個人経営ながら、良い先生が居られる整形外科を紹介
された。そこでの治療は神経ブロック注射といって、
もっとも痛む患部に麻酔薬を注入することだった。
病名は脊椎管狭窄症だといい、腰椎の四番と五番の間に
あるべき椎間板が激しく損傷し、脊椎の背中側に沿う
神経の管(これを脊柱管と呼ぶ)を圧迫し、その影響を
受けた神経が痛みを発するのだとのことだった。
特注のコルセット(皮製)も用意された。これで腰部を安定
させて、週に一回のブロック注射を打つ。手術を避けての
治療としては、それ以外に考えられないとのことであった。
先生は六名の整形外科仲間と研究グループを作っておられ、
ボクの症状はその会の研究課題となったらしい。
その結果としての治療が開始されたわけだった。
06年3月に始めて体験した神経ブロック注射の痛みと
いったらなかった。ボクは毎回のように涙をこぼし、注射後の
一時間をベッドにうっぷして過ごしていた。
人間の身体はたいていの刺激に耐え慣れてくる。
やがてその痛みにも耐性ができて、苦痛を感じなくなった。
当初はブロック注射後の二日ほどは効いていたのが、
だんだん駄目になっていった。
治療開始から丸三年が経過した09年3月に、ボクは
最後の手段として手術を受ける決意をかためた。
すでに歩行も困難になっており、嫌も応もなかった。
問題があった。ボクは腎機能障害で毎週3回(毎回4時間)
の人工透析を受ける一級障害者であった。
透析を続けながらの手術となれば病院も限られてくる。
パパゲーノ
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