二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

ヴァルハラの乙女たち 1話  「はじまり」  

2010-11-14 04:09:21 | 習作SS
「う・・・・・?」

随分長く寝ていたようで意識がはっきりするまで時間がかかった。
しかし酷い頭痛が未だに頭に響いている。

「目が覚めたかね?」
「はい・・・・え・・・・。」

振り向いた先に白い服を着た男性は医者という職業の人間だと分かるが


それよりも、


「おじさん、どうして体中に『線』が書かれているの。」
「何を言っているのかな?線なんてどこにもないが大丈夫かね。」

脳に障害でもあるのか、とブツブツと医者は呟く。

でもボクにはそれが見える。
それが『死』を表すものであると脳髄が訴えている。

アタマが、いたい。

「それより君は自分の名前は分かるか。」
「名前・・・・・・・・。」

そうだ、名前。
自身のアイデンティティーたる名前は・・・・・。

「・・・ゲルトルート・バルクホルン。」
「ふむ、自我の認識には異常はないようだ。」

違う、ボクは××××だったはずでゲルトルート・バルクホルンなんかじゃないのに。
なのに、自分はゲルトルート・バルクホルンだと認識してしまっている。

「ところで、何か体に違和感を覚えないかな。」
「違和感?」

違和感なんて体の作りが幼女体系で頭痛はするし
しかもアソコがあって違和感だらけ・・・・アソコがある?

「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「その様子だと分かったようだね。」

股間にはなぜか前世で見慣れた代物が鎮座していた。







はっ、はっ、はっ

走る、走る
もう息が切れているがそれでも走る。

ひ、はぁ、はぁ

あんな所に、
ただでさえ『死』が多い場所にいたくない。

はぁ、はぁ、はぁ

自分は知っている。
この『眼』が何であるかを、だから余計に病院にいたくない。

はぁ・・・はぁ、はぁ


やっとたどり着いたカイザーランドが見渡せる病院の丘に倒れ込む。
そんなに距離がないはずなのに直ぐに疲労するこの肉体が忌々しくてしかたがない。

『眼』から見える世界がとても怖くてしかたがない。
不可不思議な能力を手に入れた喜びと好奇心よりもこの場合恐怖が勝っている。

ぜえ、ぜえ、ぜえ

臭いほど青く生い茂る草のなか
これから起こり得ること、この後についてボンヤリ考えていた時に、

「これ、こんな所で寝ていると蹴られるぞ。」

老人にカールスラント語で上から話かけられた。
今思えばその人に会わなかったら私はきっと自殺か廃人にでもなっていただろう。
あの人のおかげで今でも生を謳歌することができ、私がこの世界で生きることを決意できた。








『バルクホルン、バルクホルン大尉』
「ん、おう。ミーナか、すまん少しボーっとしていた。」

無線の応答にこたえる。
今飛んでいる透き通った空を見ていて、この世界に初めて来たときの出来事を思い出した。

いや、まさか世界を渡り歩く某型月キャラの人に出会うなんて思いもよらなかったよ。
そしておかげでこの厄介な眼、「直死の魔眼」をなんとか制御できるようになった。


直死の魔眼


型月系作品において最強クラスの異能。
物体の死を理解できてしまい、あらゆる存在そのものを殺せるというチート能力。
が、私はどこぞのツンギレと違い身体の出来は両性を覗きほぼ一般人。
後天的に得た事もあり、脳に対して負荷を受けるのは絶倫メガネと同じ。

このチート能力の使い方としては単純に死の「点」を撃ち抜くことなのだが、
小型ネウロイは狙いにくいのでまず使えず、狙いやすい大型ネウロイか動きの遅い陸上型しかあまり使えない。

加えて脳の負荷を考慮すると長時間継続して使用できない。
無理に使用してひどい頭痛に襲われ、気がそれた瞬間に逆に撃墜されたのは一度だけではない。

こんな感じに、メリットはあるがデメリットも結構大きい。
でも、それでもこの能力は大いに役に立っている。特に撃墜困難な大型に対してはかなりいい。

「上昇速度変わらず、高度1万突破。」
『スペックどおり、さすがタンク博士設計のユニットね。』

まあ、それは置いておき現在試験飛行をしている。
『男物の短ズボン』の下の足に装着しているストライカーユニット名はTa152H。
<原作>では登場しなかった機材を使っている。


