作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 生きている間に 】

2011-07-22 18:24:52 | 02 華麗な生活

今更海外旅行に行きたいという気持ちはない。
一般人が海外に旅行するなんて
考えられなかった時代に、
ドイツ駐在の幸運に恵まれたから、スイスアルプスの
登山列車に乗っても、日本人の姿を見ることは滅多に
なかった古き良き時代。

それでも生きている間に、ここだけは是非見ておきたいと
想う場所がある。
中国の遼東半島に位置する大連だ。
ボクは昭和9年にこの町で生まれた。

だ赤ん坊の間に奉天(今の瀋陽)に引っ越したから、
何の記憶もない。
清岡卓行という詩人が芥川賞を取った、
「アカシアの大連」の文章を呼んで、
思いを馳せるのみで
ある。

高校の同級生の中に、世界中を駆け廻っている女性が
居て、最近大連に行って来た
ことを昨夜電話で聞いた。
彼女は中国の各地もあちらこちら訪ねているが、大連だけ
は他のどの地よりも
別の趣があるのだと。

ボクは週に三度の人工透析を欠かせない身体なのだが、
クリニックの婦長さんが、
「今の状態なら週に一回ぐらい
抜いても影響ありません」と言ってくれたから、
金曜日か
月曜日の透析を外して週末利用で、生まれ故郷を訪れる
ことは可能
なのである。

この土地の人々は、今に至るもなお、日露戦争の日本側
の名将たちを
尊敬する念が強いとも聞いた。
ボクの生まれた町は、山縣通りで、陸軍総参謀長、
山縣有朋に因む。

来年のアカシアの季節にでも実行したいと思っている。



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2 コメント

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在職中に二人の先輩が満州を馬で駆けまわって商売... (小林悦男)
2011-07-25 16:13:48
在職中に二人の先輩が満州を馬で駆けまわって商売をしたことや住んだ場所の事、気候風土のこと、現地の人々の話をして呉れました。戦後産まれの者にはチンプンカンプンですが中国奥地・樺太からの逃避行の話題は良く聞きました。田舎は長野ですが引き揚げ者の入植した土地が多く彼等の生活を目の当たりにした世代でも有ります。小林悦男
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お久しぶりです。日本の国土の中に故郷がある方た... (小林真一)
2011-07-26 14:14:09
お久しぶりです。日本の国土の中に故郷がある方たちが羨ましい。父親に連れられて落ち着いた先が淡路島の南端で、一応瓦葺の家こそありましたが、上下水道もガスも無く、生活環境の落差が大きく感じられました。後年テレビドラマで「北の国から」を見て、純や蛍に同情しました。彼らの生活の方がもっとヒドかったけれど、落差の大きさはボクの方がヒドかったと思いました。
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