドライパセリで喰う。
うめーよ、どんな酒にも合うしね。

─────────────────────────────────
2018年10月28日(日)その3375◆ダブルキャスト

「死んでもいい恋をしたことがあるか」
じゃあ云うが、三十代に一度だけ、あるにはあるが一方的に空振った。

さて、パセオ11月号は『Ay 曽根崎心中』特集。
日本の創作フラメンコ史上に輝き残る大傑作である。
撮影は川島浩之、文は井口由美子で、どちらも力作!

44990518_1902629339814416_8209881195199070208_n.jpg

尚、今回曽根崎は初のダブルキャスト。
鍵田真由美(⇒工藤朋子)、佐藤浩希(⇒三四郎)という発表には少なからず驚いた。
若い工藤&三四郎がどう演るか、楽しみは尽きない。
そしてもちろん九平次役は、変わらず矢野吉峰。
矢野の九平次は奇跡的なハマリ役であり、
ダブルキャストがちょっと思いつかない。

─────────────────────────────────
2018年10月27日(土)その3374◆怪しい段取り

二週続いた公演黄金週間も終わり、
ぼろぼろに壊れたスケジュールを復興すべく、
明日から実務の鬼と化す。
高めのハードルが幾つもあるが、
お魚さんを頭からバリバリ喰うような感じで、
金曜の大沼由紀公演までにはオールクリアの段取り、ってほんとかよ。

44881843_1901156019961748_4538005218809348096_n.jpg

────────────────────────────────
2018年10月27日(日)その3374◆怪しい段取り

二週続いた公演黄金週間も終わり、
ぼろぼろに壊れたスケジュールを復興すべく、
明日から実務の鬼と化す。
高めのハードルが幾つもあるが、
お魚さんを頭からバリバリ喰うような感じで、
金曜の大沼由紀公演までにはオールクリアの段取り、ってほんとかよ。

44881843_1901156019961748_4538005218809348096_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月27日(土)その3373◆世界を股に

きのうはスペイン、今日はイスラエルと云えば
世界を股にかける男みたいだが、
実際には中野と上野と埼玉を股にかけている男だ

44558229_1895367593873924_6552929223818870784_o.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月25日(木)その3372◆タラント

山道を歩いていると、数名の少年たちに取り囲まれる。
私も同じくらいの年齢らしい。
家がないのならウチに来ていっしょに働けばいいと誘われ、
彼らや大人たちに混じっての寮生活が始まる。
仕事は炭鉱掘りで、夜明けから日暮れまでびっしり働く。
夜は皆して街に繰り出し、煮込みや焼き鳥で大酒を呑む。
いつの間にか私は大人になっていて、
そろそろここを出て好きなことをやったらいいと、
リーダー格の兄さんに諭される。
蒸気機関車に乗り込み、皆に見送られながら、
後ろ髪を引かれる思いで鉱山を出る。
淡々とそこで終わるのだが、悪くない夢だと想った。

44679966_1896542223756461_2027419787155472384_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月23日(火)その3371◆至福の日々

今週は気の早い忘年会が二つ。
そして(金/上野)スペイン国立バレエ団(Bプロ~セビリア組曲!)、
さらに(土/埼玉)イスラエル・ガルバン『黄金時代』
(カンテはダビ・ラゴス!)という黄金週間。
新年号編集整理も山積みで、ド迫力にして至福の日々が続くが、
季節の替わり目でややくたびれ気味のジェーとともに、
ここはひとつ、軽やかに乗り超えてゆこう!