Ta152H


史実では1万メートル以上の高高度で追撃にあたる高高度戦闘機として開発された。
カタログ性能の高さから「世界最強のレシプロ戦闘機」とも称されるが、敗戦末期の生産体制の弱体化。
熟練工不足でエンジンそのものの出来具合の悪さで高速度性能が生かしきれずにいた。

しかし、ここでは生産設備がノイエ・カールスラントにのがれたこともあるが、
皮肉なことに史実ではその設備を爆撃したアメリカにあたるリベリオンが味方で、
史実のドイツ兵たちがうらやむほど豊富な物資の供給が受けられる。

高オクタン価燃料に精度の高い工作機械。
それらが供給されるおかげでカタログ値どおりの最高速度760キロまでだせる名機になった

『あー、うらやましいなあ。改造させてもらえないかな。』
「うっさい、誰が譲るか。」

隊内1位のおっぱいを持つシャーリーが無線で割り込む。
む、今日は滑走路で日向ぼっこするとか言ってた気がするが。ま、いいか。

『んじゃあ、後でおっぱい触らせてあげるからさあ。』
「却下。」
『おやおや、初めての時はあんなに初々しいかったのに最近冷たいなあ大尉殿は。』
「うぐ、」

ちくしょうめぇえぇぇぇ。
だって中途半端に男の子の機能があるせいだもん。
あんなおっぱい三次元で見たら誰だってそうなるもん。
眼前で16歳の(ここ重要)けしからんおっぱいぷる~んぷるんされたら股間がテポドーン!

『・・・・ジャンクにされたいのかしら。』
『すみませでした!』
「我々の業界ではむしろ御・・・いや冗談だ。」

割り込みされて怒り心頭なミーナは相変わらず怖かった。
銀ボイスにシャーリーは思わず速攻で謝罪したほどに。
私はさっきのノリでいらんこと口走ったけど。聞かれてない、よね?

『それと、バルクホルン大尉は御褒美にジャンクに――――えっ?』

戸惑いの声。
僅かに響く人工的な音。
これは――――サイレン。

『っ!ネウロイ!』

ああ、そうか。
今日がその日だったのか。
扶桑艦隊が来ると聞いていたが今日こそが<原作>が始まる日だった。
<原作知識>も記憶がだいぶ薄れていたせいですっかり忘れていた。

「中佐、私なら今すぐ行ける。武装もある、命令を。」
『・・・・まだ履いたばかりの試作機よ。』

もともと上昇テストの後に新型武装の射撃テストもする予定だったから武装してある。
しかし、ミーナが言わんとしていることは理解できる。慣れないユニットで出撃すればそれだけ生存率が下がることを。

「以前のように無茶はしない、約束する。」

『・・・わかりました、バルクホルン大尉。
 ただちに南南西150キロ先の扶桑艦隊の護衛にあたりなさい。なお、ネウロイに関する情報は追って連絡します。』

「ヤボール!(了解)」

許可は出た。
方向を南南西に向けて加速する。

「・・・・・。」

僅かないらだち。
この世界に来た当初からこの世界に関する知識に穴があったとはいえ。
なぜもっとこの事を思い出せなかったのか。


後悔 無念 


もし、それを覚えていたならば対策のしようがあったはずだ。
例えば送迎という名目で護衛のウィッチを派遣して、『たまたま来たネウロイのため』護衛任務になるよう仕向けるとか。

原作では描かれなかったが艦隊に多数の戦死、戦傷者が出たはずなのに。
私はそれを止める機会があったはずなのにみすみす見逃した。

「・・・くそったれ。」

ボクはいつだって後悔してばかりいる。
周りは「仕方がない」というが

「知っていたかもしれず、それを防げたかもしれない」

そんな私には後悔以外の感情が湧かない。
よりよい未来へと選択できたかもしれなかったのに、私はやらなかった。


だけど・・・・。


「私にできること、それをやるしかない。」

150キロの距離は時速760キロで移動する私にはあっという間の距離で、
眼下の大洋上に巨大な黒い物体が赤い光線を吐いているのが手に取るがごとく見えた。

爆発、それに水柱。
対空砲火の弾幕に低く轟く砲声。

「こちらゲルトルート・バルクホルン。坂本少佐、聞こえますか?」

『バルクホルンか!どこだか知らないがちょうどいい時に来た。
 ネウロイのコアは尻尾にある。わたしが囮になるからそこを狙え!』

りょーかい。
まかせろ、もっさん。

「了解、これより攻撃にはいる!」















続いたよ。
なんとか・・・。
コメント (3)
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