作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 不毛地帯(9) 】

2010-02-02 18:21:39 | 02 華麗な生活

H氏との久方ぶりの会話の中で、話題の中心となるのが、
お互いが新卒の社員として採用され、勤務した商社の
ことになる。

ボクらが勤務した会社には、ドラマに登場する壱岐や
鮫島のような政商とも言うべき、政治家との癒着で事を
運ぶ重役連がいなかった。
もっと小物ばかりが幅を利かせていたと言うのが本当のことだろう。

それでも派閥は横行しており、派閥の親分がエラくなれば、
子分どもも引っ張りあげてもらえる図式に変わりはなかった。

正月の宴に、どの親分の所に馳せ参じるかを競う傾向を
ボクは忌み嫌った。
人間集団だから、親分・子分の関係ができるのは、ある程度
自然のことだが、あくまでも仕事に取り組む姿勢のあり方で
生まれる派閥であるべきだった。

武将として優秀な重役たちもいたのだが、本社中枢を握る
石田三成タイプの者が現れ、子分どもはゴマ摺りに長けた
者たちの集う場と化して、ビジネス本位の派閥の親分が
消えていった。

石田三成の後には、また石田三成が、その後にはタイプ
だけが石田三成で、能力は武将に程遠いヤツの登場となって、
あたら名門商社がその名を永遠に失う結果となった。

第一の石田三成の登場がなく、武功派の将がトップの座に
ついていたら、あの会社の名が消えるようなことには、ならずに
済んだと思うだに悔しい。

「不毛地帯」の視聴率が伸びないと聞いた。
あのドラマは山崎豊子さん原作の社会派小説が原作で、
フジテレビ開局50周年を記念する作品だと言う。
同じ山崎作品の社会派もの「白い巨塔」の成功にあやかって
唐沢主演となったらしいが、唐沢が商社の幹部社員を
演じ切れていない。

内容が重苦しく、女性と子供は誰も見ようとしないから、
視聴率が上がらないのは仕方が無いらしい。

こんなことなら、ボクが書いた『炎の商社マン』の方が、
はるかに変化に満ち、ビジネスの
世界での商社マンの
活躍ぶりが動的に描かれていて、親分・子分の関係も
人間味があり比較にならぬ程に面白い。


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