作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

歴史・エッセイ・小説・時事ニュース・・・なんでもござれのブログです。どうぞよろしく。

【 神戸ビーフ 】

2006-11-07 10:44:00 | 11 美味いもん談義


大震災の痛手にも関わらず、神戸は市の名前
そのものがブランドたり得る街である。

いわく神戸ウォーター、神戸カレー、神戸ワインetc。
なかでも神戸ビーフがインターナショナル。

昨年の7~8月にかけて、ドイツへ行き、現地の
病院で人工透析を受けた。計7回。英語が通用
すると事前に聞いていたのに、誰ひとり英語
なんかしゃべらない。

当たり前のようにドイツ語で、他の患者と同様に
扱われるのには参った。

ボクは1968年に8週間だけ、ミュンヘン郊外の
田舎村にあったゲーテ・シューレでドイツ語を
学んではいる。しかし8週間だけのことで、それから
37年経っていた。

アウグスブルグの外れにある病院なんかに日本人の
透析患者なんか来るわけがないから、珍しがられて
医者だのナースだの次々やってきては、しょうもない
質問をする。

「神戸から来たらしいな」

「地震が凄かったな、TVで見たよ、高速道路が
 倒れてた」

「ところで聞くが、神戸ビーフってのは、そんなに
 美味いのか」

「知らんなぁ~」

「あんた神戸の住民だろう、なぜ神戸ビーフを知らん」

「食べたことがないから」

「なんで」

「高いから」

「地元のビーフがなぜ高い」

「知らんなぁ」

「なんで」

「ボクは牛を飼ってる農家でもないし、レストランの
 経営者でもないから」

「震災の写真をTVで見たが、あんな近代的な都市の
 どこに牛が居るんだ」

「神戸には牛なんか居ないよ」

「どこに居る」

「山を越えたら農村地帯が広がる、そこで飼われた
 牛が神戸のレストランでステーキとして供される」

「あんたが食べられんぐらい高いって、どれほど高い」

「聞いた話では、そうだな一人前が100ユーロは
 する」

「え~っ! 100ユーロ? それは高いなぁ~」

             

                                パパゲーノ




                                   美味いもん談義目次へ≫

                                    総目次へ≫


最新の画像もっと見る

コメントを投稿