44558229_1895367593873924_6552929223818870784_o.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月21日(日)その3370◆

スリリングなボケ防止策。
近ごろは我が家のおでんブームも手伝い、年寄り同士、
ジェーと煮物の番をしながら将棋ソフト(初期のボナンザ)と対戦することもある。

初期ボナンザは、序盤・中盤・終盤それぞれ、
プロもびっくりの好手・勝負手を繰り出し、
トータルでは強いアマ五段くらいの実力か。
ただし、中盤の戦略思考に一部わずかにデジタルならではの欠陥があって、
このチョー弱のウラシマ六段が巧くそこを突ければ優位を築けることもある。

ところがAIというのはやたら終盤が正確で、
うっかり読み抜けがあるとイッキに逆転を喰らう。
その攻めは獰猛にして辛辣であり、
かつては良しとされていたアナログ対応はまるで通用しない。
多彩にして柔軟なその鋭い狙い筋のすべてを事前に看破し、
デジタル対応しない限り、受け切ることは難しい。

親しい仲間とゆる~い馬鹿話に興じるほどではないにせよ、
そういうシビアに張り詰めた純粋対話に集中するひとときもまた楽しい。
やり込められることの方が圧倒的に多いが、
AI相手に主張を通しながら弱点を突き刺し合う容赦なきディベート学習は、
裏を返せば、人間の弱点をあえて突き刺さぬ歓び、
そして大らかな希望につながるような気もする。
デジタルから学ぶアナログ強化。
それは本音と想いやりの程よいバランス設定を
よりベターにするかもしれない。

44570373_1892877464122937_1161003013855248384_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月21日(日)その3369◆ひとつ覚え

大波小波の四日間をさまざまな感慨とともに過ごし、
日曜朝イチの原稿整理を済ませたら、どっぷりジェーと黄昏たい。
彼の歓びそうな晩メシをあれこれ考えるものの
・・・おでんしか浮かばん。

─────────────────────────────────
2018年10月20日(土)その3368◆スペイン国立バレエ団

早くも評判は上々、
今宵は待望のスペイン国立バレエ団!
新年号の入稿日なのでバタつくが、
早めに片づけ、久々の上野の森の散策をもくろむ。

44306299_1891472064263477_7114103977062432768_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月19日(金)その3367◆日本橋劇場

木曜は早朝から12月号の広告整理をすませ、
午後から高田馬場でビッグ対談(エンリケ坂井&今枝友加)の収録。
かつての行きつけで天玉そばを流し込み、
そのまま馬場でぎりぎりまでテープ起こしに没頭し、
夕刻より日本橋劇場の平富恵さん『愛の賛歌』に。
丁寧に創り上げたフラメンコ・エンタの労作!
帰りの半蔵門線で入交恒子さんにバッタリ、
来秋日本橋劇場で四十周年公演を開催するという。
途中下車で呑む気力もなく、
帰宅するとジェーと連れ合いが待っていて、
ステーキとまぐろ山かけにありつく。

─────────────────────────────────
2018年10月17日(水)その3366◆フライング情報

開演五時間前。
ソワソワするのはいつものことだが、今日もまた尋常ではない。
18時リハの立ち合いからガチンコ対談(パセオ来年3月号)取材がスタートする。
さあでは例によって、本日演目のフライング公開。
        
今枝友加 カンテソロライヴ
(ギター/エンリケ坂井)
Solea
Malagueña y jabera
Alegrías
Romance
 (休憩10分)
Solo de guitarra
Fandango
Siguiriyas
Bulerías

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2018/10/20171017.php?fbclid=IwAR1s_MP04YdWXJXtZotHCCSWLpBx7ehg1qkZujOHmyVDZEtDnInTpGh3p90#006051

富士Red_Fuji_southern_wind_clear_morning.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月15日(月)その3365◆おでん

44130496_1886879041389446_4139431815653883904_n.jpg

春夏秋冬、毎週日曜の早朝、
元気に代々木公園を駆けまわっていた頃のジェー。
ズラっぽい私の頭が笑えて哀しい。
明日からの熱血4連チャンに備え、
今宵はこれから彼とお約束のおでんを制作!

