作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 あの日あの時(4) 】

2010-01-19 11:45:08 | 02 華麗な生活

我が人工島と本土とを結ぶアクセスは一本だけ、六甲大橋と
名づけられた道路が残った。

地震の直後の六時台に、若い人たちをメインにかなりの
家族が、その道路を使って脱出した。やがて警察が出動
して、この道路も封鎖された。

我が人口島は、神戸の最初の人工島ポートアイランドの
学習効果を生かした産物で、液状化現象などもポートの
それと比べると、はるかに影響が少なく済んだが、それは
後で分かったことである。

我が人口島はまさに孤島と化した。
心強かったのは、この島のデベロップに当たった積水ハウス
が社員を動員して、食料や水の配送を行ってくれたことだった。

余震が相次ぐ中を、次々と積水ハウスの社員が水の入った
ペットボトルを、そしておにぎりや食パンを運んできた。

その代表がマイクを持ってスピーチを行った。
「この島はいまや神戸の中の別天地です。いったん島の外に
出たら、そこは地獄です。
皆さんの食料は我々がなんとでもします。
間違っても島からの脱出なんて考えないでください。
もう一度言います。
本土側は地獄の様相を呈しています」


                      パパゲーノ

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