作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 あの日あの時(6) 】

2010-01-21 10:24:21 | 02 華麗な生活


父は六甲アイランドのマンションに一泊し、
翌日故郷の淡路島に帰って行ったのだが、
その日にクルマで通った場所の多くにも、
大きな災害が起きた。
たった一日で様相を空爆後の街のように
変えた、その前日に健全だった姿を目に
できたのは神様のご配慮でもあったろうか。

新神戸駅に近い辺りは、地盤も固く被害も
僅少であったが、その辺りに住まう友人の
顔を見たいからと送って行った。

その後、通称フラワー通りを南下して海岸
通りに出たのだったが、あの震災で象徴的
な映像の代表の一つとなった、大きなビル
が倒れて道路をふさいだ、JR三宮のすぐ
北側を、前日にあたるこの日に通っている。

また神戸市役所の旧館が崩壊し、多くの
夜勤者が犠牲になったが、その前の道も
通ったし、淡路航路の船が発着する
中突堤にも、父を送って行った。

震災で中突堤も大被害を受けて、しばらく
港としての機能を失ったのだったから、
前日に損壊前の健全な姿を目に納めた
のは幸せなことだった。

もっと凄いのは、世界中に映像が流された
高速道路の倒壊場所である、深江の辺り
をも、あの高速道路上を走ったことである。
まさか、それから十時間ばかりで、倒壊する
なんてことは全く想像外のことであった。

こうして見ると、あの巨大震災に、ボクは
かなり近寄っていたことになる。

ちょうど六十歳だったボクは、まだ人工透析を
受ける身にもなっていなかった。

あれからの十五年、太陽を周る地球の速度が
増している。



              パパゲーノ

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