「私の人生の折り返し点は、とっくに過ぎました。
しかし自分を偽りながら過ごすには、長すぎます」
「格好良いな。お前は何時も格好が良い。
だから駄目なんだ」
偽りながらは、他の言葉だったかも知れない。
こうして、悪徳重役の縛りから、やっと抜け出た
エリート銀行員が一人、銀行の出世コースから
離れた。
のみならず退職させられた。
辞表を出したからといって、悪徳に叛いた以上、
銀行には残れない。
ここにある銀行は、それが土建会社にも、他の業種
にも置き換えが出来る。
組織のため、会社のため。
この言葉一つで、悪徳が優秀な社員を一人づつ、
廃人同様に追いやるのだ。
最後まで残りえた者が、次の悪徳となる。
「この仕事が出来るのは、当行ではお前だけだ」
「お前が当行のエースだ」
「他に誰がいる。お前以外に人材はいない」
「それで、当行の名前が出ることはないな」
ドラマ「ハゲタカ」は、会社という名の組織の
恐ろしさを、見事に描ききっている。
パパゲーノ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます