作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 水の都ベネチアが水没 】

2012-11-13 14:17:58 | 02 華麗な生活

イタリアにも大きな雨雲が発生し、ベネチアのサンマルコ広場
でも、人々が下半身を水に取られて難渋している光景が映る。

もう40年も前から、「今に水没するから早く見ておけ」と言われて
いたのが、今もまだ水没はしていない。

元々冬季には海面が上り、サンマルコ広場が水びたしは、さして
珍しい話ではなかった。今はまだ冬季には早いので話題になった
のだと思う。

ベネチアに行ったのは、自分の会社を立ち上げ、それが軌道に
乗ってからの86年。大運河をゴンドラにも乗ったが、水の汚さ
には辟易した。あんなものロマンチックでも何でもない。

偶々6月1日がボクの誕生日だったから、リド島に渡り緑の多い
道を歩いていたら、つるバラが壁に延びて拡がっている建物が
あって、目が合った若いウエーターに、ここで食事は出来るのか
と問い、「どうぞ」と案内され、夕なずむひと時を食前酒で楽しみ
陽が沈むとともに内部に案内されたら、思いがけず本格的な
リストランテであった。

リドで有名なクワットロ・フォンターナがその場所だとは知らずに
入ったのであった。
スズキの良いのがお奨めだと言われ、そいつの焼いたのが
誠に美味であったことを覚えている。

リドに渡った目的がカジノで、食後カジノの位置を聞いたら、
なんと道を隔てた隣の建物がそれで、無料の入場券も呉れた。
あまり稼ぎは出来なかったが、リストランテで白と赤のワインも
飲んだ分ぐらいは、カジノで勝ったから、あの誕生日ディナーは
結果無料になった。

その翌日にベネチアを発って、チューリッヒに向ったのだが、
この時はスイス航空の大阪の支配人の厚意で、ドルダー・グランド
の一泊・ディナー付きが振る舞われ、空港出迎えのリムジンで行った
ところ、大勢の出迎えを受けて、しかも長々とレッドカーペットが
敷かれていた。

おくら厚かましいボクでも、これはオカシイと思ったから、誰か来るのか
と訊ねたら、フランス大統領のミッテランが、もうすぐ来るとのハナシ。
ミッテラン氏は、彼のために用意されたレッドカーペットをボク等に
先に踏まれてしまった。

ミッテラン氏は、その夜チューリッヒの要人を多数招き、翌日ベネチア
で開かれるサミットに出席するとの事であった。

後で知ったが、ボク等が去った直後からベネチアの警備が厳しくなり、
観光客も入れない場所が増えたと言う。ボク等が滞在中は、サミット
なんか何処吹く風の雰囲気であった。

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