────────────────────────────────
2018年10月16日(火)その3364◆くじ運

六枚中六枚当たったコンビニのくじ引き。
これで年内の運はすべて使い果たした。

─────────────────────────────────
2018年10月15日(月)その3363◆今枝友加ソロライヴ

2018年10月17日(水)20時
パセオフラメンコライヴVol.101
今枝友加カンテソロライヴ
(ギター/エンリケ坂井)

 今枝友加が、日本のフラメンコにおける"至宝"であることに異論の余地がないのは、今枝が誰よりも深くフラメンコへの畏怖の念を持ち続け、誰よりもストイックに追い続けているからだ。今枝が命を吹き込み歌う古いカンテは絶品の域にあり、尚も深化させていることに驚く。その過程にある想いを訊いた。

「フラメンコを始めた頃から、昔のカンテを完全コピーすることが一番のカンテへの道だと確信していました。しかしそれ以前の問題(スペイン語の理解、発音、歌手としての発声等)が山積みで、やればやるほど道のりは遠ざかる一方。それでも諦めずに続けてきたことが20年目にして身を結びつつあり、今やっと昔のカンテを学ぶことのスタート地点に立てた。それは例えば、彼らの音の流れがいかに本物のフラメンコであるかということ、そして伝統継承の大切さを本当の意味で理解出来たこと。もちろん私がやっていることは今でも単なる真似に過ぎないけれど、前には解らなかった音がスッと聴こえるようになってきたことや、スペインの文化、歴史を学んできたことが、自分なりのフラメンコとリンクし始めたことが、歌の変化に繋がってきたのかなと思います」

 真の謙虚さのみが真の成長となることに気付かされる。

「エンリケ坂井さんとの共演はあまりにも恐れ多く夢のよう。でもここでやらなければ機会は訪れないような気がしたので意を決して受けました。魂と対話しながら歌いたい」

 今枝友加は誰よりも重いフラメンコの十字架を喜んで背負い続ける。

  (月刊パセオフラメンコ2018年10月号~井口 由美子)

────────────────────────────────
2018年10月15日(月)その3362◆四連チャン

歓びの四連チャン!

10/17(水)今枝友加カンテソロライヴ(ギター:エンリケ坂井)
 ※翌日はお二人のパセオ対談収録(来年3月号)
10/18(木)平富恵リサイタル『愛の賛歌』
10/19(金)エンリケ坂井『カンテフラメンコ奥の細道』
10/20(土)スペイン国立バレエ団(Aプロ)

今週はサマータイム制導入で締切を乗り切る!

44029850_1885294284881255_8802967181789757440_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月13日(土)その3361◆天然ビーム光線

43878241_1883175851759765_6792146837642936320_n.jpg

土曜の昼下がり。
パセオでひと仕事(来年の連載原稿依頼)終え、
桃園緑道を歩いて五分のわが家に戻り
書斎で書きものをしてると、
ふと例の視線に気づく。

待ってろ、もう少しで終わるからな。

だが、天然ビーム光線は突き刺すような輝きを増す。
結局、サンダルつっかけプリンを買いに出る。
眼力ファイター圧勝の図。

─────────────────────────────────
2018年10月13日(土)その3360◆事実調査

12月号締切のドタバタの中、クレームに対する事実調査のため
過去五年のパセオバックナンバーをめくってみたのだが、
先方の抗議する内容がどこにも見当たらない。
狐につままれた気分で先方にその旨をメールで二度伝えたが、
いまこれを書いてる時点で何故か返信がない。

なにか問題が起きたら犯人はこの私と推定するほうが解決は早いので、
FB上で先週起こった問題にもそういういつものスタンスで臨んでいるが、
パセオをご心配くださる方々へ、とりあえず経過報告。
こういう問題はシステム改善のいい機会にもなってくれるし、
また瓢箪から駒が出ることも多々ある。
どこにも悪意がないのなら皆前を見てサクッと解決するのが一番というのが私の考え方。

43709510_1882979888446028_5910710494989123584_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月11日(木)その3359◆この人本物

