作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 安倍首相ガソリン税で大きく後退 】

2006-12-02 11:18:34 | 04 時事ニュース


日本政府には首相が会長を任命する諮問機関
として「政府税制調査会」がある。

一方自民党には、党独自の「税制調査会」がある。

自民党議員が集まって、日本の税のあり方を
調査したり税制改革を独自に論じるのは大いに
結構なことである。

問題なのは新聞などマスコミが、

「政府税調」

「党税調」

が、それぞれ発表することを、同等に扱って
報道するから、国民の多くが両者を混同し、
これは政府、あれは自民党と区別して理解
するのを妨げているかに見えることである。

更にケシカランことは、自民党税調の幹部が
往々にしてオフィシャルな存在であるはずの
政府税調を、軽んずる発言を行うことであり、
今回も党税調の会長におさまった津島雄二が、
「最終的には党税調が決める」と、言い放っている。

山中貞則が党税調に君臨していた時代は、
もっとヒドかった。

当時慶応大教授だった加藤寛さんが、纏め
上げた「政府税調」の税制規格案を評して、

「政府税調案について、これを軽視はしない。
 無視する」

また、党税調の新会長などが官邸に首相を
訪ねたりすると、

「党税調の大幹部たる者が、軽々に官邸などに
 出向くな」と一喝。

なんたる思い上がった言動であろうか。

こうした族議員の思い上がりが、税制のみ
ならず政治の多くを歪め、一部議員の思い通り
に政策が行われる出発点になってきた。

いきおい予算を握る大蔵省(今、財務省)は
公的機関の政府税調をないがしろにし、党税調の
インナーと称するボス連の顔色を窺うことになる。

あの小泉も手が出せなかった「道路特定財源」と
いう聖域に、安倍総理は足を踏み入れた。

今朝の日経では、早くも2兆9千億円のガソリン税
については2008年度以降の実施と、大きく
後退したことを報じている。

同じ紙面に、自動車関連23団体が、道路特定
財源の一般財源化に反対とあり、塩崎官房長官が
道路族に押さえ込まれた図式が見える。

造反議員をいとも簡単に許容して、評価を大きく
下げた安倍が

「古い自民党に戻ることは決してない」と昨日
発言したそうだが、ならばこそ、○○特定財源
なんて、名前からして族議員の思いのままの
「税金の使い方」があることを、廃止しなきゃ
いけない。


               パパゲーノ



                    
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