作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 ハゲタカ (3) 】

2007-03-03 21:22:13 | 02 華麗な生活


「私の人生の折り返し点は、とっくに過ぎました。
しかし自分を偽りながら過ごすには、長すぎます」

「格好良いな。お前は何時も格好が良い。
だから駄目なんだ」

偽りながらは、他の言葉だったかも知れない。

こうして、悪徳重役の縛りから、やっと抜け出た
エリート銀行員が一人、銀行の出世コースから
離れた。
のみならず退職させられた。

辞表を出したからといって、悪徳に叛いた以上、
銀行には残れない。

ここにある銀行は、それが土建会社にも、他の業種
にも置き換えが出来る。

組織のため、会社のため。

この言葉一つで、悪徳が優秀な社員を一人づつ、
廃人同様に追いやるのだ。

最後まで残りえた者が、次の悪徳となる。

「この仕事が出来るのは、当行ではお前だけだ」

「お前が当行のエースだ」

「他に誰がいる。お前以外に人材はいない」

「それで、当行の名前が出ることはないな」

ドラマ「ハゲタカ」は、会社という名の組織の
恐ろしさを、見事に描ききっている。

                                 パパゲーノ



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