43685115_2302941739733373_8591101770837524480_n.jpg

いやあ、凄え奴だと思った。
終演後、小一時間しゃべった。
先のことはわからないが、この人は本物だと思った。

─────────────────────────────────
2018年10月10日(水)その3358◆アミューズメントホール

ヴァイオリンの鬼神パガニーニの名曲カプリス第24番。
大観衆を前にこの超絶技巧曲のギター編を弾いているのは私だ。
端正にしてメリハリある流麗さはジョン・ウィリアムスのようであり、
エンディングの速弾きをパコ・デ・ルシアのように
鮮やかに決めた瞬間ブラボーが飛び交う。

43592860_1878402768903740_4408816330577281024_o.jpg

いつまでも鳴り止まぬ喝采に違和感を感じ、
舞台から降りて客席をよくよくみれば観客の絵を描いたベニヤ板である。
鳴り止まぬ大歓声は録音であり、
また奇跡的な私の大熱演も作り物であったことに気づく。
つまりここは、プレーヤーには成れなかったおっさんなどが、
その屈託を晴らすためのアミューズメントホールというわけか。

会場を出ると、来年小学校に上がる暁子がソフトムリーム片手に待ち構えている。
父の実力を知る長女はあえて聴きに来なかったのだろう。
アコの右手にはあの懐かしいわが家の番犬が繋がれていて、
イチはぷるんぷるんに尻尾を振り回しながら飛びついてくる。

民家に突っ込みそうな見覚えのあるジェットコースターが視界に入り、
ここが当時のご近所・浅草花屋敷であることを知る。
夢はそこでぷつんと切断されるのだが、
聴覚・視覚の生々しい臨場感は今年度ピカイチ。

─────────────────────────────────
2018年10月10日(水)その3357◆100回目

出来るものなら100回まではと、
馬鹿のひとつ覚えで突っ走ったパセオフラメンコライヴ。
例外を設けないシンプルなルールで観たいライヴに執着してきた。
願いが叶うまであと一歩、10/11の土方憲人ソロライヴでその第100回目を迎える。
来年は本来の月1ペース(多くて2回)に戻し、
願わくば息の音がとまるまで続けたい。もう少し増やしたいが、
現在決まっている来年のラインナップは次のとおり。

2019年
03/14 小島裕子(バイレ)
03/28 小林伴子(バイレ/パリージョ)
04/11 谷朝子(バイレ)
04/25 渡部純子(バイレ)
05/09 入交恒子(バイレ)
05/23 森田志保(バイレ)
06/27 エンリケ坂井(ギター)
07/11 鈴木千琴(バイレ)
08/08 井上圭子(バイレ)
09/12 鈴木敬子(バイレ)
09/26 ディエゴ・ゴメス(カンテ)
10/10 今枝友加(未定)
10/24 川島桂子(カンテ)
12/12 大沼由紀(バイレ)

43354255_1876039335806750_3978878082634219520_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月7日(日)その3356◆長期戦略

バツイチ同士の再婚から二十年。
暮らしの習性はまるで異なり、
見つめる方向だけはいっしょという相性。
写真は当時の初代守護犬メリ。

43293056_1875282865882397_2889273754704150528_n.jpg
   
明日の晩は二代目ジェーもオッケーな店にて二十周年祝賀会。
すでにジェーはお出かけの状況を察知し準備態勢を整えている。
毎年10/8の入籍記念日は連れ合いの誕生日でもあり、
年にいっぺんで済んでしまう長期戦略はいまも生きている。

─────────────────────────────────
2018年10月6日(土)その3355◆焼きうどん

バタバタと忙しく、焼き鮭とオリーブで一杯やって、晩めしは焼きうどん。
学生時代の厨房修業で覚えた賄いめしだが、手軽さや原価からすると、
これはけっこう優れもんで皆喜んで喰う。
うどん、豚コマ、キャベツだけでも充分うまいが、
今日は在庫整理で蓮根、にんじん、ほうれん草、もやしなども投入。
醤油・酒・みりん少々が今宵の味付けで、ジェーや連れ合いの注目を浴びつつ、
仕上げにふわふわのカツオ節をたっぷり。
料理は段取りだが(企画・買い出し・調理・片付け)、
二十代から段取り屋という商売を選んだ理由は、
どうやらそこらへんと無縁でもなさそうだ。

43305436_1874493602627990_6060740505866600448_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月6日(土)その3354◆逃亡者

なにかと浮き沈みが激しいのが江戸っ子。
楽しい酒と記録的な大寝坊でこころの複雑骨折はほぼ完治、
今日からパセオ新年号と2月号に本格着手。
   
とりあえず、ジェーと新聞を相手にのらりブランチ。
近ごろは朝夕の新聞小説もやたらおもろい東京新聞。
朝湯やら晩酌やらで将棋欄とともに欠かさず読むが、
中村文則さんの新連載『逃亡者』はスタートから鬼のようなツカミで、
手に汗握る展開とはまさしくこのことだろう。
        
逃げるのも追っかけるのも、そこにはエキサイティングな人生の高揚があり、
一方では安楽に憧れるのが人間。
AI時代もそうしたシンプルな矛盾は不変であろうし、
いよいよバッハやフラメンコの出番だと、ひとり妄想に走り英気を養う。

43183249_1874143212663029_162961869642924032_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月2日(火)その3353◆リピートの予兆

カニサレス・フラメンコクインテット来日公演2018。
9月29日・めぐろパーシモン公演のパセオ忘備録初稿。

カニサレスが世界中からコンサートのリピート要請を受けるのは、
この日のライヴのように至福なひとときを必ず約束するギタリストだから。
そのクオリティはそれも約束事であるかのように、
毎回着実に美しさ楽しさと深さを増し続ける。

懐石料理の究極フルコースのように、それぞれ良質な素材を活かした
丁寧で手間のかかった美味しさをベースに、
全体のバランス構成に最良の采配をふるう。
素人にも玄人にも観どころ聴きどころは満載で、オールマイティな普遍がある。

今回は新たにホセ・アンヘル・カルモナ(カンテ/マンドラ/パルマ)が
加わるクインテット編成。
カンテの補強はやはり吉と出て、またパルマの増強も予想以上の成果を上げた。
ここまで極めてくると、次は重低音を厚くするコントラバス(あるいはチェロ)の
加入が渇望される。

2017年NHK交響楽団とのアランフェス協奏曲と同じく観客席はほぼ満員だが、
パコ・デ・ルシアやアントニオ・ガデスの初期の来日時と同じように
フラメンコのファン層は少ない。
新たな地平を切り拓くスーパースターの出現には慎重であり、
他ジャンルからの圧倒的支持を確認してから重たい腰を上げるのが
アフィシオナードの常だが、
それはフラメンコの伝統的美質を廃らせない理由でもあるだろう。

この世に完全無欠なアートは無いが、すでにカニサレスはその近みに在る。
休憩を含むジャスト二時間、高揚と癒やしのコントラストの積み上げは
アンコールでクライマックスに達する。
踊りならスペイン国立バレエやマリア・パヘスのように、
豊かな感性知性にあふれるフラメンコエクスタシーは、
この先フラメンコがより多大に国際貢献してゆくための
最も有力な切り口に想える。
フラメンコの伝統もそれらを歓んでバックアップする構図も視える。
終演後家路をめざす人々の明るく上気する表情には、
次回も必ずリピートするに違いない予兆がある。

42904291_1869396246471059_2883326238611472384_n.jpg

─────────────────────────────────
2018年10月1日(月)その3352◆引き分けとハシゴ酒

10月1日。
たいへんなラッキーがひとつ。
心が折れる大負けがひとつ。
連れ合い連れて
久々のご近所ハシゴ酒。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